29 情報収集!
どうぞよろしくお願いします。
部屋の使い勝手や共用部の施設や備品をチェックする。
他の居住者もいるが冒険者や家族連れが多いようだ。そこまで不審な人物もいなそうである。
「ギルドが近いからかもな」
コーラスの言葉にカイエンが頷いた。
「ああ、ギルドに近いが温泉施設からは離れている。市場も少し離れてるものな。
治安的には良さそうな場所だが、ギルドがあるから……、逆に夜はどうだろうな?」
「ああ、夜は居酒屋が……、この下のレストランも夜は定食というよりは酒を飲む場所なのかもな。
早めに食べるようにするか、自炊するか、だな」
そのまま、4人でギルドへ行き、依頼の掲示板をチェック。
この街ですぐ完結させられる仕事を探す。
ミレーヌが呟く。
「収集や魔物の素材を欲しいってのが多いね。どんな依頼が多いかチェックしておいて、普通に狩りに出るのがいいかも。
最初から受けるとその魔物を探さないといけないし」
カイエンが言った。
「そうだな。普通にまず狩りに出てみるか……。
街の様子も見たいしな。
そうとなれば、情報収集。
俺とミレーヌはギルドで狩りについての情報を集めよう。
シーラとコーラスは市場へ出て食材を調達しがてら、街の様子を見てきてくれないか?」
「ああ、わかった。
シーラ! 食材の管理頼むな!」
「もう! 献立考えるのけっこう大変なのよ!
まあ、収納できるのが私とカイエンだけだもんね……。
カイエンの方は魔物を入れてくれること多いし……。了解!
温泉の方の情報も調べて来るね!
なんか普通のお風呂じゃないみたいだし、入り方とか持ち物とかあるのかもよ?
じゃあ、宿で待ち合わせしましょう!」
コーラスとシーラはそんなことを言いながら、さっさと出て行った。
ミレーヌとカイエンは顔を見合わせくすっと笑う。
「ふたりとも楽しそうだね」
「ああ、なんだかんだ言って、俺達より人との交渉はうまいよな」
カイエンとミレーヌはギルドの図書や情報を扱う部屋に行き、それぞれ狩りに向けて調べ始めた。
カイエンは地形や狩りの場所について、また外に出られる時刻など細かく確認している。
温泉が湧く場所があり、それ以外の場所でも、水気が多く湿原が広がっているそうだ。森も小さい物が点在している感じで、大型の鳥が多い。
「鳥が多いということは、虫も多いのですか?
カイガラムシという依頼が多かったような……」
ミレーヌがギルドの職員に聞いている。
職員は頷き、資料を見せてくれた。
「湿原に多く生息しているカイガラムシ。甲虫の一種だね。
幼虫は芋虫というような形態で土の中にいることが多い。
いろいろな種類が生息していて、この成虫の甲が青いものと紫色のものは絵の具や装飾品の材料になるので高値で売れる。幼虫も染料や薬の材料、鳥の餌など需要があるよ」
「へー、染料か……、依頼にもありましたね!
他のカイガラムシは?」
「毒のあるものもいるから、薬品の素材として需要はある。それほど高価ではないけどね」
「鳥で人を襲うものは?」
「大部分の鳥は襲ってはこないけど……、野生のコボーは特に身体が大きいから気をつけた方がいいかもな。獲物を取られそうになったらそのままにしたほうがいい」
職員が資料のひとつを上に出して見せてくれた。
ミレーヌの脇からカイエンが覗き込んで言った。
「ああ、街で見かけました!
馬の代わりに使っている人いますよね?」
「ああ、ここらでは小型の馬というか……、そういう感じで使っている人もいるよ」
「水気が多い地面なら、靴は何か特別な物が?」
ミレーヌが心配そうに聞いた。
「場所を選べば、そこまでぬかるんでいることはないけれど、気になるなら、防水のオーバーシューズを履いてもいいかもな。
ギルドで貸し出している物もあるよ。サイズがあるから、絶対あるとは言えないけれどね」
読んで下さり、ありがとうございます。
コボーは〇ョコボをイメージしとりますが、もう少しナウシカの鳥さんっぽい!?
カイガラムシは幼虫は芋虫系だけど、成虫はいろいろ。カブトっぽいものや、カブトエビとかダンゴムシみたいなのとか。
早番を頼まれて、急遽入ってきました。やっと帰って来たー。
とりあえず、1話だけ投稿して続きは夕方に投稿します。




