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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第4章 これからと『過去』
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88 久しぶりのレーニアの冒険者ギルド

どうぞよろしくお願いします。

 ジョナサンが馬車を出し、騎士団から護衛もついて、ギルドに到着する。

 カレンが外まで出てきて「ミレーヌ様!!」と声を掛けてくれた。


「久しぶり! カレン!!

 帰って来てたのになかなか顔を出せなくてごめんね!」


「パテマでは大変でしたね!

 報告を聞いて、私達、めちゃくちゃ怒ってたんですよ!

 本当に王都の貴族って……」


 ミレーヌは慌ててカレンの口を手で塞いで囁いた。


「ジョルジュ王子が来てるから! 

 王都の貴族って言わない方がいい」


 驚いたように頷くカレン。

 ミレーヌが手を離すと「んっ! んんっ!」と少し咳払いして落ち着くとにこやかな営業スマイルを見せてくれる。


「皆様、おはようございます!

 レーニアの冒険者ギルドへようこそ!

 今日はどのようなご用件でしょうか!」



 ギルドの中へ入る。

 ジョルジュがウィリアムが、騎士のラルフでさえも興味深げに見回している。

 ジョナサンが言った。


「王都のギルドとは違うでしょう?」


「ああ、なんか武骨な感じがする。

 実用的な、逞しさを感じるというか……」


 ミレーヌとコーラスは依頼の掲示板の方へ行って、なんだかわいわいと始めていた。

 そちらをちらりとジョルジュは見て「ミレーヌ嬢はもう冒険者として登録して活動してるとか?」とジョナサンに聞く。


「ええ、今Cランクです。Cになれば、幼馴染のコーラス達とパーティを組んで冒険というか旅に出てもいいと父から許可を取り付けていましたからね」


 そうか、コーラスをこちらの側近に引き入れる手もあるか……。

 

 ジョナサンがカレンに話し掛け、カレンは頷いてカウンターの奥へ消え、戻ってくる。


「まもなくギルド長が参ります」


 その時、コーラスとミレーヌが掲示板から依頼を1枚剥がして持ってきた。


「これなんかいいんじゃないか!?

 人数も多いし、行けるだろ?

 それに至急の依頼みたいだし」


 ジョナサンが見るとグレイウルフの群れの討伐だ。


「ああ、ありがとうございます。

 手を上げる者がいなければ、騎士団の方へも依頼しようかと思っていた件ですね」


 ギルド長がきびきびと歩いてきてジョナサンに話し掛けた。


「ジョルジュ王子、こちらがここのギルド長だ。

 視察と狩りをご希望でね。よろしく頼む」


「ジョルジュだ。辺境伯爵家にお世話になりながら観光や視察などさせて頂いている。

 素晴らしいギルドだな。

 なんというか、王都のギルドとは違う感じがする……」


 ギルド長は笑った。


「王都は手続きの文書を多く扱うことから、根っからの文官が多いでしょう。

 こちらは自分も冒険者をやっている、またはやっていたという者が仕事をしていますからね。

 現場を知っている者が多いから、ま、こんな武骨な雰囲気になりますやな」


「いや、好ましいと思う。

 辺境を任せるにふさわしい。

 私も冒険者登録ができるのだろうか?」

 

 ギルド長がジョナサンを見る。

 ジョナサンは少し引き攣ったような表情をして「ここで登録していいのですか?」と逆に聞いた。


「ああ、ぜひ、体験してみたい。

 ウィリアムも一緒に登録しよう!」


「では、登録される方は奥の部屋へどうぞ!」


 ギルド長とカレンに促されて、ジョナサンとジョルジュとウィリアム、ジョルジュの護衛騎士ラルフと従者が奥へ入っていく。

 マリアがそれを見送りながらどうしようか迷っている。


「マリアも一緒に来る?

 まだ、登録はできないけど話を一緒に聞くのは楽しいかもよ」


 シーラがジョナサンと一緒に行こうとしてマリアに声を掛けた。

「はい!」と返事をしてシーラに駆け寄るマリア。

 ジョナサンが「ミレーヌ、コーラス達も、もう少し待っててくれ!」と声を掛けてから奥の部屋に入っていく。

 ミレーヌ達と残された騎士団の騎士は、ギルドの中で他の依頼を見たり、資料部屋へ行ったりと好きに待つことにした。


読んで下さり、ありがとうございます。

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