79 去る者と残る者
どうぞよろしくお願いします。
エイルズワース公爵家とエドワード王子御一行は王都へ帰って行ったのだが……。
ジョルジュ王子とカイエンの弟のウィリアム、護衛騎士のラルフと従者はまだ残っている。
「ジョルジュ王子ってエド様とセシル様や私が婚約しないようにとか気にしてたんだよね?
セシル様は王都に帰ったし、私ももうカイエンと婚約しているし……、というかエド様がここにいないんだから、もうここにいる理由なくない?」
ミレーヌはシーラとマリアにぼやいた。
ここはミレーヌの部屋。
カイエン達はジョルジュ王子の希望でレーニアの隣街へ泊りがけで出かけていて、今日、そろそろ帰ってくる頃合いだ。
「まあ、来たばかりで帰れというのは酷じゃない?」とシ-ラ。
「そうよ。エドワード王子はずっと辺境伯爵領をお忍びで旅行してらして、パテマではかなり長く滞在していたのでしょう」
マリアが膝の上のハチを撫でながら言った。
「フフッ、マリアはエドワード王子よりジョルジュ王子の方が好みなの?」
シーラが興味津々という感じで聞く。
「……エドワード王子はお兄様みたいな感じがするし、ジョルジュ王子は、その、素敵でやさしいと思う……」
マリアが俯きながら言う。頬が赤くなっている。
「んー、どうなんだろ。
私的にジョルジュ王子は印象悪いんだけどな。
そういや、エド様も最初は印象あまり良くなかったかも」
ミレーヌの言葉にシーラが笑う。
「まあ、初めて会った貴族令嬢に男女はないわよねー。
でも、前よりずいぶん丸くなったというか……。
ミレーヌのこと、よく見ている気がするけど」
「……リベンジしたくて、くせとか性格とか見ようとしてるんじゃないの?」
マリアがぽつりと言った。
「セシル様、今どこらへんかしら……」
「まだ半分も行ってないんじゃないかな?
気になる?
まあ、最後はマリアの気持ちを伝えられて良かったね」
「うん、セシル様もピンクのドレスを返してくれようとしたし……。
でも、あれは本当に私があげると決めたものだし、返してもらっても着る気にはなれない。
だから……、セシル様にとっても着る気にはならないかもだけど、そこを気にしてもう私が敢えて引き受けることはもないかなって」
「うん、それでいいと思うよ」
ミレーヌは優しい表情で妹を見ると頷いた。
マリアも晴れ晴れとした表情をしている。
「それにしても、王城にそんな部門があるなんて面白いことを聞いたわよね」
シーラが笑いながら言った。
「ああ、公爵が入る所?
王国や領地の方でこのまま野放しにはできないと判断された問題ありの高位貴族達が入る所だっけ?
なんか簡単な仕事を任されるみたいね。それで、変にプライドの高いお爺様達が集ってるとか。
公爵だけど、新参者扱いされるんじゃないかって、マリオン侯爵が笑ってたね」
読んで下さり、ありがとうございます。
そうなんです。公爵、いわゆる問題貴族が集められた王城内の隔離施設で労働させられます。
たぶん、判子押しとか(全国に配布する物に王城からの配布物でっせ的な判子をただ押すだけ)、庭仕事をしたりとか。自分達の住んでいる場所を掃除したりとか、そういう当番もあるので。
当番と言いつつ、新参者はこき使われるんじゃないかと。イヒヒ。
女性の場合は修道院コースです。男性はいろいろめんどいので、王家でそういう施設を作っちゃいました。




