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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第4章 これからと『過去』
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75 昼食会

どうぞよろしくお願いします。

 ケリーが戻ってきた。


「今日は気候もいいし、昼食会は庭でしましょう。

 ミレーヌ、シーラ、マリア、手伝ってくれる?」


「「「はい!」」」


「俺も手伝います!」


 カイエンの言葉にケリーは笑った。


「カイエンはジョナサンと一緒にいて。

 他の家や王家の動きを気にしなさい。

 これからのために必要な情報が飛び交うはずよ。

 ミレーヌとの婚約を守りたいなら、情報を得なさい」


 カイエンは頷いて客間の方に向かって歩いて行った。





 食堂に入り、テラスへ出て、中庭へ下りた場所で昼食会が始まった。

 自由に話ができるようにと席は自由にして、いくつかテーブル席を用意。

 好きな物を選んで皿に盛り付けてもらい食べることもできるし、テーブル席について好みの料理をリクエストして運んでもらうこともできる。


 エイルズワース公爵とセシルがジョルジュ王子に付きまとうというか、くっついていて、なんとなく嫌がられているようだ。

 エイルズワース公爵令息のシャルルはすでにエドワード王子と懇意になっていることもあり、挨拶だけして、すぐに離れた。もともとあまり相性が良くない……という話もあったようだし。


 シャルルがエドワード王子達と談笑しているのを見て、ジョルジュ王子がエイルズワース公爵に言った。


「シャルルはエドワードの側近になったのか?」


「正式なお話はまだないのですが、まあ気に入っておそばに置いてもらっているようです」


「へえ、まあ、エドワードは力より穏やかな気風の人間を気に入るところがあるからな」


 エイルズワース公爵は愛想笑いを崩さないまま、話し続ける。


「シャルルはエドワード王子とですが、セシルはジョルジュ王子とぜひ親しくなりたいと!

 王都ではなかなかゆっくりとお話しすることもかないませんでしたが、この旅の間中、娘はジョルジュ王子のことを思っていたのですよ。ぜひ旅の話でも聞いてやって下さい」


 ジョルジュがセシルを見た。

 王都では自分に群がる令嬢のひとり……。

 シャルルが側近候補でもあったことから、何度か言葉を交わしたことがあるが……、おとなしい少女だった。

 セシルは微笑み、顔を上気させている。

 こんな表情をする子だったかな!?


「旅先でもジョルジュ王子にお会いできてとてもうれしいです。

 エドワード王子と同じ馬車で旅もしましたが……、とても変わった方ですね。

 ジョルジュ王子の方がしっかりなさっていて、素敵だと思いましたわ」


「ああ、それはよく言われる」


 その時、エドワード王子達が集まっているあたりで笑い声が上がり、響いた。

 中心にいるのはミレーヌとマリアとエド。

 マリアがハチを抱いていて、エドがおっかなびっくりという感じでネコの抱き方を教えてもらっている。


「うわっ! なんだ!?

 こんなびろーんとなって大丈夫なのかっ!!」


「大丈夫ですよ」とそう言っているのはシャルル。


「ネコは何というか、そう水みたいなところがありまして。

 身体の動きが、自分の身体の重さと重力を利用しているような……、不思議なところがありますね」


「『ネコは液体』なんて言うネコ好きもいますよ」とマリオン侯爵。


「液体……、うーん、なんかわかる気がする」


 腕の中から身を乗り出し、地面に零れ落ちるようにすとんと下りたハチを見て、驚きとともに目を丸くしているエド。

 自分の腕とハチを交互に見ながら驚いたように言った。


「ああ、本当に腕から水が入った袋が流れるような体重移動を感じて、零れていったというか落ちていく感じがした!」


 ハチはマリアとミレーヌの足元をすりすり歩き、マリアが再び抱き上げた。


読んで下さり、ありがとうございます。

ネコを囲んで和気藹々。

ネコはかわいい。

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