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179 辺境の村

どうぞよろしくお願いします。

 村に入るとコボーに乗っているバートとジョバンニを見て、村人が何事かと集まってくるが、なかなか声を掛けずに遠巻きにしている。


「ジョバンニ! どうした!」


 ひとりの男性がやっと声を掛けてくれる。

 ジョバンニはほっとしたように話し出した。


「ライナスさん! 

 薬草を取りに森に入って、ボアに気がつかず近づいてしまい、追いかけられて。

 そうしたら、このおふたり、レンさんとクルトさんが通りかかって、助けてくれて……」


 ライナスと呼ばれた男性はおっかなびっくりという感じでコボーに近づいてきた。

 クルトとレンはコボーから下り、バートとジョバンニを下ろす。


「……ありがとうござます。あなた方は? それに、この大きな……、鳥? ですか?」


「私はギルドの職員でクルトと言います。こちらは弟のレン。

 いつもはレイオス辺境伯爵領のパテマギルド所属で、これはパテマに生息しているコボーという大型の鳥です。

 今は王都のギルドの仕事を頼まれてこちらに来ていまして。

 ここまで来たなら、なかなか来れないところですし、一番奥の村まで行ってみようかと」


「それはそれは! では、お客様ですね!

 歓迎します!

 私はライナス。この村の取りまとめのようなことをしています」


「2~3日、お世話になりたいのですが……。

 宿などありますでしょうか?

 無ければ、野営していい場所を教えて頂ければ……」


「クルトさん!

 うちに来て下さい! 使ってないうまやもあるんだ!」


 ジョバンニが言ってくれ、ライナスも微笑んだ。


「では、ジョバンニ頼むよ。

 ケイトは急に客が来ても大丈夫か?」


「うん、母さんにちゃんと説明する。

 バート、先に家に行って、お客さんをお連れするって言ってきて!」


「うん!!」


 バートが走って行く。村の子ども達だろうか? 何人か一緒に走って行った。


「こちらです!

 村を案内しながら、ゆっくり行きますね!」

 

 ジョバンニが言ってくれ、レンとクルトはコボーを引いてゆっくりと村を見回しながらついて歩いて行こうとした。

 ライナスがクルトに言った。


「私の家はそこの鍛冶屋です。後でぜひ、いらして下さい」


「ありがとうございます! 後で伺います!」


 クルトが返事をしている。


 レンは、というかミレーヌは、ジョバンニ、バートという名に、そしてカイエンとウィリアムに似た黒髪の兄弟に何か胸がドキドキしていた。

 もしかして……。


「ここです!」


 ジョバンニが連れて来てくれた家はどうやら何かの店をやっているようで、小さな看板が掛けられている。

 ガラスの小瓶と鳥の絵。

 ミュラー子爵家とレンダート伯爵家の紋章にも似ている鳥の絵が……。


「コボーは裏の厩に!」


 その時、店のドアが開き、兄弟の母親らしき女性がバートと一緒に出てきた。

読んで下さり、ありがとうございます。


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