18 おや?
どうぞよろしくお願いします。
急いで人参サラダは食べてしまう。
さっきの群れはもう来ないだろうが、他の群れが来るかもしれない。
商人達も食事を終え、バルド達は急いで出発して行った。
商人達の話ではパテマで待っている者がいるそうだ。
「それにしても聞いたことのない商会名だったな」
若手の商人が言った。
「ああ、商人ではないだろう。
どこかの貴族……、ニードルラビットのことを知らないところをみると、この周辺の貴族じゃないな」
リーダ格の商人が言った。
村に無事に入ることができ、宿も部屋があり、泊めてもらえることになった。
馬車も馬も今日は宿で見てくれる。
一晩のんびりと過ごせるのはうれしい。
シーラとふたり部屋になったとたんに、ミレーヌはシーラに質問攻めにされた。
「カイエンといい感じじゃない?
本当にカイエンが好みなの?」
「本当に……?
好み……、あ、コーラスが言ってた!
んー、好みってわからないよ。
好きになる人がこんなタイプが多いとかってことでしょ?
私、あんまりそういうの……、思ったことがなくて……」
「でもさ、なんか、カイエンに対してはコーラスに対してと違うっていうか……」
「そりゃまあ、違うよ。
コーラスは幼馴染で親友だし。
カイエンはその、婚約者として現れて、その、私のこといいと思ってくれてるみたいな?
よくわかんないけど!?」
顔を赤くして照れるミレーヌ……。
コーラス、もう遅いかも……。
シーラは少し遠い目をして、兄のことを思った。
「えっと……、その、カイエンって頼りがいがあるよね。
すごく強いし。『私』呼びも『俺』呼びの時もさ、大人っぽいよね。
でも、しっかりしているみたいで、さっきみたいに男の子って感じの表情を見せたり、なんか……、ギャップっていうか……。年下みたいな感じなのに、リードしてくれる男らしさっていうの?」
とりあえず、なんとなく今までのカイエン像をまとめておこうと話し出したシーラの言葉に、ミレーヌの表情が一瞬曇った。
シーラが『あれ?』と思った時には、ニコニコ笑顔に戻っていて……。
「シーラには昨日の夜、もう『俺』って言ってたの?」
「あ、カイエンね。
ええ、急にぶっきらぼうというか、丁寧な言葉使いじゃなくなったから、驚いたけど」
「そっか……」
「今夜は料理しなくていいから楽ね!
そうだ!
パンでも買いに行こうか!」
「うん!
じゃあ、コーラス達から共同の財布もらってこよう!」
ミレーヌとシーラでコーラス達の部屋に行き、食べ物の補充をすると伝えて財布を預かる。
カイエンが「一緒に行こうか?」と言った。
「大丈夫! 私がいるから!
シーラのことはちゃんと守ります!」
ミレーヌの言葉にカイエンが苦笑し、コーラスは首を傾げた。
読んで下さり、ありがとうございます。
おや? ですよ。
ブックマークが増えてるのうれしいです!
ありがとうございます。
うれしくてもう1話投稿しちゃいました。
これからもどうぞよろしくお願いします。




