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181 女の勘

どうぞよろしくお願いします。

 レンダート伯爵家にコーデリア・イシュー子爵令嬢が訪れた。

 カイエンは出迎えて驚いた。

 ミレーヌ捜索の手伝いをということだったので魔法協会の隊服で来ると思っていたのにドレス姿だったからだ。

 イシュー嬢はカイエンの上司でもあるので、カイエンは驚きつつ、平静を装って挨拶をし、客間に案内した。



「イシュー隊長……。そのミレーヌ捜索の手伝いというのは、具体的に何を?」


 レンダート伯爵夫妻とコーラス、ちょうどジョルジュ王子とウィリアムとマリアも来てくれていたので紹介してから、カイエンはコーデリアに聞いた。


 コーデリアはにっこり微笑んだ。魔法士隊第2隊長とは思えない、艶やかさだ。

 どちらかというとシンプルなドレスを着ていて、服装だけ見ると、かわいらしいという方に頑張っているような感じに見えるが……。こういうドレスが趣味だったのか?


「カイエンは捜索で外に出ることも多いのでしょう。

 この家を守る者がいたら少し気が楽になるのではなくて?

 特に、お母様はとてもお疲れでしょう。

 私が女性ならではの視点でお手伝いできることがあると思います。

 気晴らしにおしゃべりなどにも付き合えますし」


 カイエンとコーラスは顔を見合わせた。

 怪訝そうな表情だ。

 そんなふたりを見て、マリアが言った。


「それなら、私もおりますし……。

 マリオン侯爵家のアドリアーナ様もそういうことは気にかけて下っています」


 確かにあまりよくわからない人物がレンダート伯爵家の内側に入るというのは……。


「イシュー隊長。俺は長期休暇を正式に頂いています。

 隊長まで休まれたら、第2隊は仕事に支障が出てしまうのでは?」


 カイエンが言うと、コーデリアはきっぱりと言い返す。


「副隊長が困っているのに、隊長が助けるのは当たり前だろうが!」


 しかし、何故、ドレス姿?

 制服姿で、職務としてなら、まだ信憑性があるものの、その姿で女性ならではと言われると……。

 魔法協会で探索を手伝ってくれるとか、そちらの指揮を執ってくれるとか、そういう話ではないのか!?

 しかし、上司ではあるので……。

 カイエンは首を傾げながら、何とか着地点を見つけようと話し出す。


「……わかりました。それでは母を支えて頂くとしても……。

 父上、イシュー隊長は独身の子爵令嬢で、まだ婚約者もいないはず。

 我が家にお泊めすることはできませんので、送り迎えをお願いできますか?」


 レンダート伯爵が頷く。


「ああ、日中、時間がある時にいらして下さい。

 連絡を頂ければ、お迎えに上がります」


「あら、私はこちらに24時間いるつもりで来ました。

 カイエンや伯爵はいつ何時なんどき、ミレーヌのことで外出されるか、わからないではないですか!」


 ジョルジュが顔をしかめた。


「イシュー嬢。

 ミレーヌが不在のことは周囲には伏せて、捜索をしている。

 あまり注目を集めるようなことはしたくない。

 高名な魔法使いで貴族令嬢であるあなたが、レンダート伯爵家に逗留することで周囲に誤解を与えかねない。そのために、日中、通いでお願いしたいということだ」


 そこへ執事が入ってきてレンダート伯爵に耳打ちした。


「早いな! 

 皆様! レイオス辺境伯爵家より、ジョナサン様とシーラ様が急ぎこちらに到着されました。

 この部屋に来て頂きます!」


 すぐにシーラが案内されてこの部屋に入ってくるやいなや「カイエン! どういうことなの!?」と真っ直ぐカイエンに詰め寄る。

 コーラスが「シーラ、落ち着け」と言うがすぐに言い返される。


「これが落ち着いていられますか!?

 ミレーヌはまた、何を誤解しているの!?」


 コーラスが首を振る。


「なに?」


 そこでシーラはコーデリアに気がついた。


「どちら様?」


「カイエンの直属の上司になります。

 コーデリア・イシューです」


 シーラはすぐに「ローレウス伯爵家のシーラです」と返し、続けた。


「ミレーヌとは幼馴染で、そして、ミレーヌは義妹になる予定です!」


 ジョナサンが慌てて補足した。


「ミレーヌの兄の、レイオス辺境伯爵家のジョナサンです。シーラと婚約しております。

 カイエンの上司ということは、魔法協会のイシュー隊長ですよね?

 何故、レンダート家に?

 それにその服装は……、私用でということですか?」


 シーラの表情が、コーデリアを見る視線が……、険しい。


読んで下さり、ありがとうございます。

マリアだけじゃ心配だったの!

シーラ来てくれて、本当に心強い!

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