83 反則と謝罪
どうぞよろしくお願いします。
ジョルジュは右腕でミレーヌの身体、ちょうど腰のあたりを抱きしめた。
「うわっ、何!? あぶねっ」
首に剣を突きつけているのに抱きつかれて体勢を崩され、ミレーヌはとっさに剣をジョルジュの首元から外してしまう。
「くっ! この、諦めが悪いんだよっ!」
ミレーヌの言葉の後、ジョルジュの身体がぶっ飛んだ。
ミレーヌがジョルジュを突き放し、至近距離から稲妻の剣を発動させたのだ。
ジョルジュが地面に倒れ、起き上がれない。
ラルフが「……ミレーヌ嬢の勝利!!」と宣言した。
ミレーヌは剣を収め、ジョルジュに駆け寄るとすぐ目の治療を始める。
「すまない、ここまでやる気はなかったんだけど、やらなきゃこちらがやられてた。
ジョルジュ王子、強いですね。
今回、手の内も見せたし……、次は厳しいかな……」
「いや……、くやしいが、楽しかった」
「どう? 目はもう大丈夫と思うけど?」
ジョルジュが目を開けると心配そうに覗き込んでいるミレーヌの顔が見えた。
12歳の時よりも、あの時もかわいらしかったが、ずっと女性らしくきれいになったミレーヌ。
先ほど、首を、急所を取られたのに悪足搔きして抱きしめた身体は思いのほか柔らかく……。
「今のは反則だよ。のど元に剣を突きつけた時点で私の勝ちだったのに。
なんであんなことするかな?」
「ミレーヌなら、私を殺せないと思ったから」
「な……、それなら私だってそうだわ。
参ったしてもらうために剣を突きつけたわけで、殺し合いじゃないんだし」
「また手合わせしてくれ」
「やだよ、反則してくる人とはしたくない」
「すまない。
ミレーヌ嬢と戦っているのが楽しくて、終わりにしたくなかった……」
ミレーヌは困ったような表情をしてから頷いた。
「まあ、楽しかったですよ。私も」
「エドワードとは狩りに行ったり、一緒に馬に乗ったりしたのだろう?
「……ああ、あれは仕事として依頼されたのが最初だし。
その後は友人になりましたから」
「私も友人になりたい」
「えっ!?」
「子どもの時のことは謝る。
突っかかって、変なことを言って、わざと傷つけたのは申し訳なかった」
ミレーヌはまだ困った表情をしていたが、カイエンとコーラスとウィリアムがこちらに来ていることに気がついて「少し考えさせて下さい」と言って、ジョルジュの身体の打撲の治療を始めた。
読んで下さり、ありがとうございます。
ジョルジュはミレーヌのこと好きになっちゃってますよね。
俺様に意見するとは憎たらしい!(油断してボコられる)→リベンジじゃ、ゆえに気になり続ける……。→あれ、他の令嬢達と違うし、気も合いそう!? ってな感じでしょうか。




