81 始め!!
どうぞよろしくお願いします。
辺境伯爵家の城の敷地内に騎士団の詰所があり、そこの練習場へ移動。
マリアはハチをメイドに任せて、一緒について行くことにした
ジョルジュとウィリアムに近寄ると「魔王城の跡はどうでしたか?」と声を掛ける。
「寂しい所だったよ。
魔王は、魔王に憑りつかれた男は何を考えていたのだろう。
自分の意識は残っていたのだろうか。それならば、とてもつらいだろうに……と」
ジョルジュがゆっくりと考えながら言葉を口にした。
「自分の意識、でも自分の身体は魔王に乗っ取られていて……、確かにそれを見ているだけとしたら、辛いでしょうね。
自分を、魔王を退治に来たのが、同じ魔法使いなら、友人だったかもしれない……」
マリアも考えながら答えた。
自分の気持ちが伝わらない空しさを、つい最近セシルとの間で経験したばかりのマリアには、自分の本当の気持ちが誰にも伝わらず、理解されないことがとても恐ろしいと思った。
「その魔法使いには親友や家族はいなかったのかしら……」
「どうだろうな……。憑りつかれ、魔王として共に消滅する運命なのだろう。
しかし、魔王はその後も、時折、現れるのだ。いったい、何者なんだろうな」
練習場に到着し、騎士団にも挨拶して使用許可を取ると、カイエンがミレーヌとジョルジュに身体の防御魔法をかける。
「これで大きな怪我はしませんが……、痛みはそれなりに感じます。お気をつけて」
ミレーヌが「ありがとう、カイエン! ジョルジュ王子、魔法剣はあり?」と確認する。
「……なしと言いたいところだけど、それじゃリベンジにならないからな」
「魔法も剣も何でもありってことだね」
「参ったと言わせるまでだ」
「または前回のように言えない状況にしても、勝ちだね!」
ジョルジュが12歳の時にぶっ飛ばされた時のことを思い出したのだろう、顔をしかめた。
審判はジョルジュの護衛騎士のラルフがやってくれることになった。ジョナサンと辺境伯爵騎士団長も見ていてくれる。
練習場の真ん中で向かい合って立つミレーヌとジョルジュ。
シーラがコーラスに「ジョルジュ王子、絶対作戦立ててきてるわよね」と囁いた。
「ああ、そうだろうな。
ジョルジュ王子も魔法がかなり使えるようだ。
前はミレーヌにいきなり稲妻の剣でぶっ飛ばされたようだけど、今回はミレーヌの得意技がわかっていて、対策してるだろうから、いい試合になるんじゃないか?」
「始め!!」
ラルフの声にミレーヌとジョルジュはお互い剣を抜いて構えた。
しばらく見合ったまま対峙していたが、ミレーヌが突然、横へ飛んだ。
ミレーヌが立っていた辺りとその後方の地面がぐらぐらしている。
「土魔法!?」
ミレーヌの頭の中でパテマでのカイエンの幼虫掘りが思い出される。
それほどの威力はないが、異変に下がるという選択をしていたら、足を取られていただろう。
何故か、後ろに下がるのを期待されているような誘われているような気がして、思わず横に飛んだのだ。
読んで下さり、ありがとうございます。
ジョルジュ王子のリベンジなるか!?
今日は午前仕事でしたが、帰宅してからの事務仕事が思ったより……。
午後投稿遅くなりました……。




