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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第二章 ジャンヌ・ダルク
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【銀行強盗】

 お祈り二日目は5時に起きた。俺もゴリも部活があるから6時集合で、

裏庭を、一時間片付けることになっている。


 ジャンヌもゴリも、お父さんが送ってきた。みんな作業用に着替えている。

そのまま裏庭へ回ってもらった。


 俺はすぐにオトウを呼びに行った。オカアが起こしに行ったがなかなか起きてこず、

さっきやっと洗面所で顔を洗っていた。


 オトウもダッシュで着替えてきたみたいだ。

「いやー、朝早くからすいません。助かります」


「おはようございます。昨日、彦から聞いてましたが、石の扉で封印されて

いたんですね。中の神殿も水晶も立派ですね」


「おはようございます。一昨日の雷、凄かったんですね。

いつ頃造られ封印されたんでしょうねえ?」


「さあ、見当もつきませんねえ。神殿があったなんて、

今まで全く気付きませんでしたよ」


 神殿でのお祈りの初日、昨日水晶に映った出来事は、

今後も含めて三人だけで留めておくことにした。

水晶の映像だけでなく、神様ごとに関しても基本は同じにした。


 挨拶のあと、片付けに取りかかった。瓦礫は崖際に寄せてもらい、

大きなものはみんなで運んだ。人数がいたので、

きれいに清掃しても7時前に終わってしまった。


 片付けが終わってから、俺たちは制服に着替えてお祈りだ。


 ジャンヌのお父さんは、ジャンヌのお祈りが終わるまで待って、

連れて帰るので、時間つぶしに六国見山に登ってくるらしい。


 それを聴いたゴリの親父さんが、

「それなら大橋さん、私まだ六国見山登ったことないので、

ご一緒してもいいですか?」


「どうぞどうぞ、私も3年ぶりですが、ご案内しますよ。

大澤さんはお家でゆっくりなさっていて下さい。後で寄せていただきますから」


 オトウは朝飯まだなので、留守番ということで、ジャンヌとゴリのお父さんが、

六国見へ登って行った。


 お祈りを始めると、ジャンヌも水晶も輝きを増していく。

俺も今日は雑念があんまり涌いてこない。俺たちはずっと祈り続けた。


「ハイ、ありがとうございました。ここ、すごいお祈りの場ね、

私、なんか光に包まれて、身体というか、意識がどんどん広がって、

宇宙と一体になっていく感じがしたわ」


「俺も、ジャンヌが光輝いて、どんどん広がっていくのがわかった」


 まだ8時前だけど、また水晶に映像が写し出された。


 場面から今回は現代のようだ。社長室みたいな部屋だ。

立派な机に中年のおじさんが座っている。悩んでいるのか苦悩の表情だ。


「なんだろこの映像? このおじさん、ずいぶん思い詰めてるみたいだな。

なあジャンヌ、この水晶、未来の出来事も映し出されるって言ってたよな」


「ええ、神様が必要に応じて見せて下さるの」


「何悩んでいるんだろう? これだけじゃ判んないな」

「そうね、でも神様は、意味のないものはお見せにならないわ」


 映像が変わって、

「あ、大船の駅前の銀行だ、パトカーが停まっている。

中年のおじさんが連行されていく」


 銀行前の細い路地は、パトカーとか警察の車が数台停まっていて騒然としている。


「オズ、顔は判んないけど、さっきのおじさんじゃねえ?」

「おう、俺もそう思う。このちょっと先が、仲通り商店街だ」


 商店街に近いから、ものすごい人が封鎖の外で見つめている。


 また映像が変わった。

「あ、大船警察署だ、凄い報道陣だ。あ、消えた」


俺たちは、かたずをのんで見つめている。


「きっと、銀行強盗して捕まったんだ。さっきのおじさん、

銀行襲うくらいだから、資金繰りに困ってたんじゃねえ?」ゴリが解説している。


「これは未来の映像ね」

「え? なんで写し出されたんだろう?」


「このおじさんを救ってあげなさいという、神様のみ心だと思うわ」

「でもジャンヌ、どうやって救うの?」


「これから先、神様のご指示があると思うわ。神様に全てお任せね」


「そうか、それなら俺とゴリは、ジャンヌに全てお任せしていけばいいんだな。

な、ゴリ」


「そういうこと。俺も精進して、心境を高めていくよ。

 《平成の祈り》を祈っていると、どんどん魂が浄化されていく気がする」


「なあジャンヌ、この水晶、ほんとに過去から未来まで見透すことができるんだな。

なんか、未来が見えるって、怖かねえ?」


「大丈夫よオズ、神様は必要なことしかお見せにならないし、

未来とか運命は、どんどん変わっていくから」


「そうだよオズ、手相だってどんどん変わるっていうじゃん」

「お祈りでも運命は良い方に変わっていくわ。さっきのおじさんも、

運命を修正するために、神様が私たちをお使いになって、働かれると思うの」


「そっかー。じゃあ、おじさんも、銀行強盗しないで救われるんだ。

なんかさあジャンヌ、人の役に立つって、すげー素晴らしそうじゃん」


「ええそうね」


「確かにな、でもオズ、ジャンヌの使命って、おじさんを救うのも大切だけど、

本命は地球の安寧と世界の平和だろ。これからジャンヌがどんな活躍をしていくのか、

っていうか、神様の使命を果たしていくのか。今日、お祈りを始めてまだ二日目だけど、

これから俺たちの責任も重大だな。ジャンヌをしっかり護っていこうぜ」


「おお、俺、絶対全身全霊でジャンヌを護っていくから」


「ありがとう。オズ、モンチ。私とっても心強いわ。これからよろしくお願いします」


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