82 気が合うなっ!!
どうぞよろしくお願いします。
ミレーヌはそのまま低い姿勢で一気に突っ込んだ。
後ろに下がって足を取られるのを予想していたならっ!!
横へはらった剣はジョルジュの剣に止められ弾き返されたが、ミレーヌはそのまま稲妻の剣を発動させた。
その直前にジョルジュが片膝をついて防御の姿勢を取り、片手を地面に付けて何やら呟く。
ジョルジュの体勢に変化はない。ぶっ飛んでいない。
ミレーヌは距離を取りつつニヤリと笑った。
「稲妻を土に逃がした?」
「ああ、くるのがわかったからな」
コーラスが感心したように言った。
「いや、ジョルジュ王子、けっこうやるな。
稲妻の魔法剣の対策もばっちりだ」
「でも、ミレーヌの魔法剣は稲妻だけじゃないもの」
シーラが微笑みながら呟く。
カイエンも心配そうではあるが、じっとミレーヌを見つめている。
「ジョルジュ王子もミレーヌも楽しそうだな」
コーラスの声にカイエンは少し苦しい気持ちになる。
嫉妬だ。ミレーヌは今、ジョルジュのことしか見ていないし、考えていないだろう。
そんなことで嫉妬してたら……、とはわかってはいるのだが。
ジョルジュが斬りかかってきた。
ミレーヌは剣で受けたが、後ろに身体ごと下がる。やはり剣の威力だけで言えば、ジョルジュの方が強い。
ジョルジュが微笑んだ。
「参ったするなら今のうちだぞ!
私は女を打ち据える趣味はない!」
「その言葉そのままお返しします。
私も同じ趣味ですのでっ!」
ジョルジュは少し驚いたような表情を一瞬浮かべてから、笑った。
「気が合うなっ!!」
ジョルジュの剣から熱が放出される。火魔法だ。
ミレーヌの稲妻の剣と同じく、こちらに向けて大きく一撃として使ってきた。
ミレーヌは防御魔法で熱と炎を遮る。
これまでの戦いの様子では……、ミレーヌの方が追い詰められているように見える……。
しかし、ミレーヌは冷静な表情だ。
ジョルジュが上から斬りかかってきた剣を避け、上から自分の剣を重ねて押さえ込むとジョルジュの頭に蹴りを放つ。
剣を上げることができず、片方の腕を上げてガードする。
すぐにミレーヌは距離を取った。
「……長引くと不利になるのはそちらだぞ」
ジョルジュの言葉にミレーヌはにこっと笑う。
「御心配なくっ!」
再び間合いを詰め、ジョルジュの炎魔法の発動を読んで空へ飛び上がる。
炎魔法がミレーヌのいた空間に放出され、ジョルジュは上にいるミレーヌを見た。
ミレーヌは光の魔法剣を発動。眩い光が上を見上げていたジョルジュを襲う。
「わっ! あ、目が!」
ジョルジュは両目を閉じただけでは足らずに、右手で覆うようにし、左手だけで剣を持ち、周囲の気配を必死に探る。
「……参った、しちゃいなよ」
ミレーヌの声が後ろから聞こえ、剣をそちらに向けるが、気配が自分の右側にあり、首元に剣が突きつけられた感覚がした。
読んで下さり、ありがとうございます。
やっぱり、剣の戦いは書くの楽しいなー。




