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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第三章 聖地巡礼
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【椿大神社】

 次の目的地は、椿大神社だ。途中で昼食休憩をとる。


 福西さんお勧めの、菰野町の道の駅を目指した。

15分くらいで道の駅に着いた。


 隣に<マコモの里>という食堂があり、そこで昼食だ。


 トランクをあけてもらい、みんなバックから携帯やスマホを取り出し、

メールなどをチェックしている。


 ジャンヌはボトルを取り出し、みんなで食堂に向かった。


 なにも食べないジャンヌ以外、福西さんの分も含めて、

ゴリがまとめて清算した。


 ジャンヌのお母さんからの預かりからだから、みんなジャンヌにごちをした。


 昼食後、車は鈴鹿山脈の方へ向かっている。


 だんだん茶畑が多くなってきた。ゴリが、

「福西さん、お茶の畑ですか?」


「はい、そうです。ここら辺は四日市市の水沢地区っていって、

お茶の生産地なんですよ。

 三重県は全国でも3番目の生産量を誇っているんです。

 伊勢茶のブランドですね」


「そうですか、知りませんでした」


 ふと気がつくと、やはり神様の光を感じた。


 ジャンヌも合掌している。


 どこを走っているのか判らないけど、神様に見守られているのが分かる。


 だんだん山の麓に近づいている。


 13時40分、椿大神社に到着だ。


「着きましたよ。ここはお参りするところや、見るところが沢山ありますから、

ゆっくりなさって下さい。私はあちらの駐車場でお待ちしていますから」


「はい、ありがとうございます。

じゃあ福西さん、3時目途にお待ちいただけますか」


「どうぞごゆっくり。私の事は気にしないで下さい。

後は四日市にお送りするだけですから」


「それでは福西さん、いってまいります」とジャンヌ。


 みんなも行ってきまーすと言って車を降りた。


 俺たちは、参道の入り口で降ろしてもらった。


 鈴鹿山脈の麓っていう感じだ。


 参道の奥に本殿が見える。


 ここの御祭神はゴリの本体、『猿田彦大神』だ。


「ここは昔でいう伊勢の国の一の宮なんだ」


「ゴリ、一の宮ってなに?」

「律令制の時代には、国司が任国に赴任すると、先ず一番に参拝に行ったんだ。

昔の国ごとに、社格の高い順に一の宮、二の宮、三の宮って呼ばれたり、

定められたりしたんだ。所在地は地名にもなったりしているよな」


「そうかぁ、さすが猿田彦大神だな」

「いや、伊勢の国の一の宮というよりも、国津神とか地の神、

導きの神とかいわれてるんだ」


「だろうな、スケールが違うよな」


 俺たちは、手水に向かって歩き出した。


 ジャンヌが、手水の手前に小さな御社を見つけ、

「オズ、この御社、龍神さんを祀ってあるわ。ここからスタートね」


 一同龍神さんのお社の前に整列し、二拝二拍手でお祈りをする。


 上空で、龍神さんが、風をまっているのが地上にも伝わってくる。


 1拝でお祈りが終わると俺は、

「ジャンヌ、今、真上で龍神さんが舞ってなかった?」


「ええ、私たちを歓迎してくださったみたいね」

「それじゃあ、神様がお待ちかねだな」


 俺たちは手水を使うと、


「ここは、モンチ、ジュリ。二人、前に並んでお願いできる?」


 ゴリとジュリは、お互い見つめ合い、一瞬戸惑ったが、

二人同時にうなずいた。


 俺とジャンヌが、後に続く。


 参道を歩き始めると、ジャンヌが俺をちらっと見て、嬉しそうに微笑んだ。


 俺も頷きながら、微笑みをかえした。


 参道を進む、前の二人を見ていると、二人には似合わず、

かなり緊張しているのが分る。


 新米役者が、初舞台を踏む緊張状態なのだろう。


 ゴリもジュリもロボット歩行みたいだ。


 二人とも、羽織袴と白無垢は着ていないが、

あたかも神前結婚式に向かうみたいだ。


 ジャンヌと後からついてく俺は、まるで仲人気分だ。


 本殿前に達すると、ゴリとジュリが立ち止り、俺たちを振り返ると。


「ご祈祷お願いするから、私は本殿に上がって報告します。

二人もその時、一緒に報告したら?」ゴリとジュリが頷く。


「ここはモンチ、お祈りのリードをお願いします」


 ジャンヌが左端、俺が右端で四人整列し、


「モンチ、お願いします」


 ゴリが合掌し、短く報告した後、一斉にお祈りした。


 みんなでお祈りした後、

「モンチ、ご祈祷の申し込み、お願い出来るかしら?」

「OK、社務所に行ってみるか」


 社務所でゴリが、

「ジャンヌ、申込者はジャンヌでいいか?」

「ここは、モンチでお願いできるかしら?」


「え、俺でいいの? それと、何を祈願する? いろいろ項目あるけど」

「そうね、『芸道上達』でいいんじゃないかしら? 

ここは、モンチとジュリが、神様と交流していただく為だから」


 神社の案内のパンフレットを見ると、猿田彦大神と同じく祀られている

『あめのうずめのみこと』は、ここでは『天之鈿女命』と書かれている」


 福西さんの言うとおり、見るとこ満載だ。全部回っていたらきりがない。


 俺たちは、拝殿に案内された。ここは、本殿は奥にある造りだ。


 ジャンヌが目をつぶって、合掌している。


 ゴリとジュリも、何か報告してるみたいだ。


 ご祈祷を受けるのは、俺たちだけだ。


 やがて太鼓が響き渡り、神主の祝詞奏上が始まった。


 ご祈祷が終わると、ゴリとジュリが涙を流していた。


「俺、自然と涙が流れて、とまらなかったよ。体が熱くなったし」

「私も、泣いてないんだけど、でも、ずっと感激していた」


「そりゃ、ここは、二人が主役だからな。

自分の分霊が揃ってお参りに来たから、

さぞかし両方の神様も喜んでらっしゃるぜ。

ジャンヌ、二人を見てると心がほんわかするわ」

「ええ、私も」


「なあジャンヌ」

「なあに、オズ」


「俺、今、猿田彦大神は感じたけど、六国見山の頂上みたいに、

姿は現わされなかったな」

「そうね、お姿を見られるのは、六国見山の山頂だけかもしれないわね。

やはり六国見山は、特別な聖地なのね」

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