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34 湿原の魔物達

どうぞよろしくお願いします。

 現れたのは、2頭の野生のコボーだった。

 幼虫の、そしてネズミの血の匂いを嗅ぎつけたのだろう。


 エドを守るようにバルドとコーラスが剣を構えている間に、エドをカイトが引っ張りカイエンの後ろに逃げる。


「手を出さないで。下がって」


 カイエンが静かに言った。


 一頭が幼虫をカパッと嘴でつかみあげた。

 もう一頭はネズミの死体を突いては、器用に上に放り上げ、食べている……。


「すご……」


 エドが目を丸くして見ているが……。

 コボー2頭はこちらを気にすることなく走り去った。



「……なんで攻撃しなかった?」


 エドの言葉にカイエンが答える。


「今回はこの地での狩りは初めてです。様子を見るということもありました。

 ギルドで聞いた話では鳥は基本、人を襲わないようです。ただ、鳥が餌と認識した物を取ろうとすると危険だと」


 コーラスも言った。


「ああ……、でもいいことがわかった。もし生け捕りしたいのであれば、幼虫を餌に誘き出せる」


「ネズミもね……」とミレーヌが言った。


 気を取り直して森の方へもう少し進んで行くと、森の手前に泥のぬかるみがあり、ホーンボアの群れが……、たぶん親子だろうが、子どもはもう成獣に近い体格で、8頭ほどか?

 泥の中に身体をなすりつけるようにしていて騒がしく、こちらに気がついていない。


「泥浴び……?

 虫よりかはいいけど、泥だらけって言うのも……」


 シーラが残念そうに言った。


「もう親離れする頃だな。みな成体に近い」


 バルドの言葉にコーラスが頷く。


「1頭だけでも狩りますか!」


 ミレーヌに目配せし、手で森の方を示しながら丸く動かす。

 頷いたミレーヌがそっと横に進んで行き、途中から後ろに回り込むように進んで行く。

 カイエンが心配そうにミレーヌの行方を気にしている。

 

 ミレーヌは無事にぬかるみの向こうへ出ると、こちらにゆっくり進み始めた。

 コーラス、バルドが剣を抜いて身構えた。カイトもそばにいる。

 カイエンはシーラとエドを守る位置にいる。


 ミレーヌが向こうから跳び出し、ホーンボア達は慌ててこちらに逃げようとし、コーラス達に気がついた。

 コーラスが1頭の首元に斬りつけたが、泥が思ったより厚く塗りつけられ堅くなっていたようだ。

 一撃では決めきれず、倒すことができなかった。


「むっ!」


 バルドはもう1頭に斬りつけ、カインが風魔法で足を傷つけて、動けなくすることに成功し、比較的泥が取れかけていた顎の方から止めを刺していた。


 他のホーンボアは逃げたが、コーラスと対峙していた個体は逃げずに戦う気のようだ。


 ミレーヌが背後から足を狙い、後ろ足を傷つけ跪かせた。そこへコーラスが先ほどつけた傷の上から打ち込むように剣を突き刺し、押さえ込む。

 すごく大きな鳴き声が響いたが、すぐ静かになった。


「泥で武装しているとは……」

 

 コーラスの言葉にミレーヌも「うん、驚いたね!」と答えている。

読んで下さり、ありがとうございます。

すみません。もう少し虫やらの話が続きます……。

早く恋愛の場面に出るためにちょっと急いで変則的に連続投稿してます。

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