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184 薬師の弟子

どうぞよろしくお願いします。

今回もちょっと長い、です。

 ケイトとふたりになったレンは、薬草の下処理を手伝いながら言った。


「あの、ケイトさん。

 僕をここに置いてもらえませんか?

 その、使用人としてでも。

 それで薬のことを教えて頂けないでしょうか?」


 ケイトは少し驚いたが、微笑んだ。


「私の弟子になりたいってこと?」


「はい、そうです」


「じゃあ、あなたのお兄さんと、この村のライナスにも相談しないとね」


「……いいってことですか!?」


「そのふたりが了承すれば、私はかまわないわ。

 二階の奥の一部屋が空いてるの。弟子になるならそっちに移ってもらうわ。

 部屋見てきたら?」


「ありがとうございます!

 え、あ……」


「何か言いたいことがあるの?

 今はまだいいわよ。言える時でいい。クルトさんとの約束もあるんでしょ?」


 レンは驚いたようにケイトを見た。

 ケイトは笑う。


「とりあえず……、何か訳ありなんだろうなとは思ってた。

 レンは女の子よね。そんなに短く髪を切って……。

 話せるようになってからでいいわ」


「……ありがとうございます。部屋見てきていいですか?」


「ええ、どうぞ!」


 レンが二階へ行くと、店にクルト、ジョバンニ、ライナスがやって来た。


「いらっしゃいませ!」


 にこやかに声をかけたケイトにライナスが申し訳なさそうに言う。


「ごめん、客ではなくて。

 レンのこと聞いたか?」


「弟子ってこと? OKよ。

 クルトさんとライナスの了承を得ればって返事したから」


 クルトがどうしようという感じの思案顔だ。

 ケイトはジョバンニに「レンは二階の一番奥の空いている部屋を見に行ったの。行って、足りない物とか、家の中のことを案内してやって」と頼む。


「はい!」


 ジョバンニが店から住居の方に消えた。


 客から相談を聞いたり、お茶を出したりするテーブルがあり、そこへ座るようにクルトとライナスを促すケイト。


「クルトさん、レンのこと。今、話せるだけでいいから教えて下さらない?

 何か事情があると思うのだけど、知らないと守れないから」


 クルトは頷いた。


「すまない。……実はレンは貴族令嬢なんだが、冒険者としても活動していて、その時に知り合った。

 今回、彼女の婚約者が……、まあ、レンの話では、違う女性を愛していると。それで、彼女は身を引こうと婚家を飛び出したそうで。たまたま地方へ仕事で行く私にくっついてきた。

 最初は冒険者として自立するつもりだったらしいが、名を変えて登録したら二重登録に引っかかる。さりとて、以前の名前は使えない。

 何とか、どこかで身を隠して生きることはできないかと……」


「なるほど、それで。

 ……わかりました、レンをお預かりします。

 で、婚約者のことは本当なの?」


「私はその婚約者のことも知っているんだが、そういう人とは思えない。

 レンがそう思い込む、何かがあったんじゃないかと」

 

「……誰かがレンにそう思わせたと?」


「レンが安全に隠れていることができるなら、私は王都に戻り、婚約者に直接聞いてみようと思う」


「誤解だとわかったら、レンはどうするのかしら?


「……レンのことは、わからないな。

 なにしろ、あのお嬢さんは何をしでかすかわからないところと……、優し過ぎて、自分を大切にしないところがある。だから、放って置けないんだが……」


 黙って聞いていたライナスが困り顔で言った。


「兄弟というか、妹っていうのも嘘だったのか!?」


 クルトとケイトは顔を見合わせて笑った。


「時が来ればお嬢さんは女性だと言えるでしょうが、今は男の子。

 私の弟で男の子のレンとして扱ってやって下さい。

 婚家に置手紙をして家出をしただけで、悪いことはしていない。

 捜されてはいるだろうが……。

 あ、もしかしたら、レンを利用しようとしてる貴族が動いているかもしれない。

 少女の旅人を捜していると、ギルドとは違う役人風の男達に声を掛けられたことがある」


 ケイトが頷いた。


「レンの家か、その婚家が力のある貴族なのね、きっと。

 わかったわ。

 しばらく、レンはこの村から出さないようにする。

 ライナス、それでいいわね?」


「ああ、ギルド職員のクルトの弟のレンが、この村を気に入って、ケイトの弟子になった、ということでいいんだよな。それ以外のことは俺は知らん!」


 クルトはケイトとライナスに頭を下げた。


「仕事でいくつか他のギルドを回りながら、王都に戻ります。そこで真相を確認して、また戻ってくる。それまでレンを頼みます!」

読んで下さり、ありがとうございます。

ああ、後日録なのに長くなっちゃってる。

これからもお付き合い頂けたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

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