161 王城にて
どうぞよろしくお願いします。
次の日、王城へ!
ミレーヌは今回は『聖女』でヒーラーということだったので、以前シーラが上着としていた白いヒーラー服に似ているデザインのシンプルなドレスを着ている。マリアは似ているデザインだが、年齢のこともあり、ワンピースである。
どちらも辺境伯爵領で教会の式典などの時に来ていた、準式服である。
カイエンとウィリアムも魔法使い協会所属の魔法使いの制服の式服バージョン。
ふたりとも黒が基調だが、裾や襟飾りなどが所属やランクで違うようだ。マントの色がカイエンが灰銀、ウィリアムが赤だった。
「かっこいいね!」
「おふたりとも素敵です!」
ミレーヌとマリアが褒めながら、顔を見合わせ照れたように笑い合う。
カイエンとウィリアムも「白……、似合うね」「かわいいです」と言ってくれる。
王城の客間でコーラスとクルト、冒険者パーティ、そしてジョルジュと合流した。
「クルト! コボーは元気!?」
いきなりミレーヌにコボーのことを聞かれたクルトは苦笑する。
「さすがに王城にはね……。
ローレウス伯爵家でゆっくりしてますよ!」
「ローレウス伯爵家……、帰りに寄れる?」
「ミレーヌ……、その服じゃ乗れんのだから、今日はおとなしく帰れよ」
コーラスが言って、カイエンとウィリアムを見た。
「ウィリアム、マリア、婚約おめでとう!」
「ありがとう! コーラス兄様」
マリアがにっこりする。
「で、カイエンとミレーヌの結婚はどうなったんだ?」
コーラスの質問にカイエンが苦笑する。
「半年後ということになった」
コーラスが不思議そうな顔をする。
「半年? そりゃまた、ずいぶん先だな……」
「俺の年齢のことで、両親がね」
「年齢?」
「……今だと、ミレーヌがひとつ年上になるんだ」
「あ、なーるほど。
同い年ってことにしたいのか、レンダート伯爵家としては!」
「ああ、変なこだわりだけどな。まあ、両親の願いでもあるし」
「……そりゃご愁傷様。
ミレーヌはすぐにでもって乗り気になってるのにな!
我慢が続くな!」
「そんなこと言うな」
カイエンがコーラスの胸にグーの手を当ててさらに苦笑する。
コーラスがその手をつかんでカイエンに呟いた。
「……6ヶ月か。
ミレーヌが王都での貴族令嬢の生活に耐えられるかな!?」
「そうなんだよ。それが気になるとこで……」
カイエンとコーラスが小さな声で話している脇でジョルジュがミレーヌとマリアに話し掛けた。
「マリア嬢、婚約おめでとう」
「ありがとうございます」
マリアがにっこり微笑みながら軽く礼をした。
「ミレーヌ嬢、マリア嬢。
謁見が済んだら、カイエンとウィリアムとともに話をしたいのだが、どうだろう?」
「……カイエンとウィリアムが良ければ」
ミレーヌが控えめにそう答えた。
カイエンとウィリアムとジョルジュが魔道具の転移魔法で戻って来て……。
ジョルジュはミレーヌとも話をして、謝ってくれた。
ミレーヌもジョルジュの心に寄り添うようで、大丈夫だという圧を掛けてしまっていたのではないか……と後から気づいて考えていたことを正直に話した。
そして今でもパーティの仲間ではあるけれど、それ以外の時はきちんとした王子と貴族令嬢としての距離感で過そうという話になったのだ。
もし、そこから友人になれれば……、それはこれからのこと、というわけだ。
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