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58 お世話する人 

どうぞよろしくお願いします。

 夕方、宿泊予定の村に入ることができたが、大きな宿がないため、公爵、侯爵と従者、エドとバルドとカイトとシャルル、セシルだけ、宿の部屋に泊まることになった。

 後は馬車の近くで野営するという。


 セシルはシーラとミレーヌも一緒にとごねたが、大きな部屋はエド達が入った部屋しかないとのことで、ミレーヌもシーラも野営の方がいいと言ったのだ。


「セシル様、フランソワーズもお部屋でゆっくりできた方がいいのでは?

 野営だと、ずっと紐に繋いでおかないといけませんから、ね?」


「……でも、誰がフランソワーズと私のお世話をしてくれるの?」


 ミレーヌとシーラが顔を見合わせた。


「明日には辺境伯爵家の城に着きますから、一泊くらいおひとりでも大丈夫でしょう?

 もう幼い子どもということでもないでしょうし?」


 ジョナサンの言葉にセシルは「でも……」と食い下がる。


 ミレーヌが微笑んで言った。


「一緒に行って、宿の女中に伝えますよ。

 フランソワーズのことも、きっとどうしたらいいか教えて下さるでしょう」


「なら、一緒に泊ってよ!

 部屋の床で毛布で寝るなら、野営よりいいのじゃなくて?」


 ミレーヌが苦笑する。


「ごめんなさい。

 野営の方が気楽なんです、私には」


「……ひどいわ。

 私のお世話をしたくないのね!

 せっかく公爵家のメイドにしてあげようと思ってたのに。

 もういい、あなたみたいにおしゃれじゃない人をわざわざメイドにすることはないわよね!」


 ミレーヌがシャルルを見た。

 シャルルが慌ててセシルを宥めにかかる。


「セシル! なんだかおかしいぞ!?

 ほら、お父様も従者がいないのに、ちゃんと部屋に入ったじゃないか!」


「……うーん。

 わかりました……。でも、辺境伯爵家に着いたら、おしゃれでよく気がつくメイドをきちんと用意してよ!」


 セシルはため息をついて言った。


 ジョナサンとシャルルとミレーヌが宿までついていき、各自部屋に入るのを見届け、セシルについてはネコを連れているのでその対応まで細かくお願いする。


 そして、馬車のある野営地まで戻ってくるとシャルルがみんなに謝った。


「ごめんなさい。

 みんながやさしくしてくれているのを、セシルは誤解したみたいだ。

 公爵家で身分が高いからだと。

 特にミレーヌ、すまない。

 でも、セシルになんで身分を隠しているんだ?」


 ミレーヌは苦笑した。


「うーん、まあ一番はセシル様がうちの家に招待されているのを遠慮してたら……と思ったんだけど。

 でも、それは大丈夫そうだね。

 シャルル、セシル様に公爵家の現状をきちんと話した方がいいんじゃないの?」


「……でも、今は母親を失ったばかりで……」


「んー、でも、もうお母さんのことは気にしてないようだけど?」


「うん……、最初は驚いていたけれど、ね。

 女性ってそうなのか?

 私の方がまだショックを引きずっているような気がする……」


 シーラが苦笑する。


「そうね。

 女性の方が現実的なところもあるかも」


読んで下さり、ありがとうございます。

違う方向に変に逞しく(図太く?)なってしまったセシル嬢。

それに、あの人も動き出してます。


午後は息子の学校の説明会に行ってきます!!

そのため、今日の午後投稿はありません。

これからもどうぞよろしくお願いします!

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