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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第三章 聖地巡礼
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【福王神社】

 次は、多度大社を後にして、福王神社へ向けて出発だ。

 11時を回ったところだ。


 街道沿いの道路標識に、大きく彦根方面の表示があった。


「ジャンヌ、まっすぐ行くと、彦根に行けるんだ。井伊大老の地元じゃん」


「あーらほんとだ。西片町のおばあちゃんも、

いつか彦根を訪れたいって言っていたわ」


「福西さん、ここから彦根まで、どのくらいかかるんですか?」

「そうですねえ、ここからなら、一時間ちょっとで行けると思いますよ。

あの山の向こう側ですから。山を越えると滋賀県ですから」


 しばらく平坦な道を進み、福王神社入り口の案内を右折し、

鳥居をくぐって、山へ向かって進んで行く。


 鳥居をくぐったあたりから、神様を感じ始めた。ジャンヌも合掌している。


 途中に<福王山>のバス停があった。

 終点のはずだ。まだ麓だし、ここから歩いたら、かなりありそうだ。

 タクシーでよかった。しばらく山に向かって進んで行く。


 ゆるやかな登りから、急な登りになり、一番上の、

参道入り口で降ろしてもらう。


 11時半だ。福西さんが、

「本殿までは、かなり登りますよ。本殿の奥に、奥の院があって、聖徳太子は、

福王山の山頂まで登ってるはずですよ。皆さん、今日は、本殿までですよね?」


「ハイ、そのつもりです。なあ、ジャンヌ」


 ゴリがジャンヌに確認し、ジャンヌが頷く。


「福西さん、ゆっくり上がってきますから、少し時間かかるかもしれません。

よろしくお願いします」とゴリ。

「ハイ、了解しまいた。どうぞ、ごゆっくり参拝なすってください」


 かなり上がってきたようで、後ろを振り返ると、かなり眺めがいい。

 鳥居下の階段のへりに、傘立てみたいな箱に、杖が何本も用意されていた。


 見上げると、階段が、奥の方まで続いており、本殿は見えない。

 登りはきつそうだ。


「ジャンヌ、杖使ったら? 本殿まで、かなりありそうだぜ」

「ううん、大丈夫」


「じゃあ、ゆっくり行こう。ジャンヌ、断食で体力落ちてるだろうから、

しんどかったら言えよ。俺、おぶってやるから」


「心配してくれてありがとう、オズ。ゆっくり登れば大丈夫だから」


「俺も、オズと替わりばんこにおんぶするから、遠慮しないで言えよ」


「そうよジャンヌ。もう、初めからゴリの背中に乗って行ったら? 

後で昼ごはん、沢山食べさせれば大丈夫だから」

「おい、俺、荷駄馬じゃねえぞ。でも、ジャンヌが荷物なら、喜んで運ぶから」


「ありがとう、ジュリ、モンチ。しんどくなったら、遠慮しないから」


「じゃあ、ゆっくり行こうか」ゴリが先頭だ。ジャンヌ、俺、ジュリと続く。


 俺は、ジャンヌの斜め後ろから、様子を見ながら進む。


 途中には、いろんな神様を祀っていて、それぞれお参りしていく。


 本殿下の、急な階段も、ジャンヌはなんとか、自力で上がった。

 苦しそうに、荒い息をしている。


「ジャンヌ、少し休憩してからお祈りしようか。

息、整えてからの方がいいだろう」とゴリ。


「ハイ、そうするわ。少し待ってね」


「ここ、神社なのに、毘沙門天祀ってるんだよな。

 聖徳太子の時代は、神社も寺院も区別なかったのかもしれないな」


 ゴリは、神社とか、寺院では、御祭神とかご本尊は、必ずチェックしている。


 社務所は閉まっていて、無人だった。

 本殿までの参道は、木々が整備されていて、杉の大木が、歴史を感じさせる。

 本殿は、福王山の中腹にあるようだ。


 ジャンヌが、息が整ったところで立ち上がった。


「ジャンヌ、ここでの祈りは、最後は、

毘沙門天様ありがとうございますでいいのか?」とゴリ。


「途中、いろんな神様にもお参りしたから、毘沙門天様、福王神社神々様、

ありがとうございますでいきましょうか」


「ジャンヌ、ここ、そもそも、聖徳太子が開かれたから、

俺、聖徳太子も加えたいんだけど」

「わー、オズ、よく気がついてくれたわね。

じゃあ、私が始めに報告しておきます。最後に聖徳太子も入れましょう」


「それからジャンヌ、下見ても、上がってくる人見えないけど、

二拝二拍手でいく?」

「そうね、今回の神社巡りでは、全て二拝二拍手一拝で行きましょう。

だけどオズ、私、少し長めにお祈りさせてね」


「OK、終わったら、合図してな」


「じゃあ、正面に並びましょうか。ジュリもモンチのお隣で」


 俺たち、一列に並び、初めにジャンヌが、合掌して報告している。


 ジャンヌの報告が終わり、一斉に二拝二拍手のあと、お祈りに入った。


 ジャンヌが金色の光を放っている。

 ジャンヌにつられて、俺の意識も宇宙大に広がっていった。


 ジャンヌの、ハイ、の合図で目を開け、最後の一拝で終了した。


「皆さんありがとうございました。一つ目のミッション終了ね」


 ゴリが、本堂を見上げながら、

「この地から、伊勢神宮をお守りしてるんだ。

南の方角に、100キロくらいあるんじゃないかな。

さすが、伊勢神宮の、スケールの大きさがわかるよな」


「なあゴリ、ここの毘沙門天、聖徳太子の時代からだから、

聖徳太子は600年前後の人だから、1400年も前から、

お伊勢さんをお守りしてたんだ」


 帰りは、登りと別の参道だ。左側を下っていく。

 少し下ると、聖徳太子が駒を繋いだという<太子杉>があった。

 御神木なので、みんなでお祈りした。


 参道の入り口で、福西さんが待っていてくれた。

 12時20分になっていた。俺たちは、入り口で整列し、

 深々と礼をしてタクシーに乗り込んだ。

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