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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第4章 これからと『過去』
91/169

91 中身

どうぞよろしくお願いします。

「そんな!!

 お姉様の方が、私には聖女に思えます!


 マリアはびっくりしたように叫んだ。


「そうかな~、私は中身はひい爺様ってよく言われるけど」


 ミレーヌの返事にジョルジュが興味を持ったように言った。


「ひい爺様が勇者アレックス、ひい婆様が聖女マールだな!?」


「そうです。シーラとコーラスのひい爺様が聖騎士アルファードで、カイエンとウィリアム様のひい爺様が魔法使いバートですね」


「そうか!

 前の魔王討伐パーティの血筋があつまっているわけか!」


 ジョルジュの言葉にミレーヌは頷いてから、ちらりと離れたところにカイエンといるコーラスを見た。      

 コーラスが頷く。ミレーヌも頷き、立ち止まって声を張り上げた。


「では!

 ここからそれぞれのグループに分かれての行動です!

 お気をつけて!」


 ジョルジュが慌てた。


「ミレーヌは一緒ではないのか!?」


 ミレーヌが一瞬、顔をしかめて何か言おうとしたが、冷静な表情になるとゆっくりと言った。


「……3つのグループに分かれて行動します。

 さっき、説明聞きましたよね?」


「そうか……、できれば一緒に戦いたかったな」


 ジョルジュが残念そうに言い、マリアの表情が硬くなる。

 シーラが首を傾げた。


「……ジョルジュ王子はもうミレーヌのことを嫌ってないのですか?

 リベンジも失敗したのに?」


 ミレーヌが苦笑した。


「一応、今までのことは謝ってくれて、友人になろうという話になったんだ。

 まあ、そんな感じ。

 では!

 戦いの場では合流することになると思いますよ!

 シーラ! マリアのことよろしくね!」


 右手をさっと上げてから、ミレーヌはコーラスとカイエンの元へ駆け戻って行く。


 ジョルジュ王子はそんなミレーヌを目で追っていたが、三人が森の中へ入って行き姿が見えなくなると小さなため息をついた。

 シーラがわざと明るい口調で話し掛ける。


「ミレーヌが言っていたリアナの花はこれですよ。ね、マリア!」


 ジョルジュがシーラとマリアに視線を戻した。




 ミレーヌとコーラスとカイエンは森の中にある程度入ったところで、少し方向を変え、道と並走するような感じで進み始めた。

 ジョナサングループは道を行き、その両脇の森の中をミレーヌグループ、ギルドグループがジョナサングループを追うように並走しているという感じだ。

 カイエンが魔法で3つのグループの位置を把握していて、それをウィリアムと共有している。


「そういえば、ミレーヌも収納魔法ができるようになったって?」


 コーラスの言葉にうれしそうに答えるミレーヌ。


「うん!

 で、どんどん使った方がいいらしくて、今日はハンカチとか白い布と前に兄様にもらった薬のセット入れてきた!」


「へー。まともな。

 ミレーヌのことだから、クッキーとかサンドイッチとか入れてきたかと!」


「あ、それもいいね!

 今度クッキーを小さな袋……、いや、缶の方がいいかな?

 収納してみよう……」


 カイエンが立ち止まる。


「ウルフの気配がした。

 群れじゃなく、偵察ってとこか?

 向こうへ去って行った……。

 人数が一番少ないのが俺達だ。

 どれを狙うか品定めしてるようだな」


「なら、少しずつ道の方へ戻ろうか?」


 ミレーヌが言うとコーラスが「職員と騎士の方はどうだ?」と聞いた。

 カイエンが目を閉じ、何やら小さな声で唱えていたが、やがて目を開けた。


「そっちは大丈夫そうだ。順調に進んでいる、が、道を行っているグループの歩みが遅い。

 俺達とちょうど同じくらいのところにいる。騎士達の方はすでに追い抜き気味だな。

 なんでこんなに歩みが遅い?

 女性と子どもがいる、戦いに慣れていないものがいると判断されたら、リスク的には俺達と同じくらいかもしれないな」


「遅いならすぐ合流できる」

 

 ミレーヌが道の方を指差して「この角度ぐらいで進んだらいいかな?」とカイエンに確認する。

 コーラスが少し緊張した表情で「急ぐか……」と呟いた。


読んで下さり、ありがとうございます。

どうやら、小規模グループのおとりには食いつかなかったようですね……。

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