159 コボーと魔道具
どうぞよろしくお願いします。
アルベルト神官、こちらに来た時はジョルジュ第3王子の従者アルバートとして来ていたので、馬車はジョルジュ王子の物だ。
エドワード第2王子がもうこちらに来ているので、そちらの馬車もあるし人数的には余裕がある。
結局、ジョルジュ王子の馬車にアルベルトとウィリアムとマリアが一緒に乗ることになった。
コーラスは馬に。クルトはコボーに乗って行くというので、ミレーヌとカイエンもコボーに乗る予定だ。
冒険者の討伐パーティに馬に乗るのが苦手な者がいるということで、辺境伯爵家の馬車を使ってもらうことになった。
クルトは討伐パーティに名が入ったので、ザッシュは自分のコボーだけを連れて、パテマのギルドに一足先に帰った。
カイエンとミレーヌの結婚と、ウィリアムとマリアの婚約。
ウィリアムはマリアにミュラー子爵として申し込むことができ、ゴードンも承知したが……、さすがにまだ14歳の子爵なので、父親であるレンダート伯爵の了承が必要だ。
「まあ、格下に嫁入りだから、反対などないだろう!?
それにミレーヌ嬢より、マリア嬢の方が嫁として受け入れやすいんじゃないか?」
ジョルジュの言葉にコーラスが笑った。
「まあ、伯爵家の嫁としてミレーヌがコボーに乗って登場したら、レンダート家は腰を抜かすでしょうね」
「本当にコボーに乗って行くのか?」
ジョルジュが呆れたように言った。
「……呆れているのに、聞くのですか?」
ウィリアムが面白そうに言って、マリアが笑う。
みんなの視線の先にはコボーに乗る練習をするミレーヌ、そして、クルトとカイエンの乗ったコボーが中庭を走り回っている姿があった。
クルトがミレーヌのところに戻ってきて言った。
「お嬢さん!
どうだ? 言うことを聞いてくれるようになったかい?」
「はい、だいぶ意思疎通ができるようになりました!」
その時、エドワード達がケリーに案内され中庭のテラスへ来た。
「ミレーヌ!! コボーに乗っている!?」
エドワードが驚いてから喜びの表情になり、後ろのバルドとカイトとシャルルは恐怖の表情だ。特に、シャルルは怖い思いをしているから……。
「私も乗りたい!!」
エドワードが走り寄ろうとするのをバルドとカイトが必死に止めている。
その様子を見て、ミレーヌやコーラスやカイエン……、みんな笑う。
「笑ってないで、手伝え!」
バルドが言って、クルトが大きな声で言い返した。
「王子! 乗りたいなら、教えますよ!」
乗るのに慣れたカイエンがコボーをエドワードに貸すことにして、クルトがエドワードとミレーヌに指導を始める。
テラスに戻ってきたカイエンに、コーラスは小さな声で話し掛けた。
「ミレーヌのブレスレット、ミレーヌには説明したのか?
ばれたのに、ジョナサン、何も言わないな?」
「ミレーヌは知ってる。ちゃんと説明した。それにジョナサンとも話した。
まあ、ミレーヌからしか呼び出せないからな」
「あー。まあ、でもそうするといつでもミレーヌはカイエンを呼び出せる?」
「いや……、今回のことでそんな簡単に使う物じゃないってこと、ミレーヌもわかったみたいだ」
「確かに、風呂で発動させるとはな」
「ああ、それはちゃんと教えていなかったこちらも悪かったけど。
強制的に呼ぶとなるとこちらの都合もある」
「そうか、逆もありえるのか!」
コーラスは自分が風呂に入っている時に強制転移されたらと考えてゾッとした。
「……あの時は三人で森の中を歩いている時で本当に良かったよ。
近くにいたから、とっさにふたりをつかむことができたから……。
はぐれて道がわからなくなったりということを想定してたから、な。
そんな時なら、こちらも探しているから、早く呼んでくれ! なんだが……」
読んで下さり、ありがとうございます。
ジバニャンがいつも強制的に呼び出されるのかわいそうだなと思っていたので……。




