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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第4章 これからと『過去』
90/169

90 枠組み

どうぞよろしくお願いします。

 職員がふたりの青年を連れて戻ってきた。


「冒険者ギルドで職員をしているんだが、ペアで冒険者としても活動している。

 ふたりに話したら、同行できるそうだ」


 みんなで立ち上がって握手する。


「ランクは?」とカイエンが聞くと、金髪のまだ若く見える青年が「スニフだ。ランクはC」と答え、茶色の髪の落ち着いた感じの青年が「ブラウンだ。俺はBランク」と答えた。


「BとC!

 それは心強い!

 グレイウルフの討伐経験も?」


 ミレーヌが微笑む。


「はい、ふたりで小さな群れを退治したこともありますし、騎士団の討伐にお供したこともあります」


 ブラウンが丁寧な口調で答える。

 その時、ギルド長の部屋からジョナサン達が出てきた。

 総勢14人の討伐隊となる。


 ミレーヌが最初言っていたように、ジョナサンとシーラとマリアとジョルジュ王子達の7人グループ。

 スニフとブラウンと騎士ふたりの4人グループ。

 コーラスとカイエンとミレーヌの3人グループ。

 この3つのグループに分かれて行動することになる。

 スニフがヒーラーの魔法も少し使えるとのことで、全グループにヒーラーも確保できた。


 最初は道なりにみんなで移動し、襲撃事件が起きているあたりで、職員と騎士のグループとミレーヌ達のグループが森に入ることになった。



「ジョルジュ王子、ランクは?」


 シーラとマリアと並んで歩いていたジョルジュに近寄ってミレーヌが聞くと、少し不機嫌な様子で「Fランクだ」と返事される。


「あ、まあ、最初からってことか、私もそうでした!

 でも、そのぶん、すぐ上がりますよ。

 森を探索している時、収集物も探すといいですよ!

 後で依頼が出てたら突合せできますから!

 マリア、リアナの花が咲いていたらジョルジュ王子に教えてあげて」


 ミレーヌが提案するがジョルジュはぼそっと言った。


「ウィルはⅮランクスタートなのに……」


 ウィリアムが慌てて付け加えてくる。


「魔法協会のランクが反映されてっ!

 ジョルジュ王子の方が剣は素晴らしいし、攻撃魔法もできるのに。

 なんか申し訳ないです」


「ジョルジュ王子は剣も魔法もできる、のに、魔法使いとして協会と関係してないの?」


 ミレーヌの言葉にジョルジュがミレーヌを見る。


「ああ、私は攻撃に特化したというか、それしか魔法が使えない。

 回復や治癒はもちろん、防御魔法もできない。

 まあ、強いて言うなら『少し魔法が使える騎士』か?」


「それは『魔法騎士』では?

 ミレーヌもヒーラーとして力があるけど、魔法使いとしては登録してないでしょ」

 

 シーラが笑う。


「そうだね。シーラもそうか!

 なんか王都だと、魔法協会がバーンとあるからさ!」


 ミレーヌの言葉にシーラがさらに笑った。


「ミレーヌも剣士とヒーラー両方できるけどね。

『魔法騎士』は言葉としてイメージできるけど、『ヒーラー剣士』はなんか変ね。


 マリアが「お姉様だけの言葉を作らないと!」と笑う。


「いいよ、そんな枠組みみたいの作らなくて。

 冒険者で、ヒーラーで、そのうち結婚すれば妻になって、母にもなるのか……。

 そう考えると女性の方がいろいろ役割多い!?」


「まあ、環境はガラッと変わることが人生には起きるから」


 シーラがマリアを見る。


「マリアもそうよ。これからですものね。ヒーラーになりたいのでしょう?」


「私は剣は苦手で……。治癒魔法はやってて楽しいの。だから……」


「マリアは毎月、教会の方でヒーラーとしての仕事もしているんですよ!」


 ミレーヌがジョルジュ王子達に教えるように言った。


「お姉様だって、旅に出る前まで一緒だったじゃない!」


「私は、マリアがひいお婆様の後を継いで聖女になれるんじゃないかと思うけど」


読んで下さり、ありがとうございます。

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