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62 抑止力

どうぞよろしくお願いします。

 辺境伯爵夫妻とマリアが驚いた顔をする。

 ジョナサンはもう一度、ゆっくりと言った。


「シーラに婚約を申し込み、了承してもらった。

 まだ本人だけだが……、コーラスは知っていて、認めてくれるよな?」


「ああ、うれしいよ」とコーラス。


「つきあうってのは聞いたけど、婚約!!

 おめでとう、シーラ!!」


 ミレーヌはシーラに抱きつく。


「シーラが義姉おねえさん!

 うれしい! おめでとうございます!」


 マリアもシーラとミレーヌに抱きつく。


「ありがとう!!

 でも、まだ家同士の話はしてないし……」


 シーラの言葉にコーラスが言った。


「俺、戻って話をしてくるよ。

 近いから2、3日で行って帰って来られるし」


「私も一緒に行った方が?」


「いや、シーラはここにいた方がいい。

 ジョルジュ王子が……、エド様とセシル嬢の婚約を邪魔しようとするなら、ジョナサンに押しつけることも考えられるぞ」


 ジョナサンが「え?」とびっくりする。


「エイルズワース公爵家としたら、とりあえず王家、次は侯爵か辺境伯爵家の後継が狙いだろうな。

 歳が良さげなのはジョナサンだろ?

 その次は歳は離れているけど、マリオン侯爵か?

 なりふり構っていられない、もうある程度豊かな伯爵家でもいいとなれば、カイエンもだな……。

 婚約者がいるアピールしておいた方がいいと思うぞ」


「そうね! その通りだわ!

 あなた! ローレウス伯爵家にもう婚約の届けを出してもらいましょう!

 もう作成して、OKなら、そちらですぐ出して下さいと!」


 ケリーの言葉にゴードンは慌てたように頷いた。



 マリア、シーラ、ミレーヌは、ミレーヌの部屋に集まっていた。


「セシル嬢ってどんな感じ?

 私と同じくらいなんだよね?」


 マリアが興味津々で聞いてくる。


「うーん、ネコ好きで、フランソワーズって名前のネコをかわいがってる」とミレーヌ。


 シーラがそういうことじゃないでしょと言わんばかりに言葉を続ける。


「おとなしそうな……と思ってたけど、レーニアに向かっている時、少し印象が変わった気がする。

 母親が消えたことでショックを受けて混乱してるのかなとも思ったけど。

 公爵令嬢であることを前面に押し出して来てるというか、高位貴族であることを殊更に意識し始めたというか……」



 次の日の早朝。

 シーラとジョナサンの婚約届を持って、コーラスと騎士ひとりは隣のローレウス伯爵領へ向かった。


 昨夜は疲れただろうからと各自、部屋で夕食を取ってもらったのだ。

 マリアは夜にセシルを訪ねて話をしたと聞いた。


 朝、全員が集まって紹介してもらうことになる。コーラスだけは家の方に用事があり、一時的に帰省したことが伝えることにした。

 ミレーヌも身分を明かすことになるわけで……。

 エイルズワース公爵を大型魔物の前に蹴り出して、気絶、失禁させたことがあると、両親とジョナサンには伝えた。

 頭を抱えながら三人は大笑いしていた。

 ジョナサンに対しての抑止力にはなるかもしれない……。

読んで下さり、ありがとうございます。

辺境伯爵家の家族、好き。

公爵を蹴り飛ばす義妹……、さすがの公爵も遠慮したいと思いますよね!?

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