164 オベリウスの血筋
どうぞよろしくお願いします。
「で、オベリウスはどうなったんだ?
前と同じで、休眠というか……、まだ自分の子孫を見守っていて、何かあれば、魔王として出てくる?」
アルベルト神官が聞いてきた。
カイエン、ジョルジュ、ウィリアムは顔を見合わせ、首を振った。
ジョルジュが答える。
「オベリウスは消えた……と思う」
「根拠は?」とエドワード。
ジョルジュが怪訝そうにエドワードを見た。
「エドワードは知っている?
私が……、カイエンやウィリアムと同じようにオベリウスの血筋であったことを?」
コーラスとミレーヌとマリアがびっくりした顔をした。
アルベルトが言った。
「ジョルジュの母、側妃の母はミュラー子爵家の令嬢だったんだ。
私は今まで魔王に憑りつかれたと手記を残してくれた者達の共通点を考えていて……。
王家に仕えていた者、そして魔法使いに多いこと。
そして、昔から……、ミュラー子爵家には魔王出現と同時期に行方がわからなくなったという者がいたり……。
そのため、ミュラー子爵家がオベリウスの血筋の本流なのではないかと」
ジョルジュが答えた。
「はい、その仮定は合っていたと思います。
私はオベリウスが憎む王家の血と彼の血の両方を持つ人間だったのです。
オベリウスと……、ウィリアムの身体の中にいるオベリウスとも話しましたし、彼の記憶も観た。
そして、私とカイエンと話をしたことで、血が王家に届き、混ざったことが復讐に変わるのではないかと。
もし、私が、オベリウスの血筋の者が王になったら、それこそ本当の復讐になるだろうと……」
「彼は納得したのか?」とアルベルトが呟いた。
ジョルジュは首を捻り、カイエンが答えた。
「何も特に言わなかったが、魔王の雰囲気は変わった。
そして、ウィリアムの人格が出てこようとして……。
そんな時にコーラス達が来て、矢を……」
シーンとしてしまった。
コーラスがその時のことを思い出しながら口を開く。
「……ウィリアムは大丈夫だったのか?
矢は、まっすぐに魔王の胸を狙っているように見えた」
ウィリアムは自分の胸に手を当てた。
「オベリウスが守ってくれたのだと思う。
私は傷ついていない……。
カイエンに聞いたが、これまでは憑りつかれた者の命が危なくなると魔王オベリウスが身体から離れ、強制転移になるとか……。
だから、私を守ったというイレギュラーが起きたということは……」
「ウィリアムを守るために、再び眠りにつくのではなく、力を使った?」
アルベルトが呟き、それは静かな室内に響いた。
「……そうではないかと、思います」
カイエンが付け加えた。
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