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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第2章 パーティ『暁の勇者』
18/54

18 おや?

どうぞよろしくお願いします。

 急いで人参サラダは食べてしまう。

 さっきの群れはもう来ないだろうが、他の群れが来るかもしれない。


 商人達も食事を終え、バルド達は急いで出発して行った。

 商人達の話ではパテマで待っている者がいるそうだ。


「それにしても聞いたことのない商会名だったな」


 若手の商人が言った。


「ああ、商人ではないだろう。

 どこかの貴族……、ニードルラビットのことを知らないところをみると、この周辺の貴族じゃないな」


 リーダ格の商人が言った。




 村に無事に入ることができ、宿も部屋があり、泊めてもらえることになった。

 馬車も馬も今日は宿で見てくれる。


 一晩のんびりと過ごせるのはうれしい。


 シーラとふたり部屋になったとたんに、ミレーヌはシーラに質問攻めにされた。


「カイエンといい感じじゃない?

 本当にカイエンが好みなの?」


「本当に……?

 好み……、あ、コーラスが言ってた!

 んー、好みってわからないよ。

 好きになる人がこんなタイプが多いとかってことでしょ?

 私、あんまりそういうの……、思ったことがなくて……」


「でもさ、なんか、カイエンに対してはコーラスに対してと違うっていうか……」


「そりゃまあ、違うよ。

 コーラスは幼馴染で親友だし。

 カイエンはその、婚約者として現れて、その、私のこといいと思ってくれてるみたいな?

 よくわかんないけど!?」


 顔を赤くして照れるミレーヌ……。


 コーラス、もう遅いかも……。

 シーラは少し遠い目をして、兄のことを思った。


「えっと……、その、カイエンって頼りがいがあるよね。

 すごく強いし。『私』呼びも『俺』呼びの時もさ、大人っぽいよね。

 でも、しっかりしているみたいで、さっきみたいに男の子って感じの表情を見せたり、なんか……、ギャップっていうか……。年下みたいな感じなのに、リードしてくれる男らしさっていうの?」


 とりあえず、なんとなく今までのカイエン像をまとめておこうと話し出したシーラの言葉に、ミレーヌの表情が一瞬曇った。

 シーラが『あれ?』と思った時には、ニコニコ笑顔に戻っていて……。


「シーラには昨日の夜、もう『俺』って言ってたの?」


「あ、カイエンね。

 ええ、急にぶっきらぼうというか、丁寧な言葉使いじゃなくなったから、驚いたけど」


「そっか……」


「今夜は料理しなくていいから楽ね!

 そうだ!

 パンでも買いに行こうか!」


「うん! 

 じゃあ、コーラス達から共同の財布もらってこよう!」


 ミレーヌとシーラでコーラス達の部屋に行き、食べ物の補充をすると伝えて財布を預かる。

 カイエンが「一緒に行こうか?」と言った。


「大丈夫! 私がいるから!

 シーラのことはちゃんと守ります!」


 ミレーヌの言葉にカイエンが苦笑し、コーラスは首を傾げた。


読んで下さり、ありがとうございます。

おや? ですよ。


ブックマークが増えてるのうれしいです!

ありがとうございます。

うれしくてもう1話投稿しちゃいました。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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