70 ネコの名前
どうぞよろしくお願いします。
「いや、シャルルも大変だな……。
領地や王都の屋敷はどうなっているんだ?
それぞれの屋敷に使用人もいるだろうし……」
「領地の方は昔から仕えてくれている者達が何とかやりくりをして保ってくれています。
ただ、災害後の復興までは手が回らず……。
王都の屋敷は管理人ひとりを残して、引き揚げています」
シャルルの言葉にマリオン侯爵が頷く。
「もし君が……、やる気があるなら手伝うが。
まず王都の屋敷を整理すればまとまった資金が得られるだろう。
それで領地の方を立て直してはどうかな?」
「いや、王都の屋敷も先祖代々の……」
「屋敷を処分とまでは言わないよ。
その管理人が信頼できるものならばいいが。
かなり家財や美術品などそのままなのだろう。
確認し売れるものは売りに出したらどうだ?」
「私にできるでしょうか……。
マリオン侯爵、父を説得しますので、力になって頂けますか?」
「ああ、力にはなりたいが……。
申し訳ないが、現エイルズワース公爵には退いて頂き、君が新公爵となるのなら、力を貸したい」
エドも頷く。
「ああ、私もだ!
シャルル、君には力を貸してやりたいが、あの公爵はダメだ!
逆に力を貸したくなくなる」
シーラが面白そうに言った。
「逆なら……、取り潰しにしたいということでは?」
「あ!?
そうだな。公爵家を……。
いや、あの公爵だけなので、さすがにそこまでは!
でも、シャルル、これ以上エイルズワース公爵家の名が汚れるような事態になれば、王家は動くよ。
ジョルジュもそういうことにはうるさいぞ」
シャルルがエドの言葉に顔を強張らせる。
ジョナサンが微笑みかけた。
「君の人柄だよ。
王家も侯爵家も、そして我が辺境伯爵家も君の人柄を知って応援したいと思っている。
夕食の時にそういう話を公爵に向けてみよう。
援助が得られるなら、君の父上も身を引くかもしれないだろ?」
「どうでしょうか……」
シャルルは自信なさそうに言った。
エドが突然大きな声で言った。
「そういえば!
あのネコはなんという名にするんだ?」
みんな一瞬あっけにとられたが、ミレーヌが答えた。
「フランソワーズって感じではないので、フラーか、または模様のはちわれから『ハチ』なんてどうかと」
「フラー、ハチ、ハチ。
うん、ハチの方が呼びやすいな」
そんな感じにフランソワーズの新しい名前はなんとなく『ハチ』に決まりそうに……。
マリオン侯爵が笑う。
「辺境伯爵家のネコが『ハチ』ね。
平民は見た目の色や模様にちなんだ名をつけることが多いと聞きますが。
逆に新鮮でいいかもしれませんね」
ミレーヌが笑いながら答えた。
「見た目で呼びやすい名前の方が覚えてもらえそうですよね!
クロ、シロ、トラ、ミケ、ブチ……とかね」
読んで下さり、ありがとうございます。
フランソワーズ改めハチです。どうぞよろしく。
無事にがん検診終了しました。
帰宅した頃、水飲んでもいい時間になり(喉と鼻に麻酔してるから一時間しないと飲食できない)、朝食抜きだったこともあり、何でもおいしく感じました。
その後、昼寝二時間して復活です!!




