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40 これからどうする?

どうぞよろしくお願いします。


 恋人というよりは幼い子ども同士のような感じの……。

 ドアがノックされ、シーラとコーラスが戻って来た。

 コーラスがカイエンをじっと見て「誓いは守ったんだろうな!?」と言うと「う……」とカイエンが返事に困り、ミレーヌが「おしゃべりしてただけだよ」と返事した。


 やけにニコニコしているミレーヌとちょっと狼狽えているようなカイエンを見てシーラは首を傾げている。


「ミレーヌ、カイエン。

 シーラとこれからのことを話し合ったんだが……。

 シーラは温泉施設で働いてみたいそうだ」


 ミレーヌが頷いた。


「それは狩りに出ないということだね。

 うん、シーラは無理しない方がいいよ」


「で、俺もなんだ」


「えーっ! コーラスも? 虫、ダメ?」


「まあ、平気な方だとは思ったが、あれは……、正直言うと連日はきつい。

 で、シーラと話して俺も温泉施設に興味があって……」


「領地の温泉開発!?」


 顔を輝かせるミレーヌにカイエンが「ローレウス領に?」と聞いた。


「うん、ローレウス伯爵領には温泉があるんだよ。

 今は誰でも入れるお風呂になってるよね。

 でも……、街とか宿にはなってない」


 シーラが頷く。


「本当にただのお風呂、なのよね。

 今回こちらの施設を体験して、温泉ってすごいことできるんだと思ったのよね。

 ここではまだ行われてないけれど、病院や教会と提携したら、医療的なことをもっとできるかも。

 もっと施設としての工夫とかよく見て勉強してみたい」


「うん! いいと思う!

 父からもここは昔から温泉の宿泊業者とギルドが独自に発展させたと聞いているし。

 だから、父も知らないことがあるかも。

 でも……、シーラとコーラスが狩りに出ないということは、私とカイエンのふたりで狩り?」


 コーラスが言った。


「それは任すよ。

 狩りに出てもいいし、幼虫採取くらいならそこまで奥に入らなくてもできそうだし。

 何か商店の護衛とかでもいいし。

 または……エド様達を誘って狩りに出るとか……」


「ふふふ、コーラス、エド様達を利用するの?」


 ミレーヌが面白そうに笑う。


「ああ、狩りなら人手が多い方が安心だろ」


 カイエンも笑う。


「エド様は喜ぶだろうけど、バルドとカイトはどうだろうなー」



 次の日、コーラスとシーラは泊っている宿の人に話をして、温泉施設で短期の人手として雇ってもらえないか聞いてもらうことになった。

 ミレーヌとカイエンはふたりで狩りに行ってみることにした。


 ギルドでオーバーシューズを借りる。

 ふたりで銅貨1枚だ。


「この元は取らなきゃね」


 ミレーヌがカイエンとそんな話をしているとギルドの職員から声が掛かった。


「幼虫きれいなまま持ち込んだの君達だろ!

 また、頼むよ!」


「幼虫、素材ですよね?

 きれいな方がいいって、皮とか何かに使う?」


 ミレーヌが聞くと職員が笑った。


「傷が少ない方が食材に利用しやすいんだ」


「食材……」


 ミレーヌが『あれ?』という顔をした。


「ここの名物の美肌にいいと……」


「ちょっと待った!! あの、いいです! 聞かないことにしまっす!」


 ミレーヌが慌ててギルドを出て行き、カイエンが追いかけて来た。


「……たぶん、昨日のおいしかった料理の……、私達のは美肌にいいとか……。

 どれか、だよね。

 知らない方がいい……。

 シーラも……、あ、施設で知っちゃうかな……」

読んで下さり、ありがとうございます。

ふたりでの狩り。

楽しみな反面、巨大な虫と鳥に気をつけて!

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