各巻のあらすじ
発声するだけで特別な力を放出する言葉、「魔幻語」。魔道士、幻術士や魔道剣士など、この言葉の力を呪文に利用する者は総じて「魔幻語使い」と呼ばれていた。その中で、国からライセンスを受けて、ギルドの依頼をこなす者たちがいた。 それが、公認魔幻語使い(マジスタ)である。
【第一巻】
『プロミッシング・ルーキーズ(有望な新人たち)』
見習いを修了した魔道士クリスはマジスタのライセンスを取るため、首都アルティアに向かう。だが、途中、ゴブリンの一群に襲われ、生命の危機に陥る。彼を救ったのは、高度な科学力を誇りながらも一万年前に滅びた「旧文明」の女性アリシアだった。また、幻術士パルフィと知り合ったクリスは、パーティーを結成し、さらに回復士を加入させるため、旧文明兵器との無謀な戦いに挑むことになる。
【第二巻】
『未来の古代人たち』
発掘隊の警護と手伝いというミッションを引き受けたクリス一行。太古の旧文明遺跡から、棺が発掘される。発掘隊が蓋を開けると中には若い女性が生きて眠っていた。しかし、一万年の眠りから覚めた女性とのつかの間の交流もむなしく、事態は思わぬ方向に向かい始める。そして、クリスたちはアルトファリア王国を破滅から救うため、旧文明の残党と命をかけた科学対魔道の戦いに臨むのだった。
【第三巻】
『幻術の国の王女』
クリス一行は、パルフィの故郷カトリアへのミッションを引き受ける。しかし、彼女にはカトリアには帰りたくない事情と、仲間にも言えない秘密があった。一方で、数百年ぶりに魔王国ガーラントの活動が活発化し、魔王を封印した三つの国『聖石の管理者』の一つカトリアへの侵攻をもくろんでいた。
【第四巻】
『遙かなる時の漂流者』
新たに発掘された旧文明遺跡で、レイチェルは、科学者である父と妹が開発した時間転送機を発見する。これを使えば元の時代に戻ることができると知り、悩むレイチェル。しかし、何者かに仕組まれたと思われる機械の誤作動により、一万年前の旧文明時代に飛ばされたのはクリスたちだった。そして、そこは人類が絶滅の危機に瀕する世界だった。果たして、五人は無事に帰還することができるのか。そして、人類の運命は。
【第五巻】
『東方の国ヒノニア』
ミズキ宛に、故郷ヒノニアの許婚から手紙が届く。そこに記されていたのは、将軍家剣術指南役である父の暗殺未遂、ならびに危篤の知らせであった。すぐに帰国することを決意するミズキ。だが、片道三か月半の道程と、長子という彼女の立場は、必然的にパーティを抜け仲間と別れることを意味していた。一方、ヒノニアの首都アマトでは、青鬼と呼ばれる妖魔が現れ、妖しげな唐繰を用いて、都を我が物にしようと画策していた。