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178 兄弟

どうぞよろしくお願いします。

 コボーに乗って山道を進んで行く。

 途中でレンが何かに気づいて、急にコボーを急がせ、クルトの前に出た。


「どうした!?」


「戦っている音? 子どもの声も!」


 レンは周囲を素早く見回し、耳を澄ます。


「こっち!!」


 コボーはレンの気配を察して木々の中に飛び込んで走りだす。

 クルトのコボーも慌てて後を追おうとするが、もう1頭のコボーを縄で繋げていたため、2頭が引っ張り合いになってしまった。

 クルトは慌てて縄を解く。

 誰も乗っていないコボーがレンの後をすごい勢いで追って行く。

 こんな時なのにクルトは笑ってしまった。

 コボーはレンが大好きなんだな。


 レンとコボーが乗り込んだのは、大きなブラウンボア2頭に追い詰められた男の子の前だった。


 その黒髪の少年は木の根元に剣を構えて立っている。


「兄ちゃん!!」


 その木の上で弟だろうか、年少の男の子が木の枝にしがみついて叫んでいる。

 レンはコボーから飛び降りると少年の前に剣を手に守るように立ち、コボーはブラウンボア達に「クエーッ!!」と凄まじく、けたたましい声を上げて威嚇する。


 さらにもう1頭のコボーも現れ、レンの横で羽根を立てるようにぶわっと身体を膨らませて見せる。臨戦態勢だ!


 ブラウンボアは怯んで、逃げた。

 コボーが追おうとしたが、レンは「追わなくていい!!」と声を掛けた。

 コボー達が戻ってくる。レンに甘えるように頭を擦り付けてくる。


「ありがとう! 助かったよ!」


 レンはコボー達を撫でてお礼の言葉を伝えてから、少年に言った。


「君達、大丈夫?」


 剣を握っていた少年がへたり込んだ。


「兄ちゃん!!」


 木の上の男の子が慌てて下りようとして、レンが手を貸す。

 兄が13歳くらい? 弟は8歳くらいだろうか?


 クルトも合流した。


「ブラウンボアだったな。子どもって本当だったんだな」


「兄さん! ボアと鉢合せしなかった!?」


「ああ、急に飛び出してきて、1頭は仕留めた」


「さすが!!」


 レンはへたり込んだ少年のそばに跪いた。


「怪我はしていない?」


「……俺は大丈夫だけど、バートが……」


 レンが弟の方を見ると、足の脛あたりに怪我をし、出血している。

 兄は、弟が怪我で走って逃げられないと判断し、守るために木の上に押し上げるようにして登らせたのだろう。

 レンが手を翳そうとしたのを見てクルトが鋭く言った。


「レン!! 薬を使え!」


 レンははっとして手を止めると、収納魔法から薬の籠を取り出し、傷薬を選ぶと少年達に見せた。


「傷薬だ。使うよ」


 了承を得てから、弟の足の怪我に掛ける。やはり、治りは遅い。レンは薬の瓶を持つ手に治癒魔法をこっそり使い、治癒の効果を付与した。きれいな布で怪我の汚れや血を拭きとってから、もう一度。

 血が止まり、傷が塞がり始める。


「すごい効き目!?」


 兄の方が目を丸くする。


「王都の薬ですか!?」


「ああ……、うん、王都というか、僕の故郷の薬なんだけど。

 その……、ヒーラーが祈りを入れてくれた特別な薬で……」


 クルトがレンの言葉を聞いてやれやれという表情だ。

 レンは少年達に話し掛けた。


「僕はレン。

 兄のクルトとこのコボー達とこの近くの村に行く予定で。

 もしかして、君達はその村の子?」


 兄が頷く。

 なんだか……、カイエンに似ている。弟はバートと呼ばれていたっけ。彼も黒髪だ。


「兄ちゃん!」


 弟に呼ばれて、兄ははっとする。


「はい、助けて頂きありがとうございます。

 俺はジョバンニ。これは弟のバート。

 薬草を捜していて、ブラウンボアに気づかず……」


「助けてくれて、ありがとう! 

 怒ったボアに追いかけられて……」


 バートもお礼を言ってくれた。


「助けられて良かったよ。

 レンが君達の声に気がついたんだ」


 クルトがバートをひょいと抱っこしてコボーに乗せた。


「レンはジョバンニを乗せてやれ。

 いきなり一人乗りは無理だろうからな」


「はい、兄さん!

 ジョバンニ、一緒に乗ろう。村まで送るよ!」

読んで下さり、ありがとうございます。

コボー大活躍して、書いてて楽しい。

私の話の書き方はほとんどぶっつけで、登場人物と一緒に少しずつ手探りしながら書いているので、自分で書いてて、ああ、あの時の出来事は、ここに繋がるのか! と思ったりします。

ハッピーエンドになるということだけは決めていて、登場人物と一緒にそこに向けて頑張るという書き方です。

そのため、自分でもこの先どうなるのかとドキドキしながら書いています。

今回は、本編完結してから、また連載に戻して後日録を投稿するのは完結詐欺になってしまうのか? と考え過ぎて、今作は完結表示せず、後日録に入りました。そして、普通に第一部完結で、第二部として続けても良かったかも……と思うくらい、長くなってきています……。いろいろわかりにくくてすみません。

後日録完結まで、頑張りますので、引き続きお付き合いをどうぞよろしくお願いします。

ブックマークしてお付き合いして下っている方、本当にありがとうございます。

『今世と前世と罪と罰』の若宮ちゃんや川上先生が『こっちも早く書いてよ~』と時々言ってくるのですが……。まずはこちらから完結させます!!

リアクションや評価や感想を頂けると、とてもうれしく頑張れるので! どうぞよろしくお願いします。


午前中、通院してきました!

片耳の聴力、戻ってきていて、まずい薬が朝と夕に減りました!(今までが三食後だった)

うれしい~!


※後日、後日録が長くなりすぎて、第二部という形に整えました。

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