170 王都観光
どうぞよろしくお願いします。
「クルト! 久しぶり! 今、レイオス家にいるの!?」
ミレーヌとマリアはやっとレイオス辺境伯爵家の王都の屋敷に来ることができた。
今日はローゼリアとお出掛けとなり、一度レイオス辺境伯爵家に顔を出すことになったのだ。
「お嬢さん! マリア様!
ええ、そろそろパテマに帰ろうかと思っていたんですが、しばらく王都でギルドの連絡係をしてろってことになりまして」
「あ、コボーが速いから!」
「そうですね。
で、長く王都にいるなら、パテマのあるレイオス辺境伯爵家付けってことになりまして。
今日の王都観光、私がお嬢さん方の護衛と案内を任されましたよ」
「ということはギルドにも行くのね! 楽しみ!」
さすがにコボーに乗ってということはなく。
そのまま、レンダート伯爵家の馬車にクルトが乗り込んでアイライト侯爵家に向かう。
王都観光はアイライト侯爵家の馬車で回ることになった。
ローゼリアは侍女と護衛をひとりずつ連れて行くそう。
「ミレーヌ、マリア、今日は楽しみましょうね!」
侍女のファニーは一緒に馬車に乗るが、護衛のローランドは御者台に座る。クルトもそちらに。
ローゼリアとファニーの案内で馬車の窓から王都の様子を眺める。
大きな通り沿いには大きな建物が並び、公園や広場もあちこちにある。
ミレーヌは「広いなあ」と呟いた。
「あの建物が王都のギルドですわ!」
ローゼリアの言葉にミレーヌが身を乗り出す。
「……知っているギルドとは全然雰囲気が違う」
ミレーヌの言葉にマリアが笑う。
「そうね、レーニアのギルドはもっとアットホームな感じだもんね。2階までしかないし」
ギルド前で馬車を降り、中へ入る。
クルトがギルドの職員に話をし、客間に案内される。
「……なんか思ってたんと違う」
ミレーヌがマリアにこっそり言った時、ギルド長らしい男性が客間に入ってきて挨拶してくれる。
元冒険者という感じではなく。貴族の……元文官といった雰囲気の男性だ。
魔王討伐にミレーヌとマリアが参加し、ヒーラーとして活躍したことについて礼を言われる。
「ミレーヌ様とマリア様のヒーラーの力が素晴らしかったと!
評判になっております。
また、何かあった時にはよろしくお願い致します」
「今回は人の被害がそれほど大きくならなくて良かったです。
でも、家財を失った方も多いですし、これからもそのような方に手厚い援助をよろしくお願いします」
ミレーヌがそうお願いすると、ローゼリアもマリアもそんなミレーヌを頼もしそうに見ている。
ギルドの中を案内してもらい、外に出るとクルトが言った。
「同じ通りに魔法協会もありますよ、行ってみますか?」
ミレーヌはちょっと困った表情をした。
「ギルドが思っていたより大きくて……。
ちょっと疲れました。
今日は王都観光なので、ローゼのお薦めの楽しい所にも行ってみたいです」
「そうですね!
では、時間が少し早いですが、私が大好きなカフェでお茶しましょう!」
ローゼリアが張り切って言い、侍女のファニーが馬車の御者に伝えてくれている。
クルトはちょっと違和感を覚えた。
ミレーヌなら、カイエンが仕事をしている魔法協会へ行って挨拶をすると、思っていたからだ。
カフェに行き、公園に行き、魔道具屋にも行った。
ミレーヌは魔道具にも興味があるようで、いろいろ質問し、年配の魔道具職人と何やら話し込んでいた。
教会では王都にいる間に、ぜひヒーラーとしての活動をと頼まれた。
「レンダート伯爵家に相談してみます」と返事をしていたミレーヌ。
クルトはさらにミレーヌの様子に不安になった。
何か悩んでいることがあるのか?
読んで下さり、ありがとうございます。




