157 おかえりなさい
この話で第一部完結です!
どうぞよろしくお願いします
カイエン達がどこに転移したのか……。
何の情報もない。
でも、たぶん、この国のどこかだろう。
バートの時のように時間がかかるかもしれない。
でも、今回はウィリアムは完全に魔王化(?)してなかったようで、魔物に襲われて怪我をした者や、家を壊され、街から追われた者は多いが、死者までは出なかった。
そこまでウィリアムが悩むことはないだろう。
ミレーヌはジェーンに手伝ってもらって、服を脱いで風呂に入った。
久しぶりにゆっくり湯船に浸かると気持ちがいい。
右脇腹に一筋の赤い傷跡が残っている。
カイエン、ジョルジュ、そして名は伏せられているがウィリアム……。
この三人が消えてから、もう5日も経っているのだ。
「もう……、早く戻って来なよ……」
マールの手紙からすると、どこかの辺境の人がいないような森とかに放り出されたのか……。
三人、どんな状況になっているのだろう……。
カイエンから貰った青い魔石のブレスレットが湯に濡れて光る。
ミレーヌは青い魔石に唇を寄せてキスしながら「カイエンに会いたい」と呟いた。
魔力を流せば、私がレーニアにいることは伝わるかも?
突然、明るい大きな光がミレーヌとジェーンの前に現れ「「「わぁっ!!!」」」と大声をあげながら三人が!!
ジェーンが「ぎゃーーー!!」と大絶叫した。
もつれるように空中から床に落ちるように現れたカイエンが「ミレーヌ! やっと呼んでくれた!」と言いながらミレーヌを見て、慌てた。
ジョルジュの頭をヘッドロックみたいに腕で固めてミレーヌの方に向けなくしてから「ウィリアム、見るな!」と叫んだ。
ミレーヌはジェーンが投げてくれた布を慌てて頭から被る。布が湯船のお湯を吸って、重い……。
コーラスとジョナサンが部屋からバスルームに飛び込んできて、その光景を見て固まった。
ゴードン、ケリー、マリアとシーラとハチまでやって来て……。
マリアは「ウィリアム様!!」とウィリアムに抱きつく。
「マリア!!」
ウィリアムはうれしそうにマリアを抱きしめる。
ゴードンとジョナサンが「は!?」と言い、ウィリアムとマリアの方へ行った。
シーラとケリーは笑いながらカイエンからジョルジュ王子を受け取り、コーラスが「とりあえず、狭いから、みんな出ろ!」とみんなバスルームから出るように促した。
湯船の中のミレーヌをちょこんと見上げていたハチをジェーンが抱き上げ、困った顔をする。
ケリーのジェーンを呼ぶ声が聞こえ、ジェーンはバスルームを出た。
カイエンとミレーヌだけが残された。
カイエンは湯船の中にしゃがみこんでいるミレーヌに声を掛ける。
「ただいま。ミレーヌ!
やっと呼んでくれたんだね。『会いたい』って」
ミレーヌは湯船から飛び出た!
布はすっかり濡れてびしょびしょで重いから湯船の中にするりと残した。
「カイエン! おかえり!」
カイエンが赤くなりながらも、濡れたままの素っ裸のミレーヌをぎゅっと抱きしめてくれた。
「……ちゃんと教えておいた方が良かったかな?」
「何を?」
「いや、まあ……、いいか」
カイエンはミレーヌを抱きしめながら動かない。
「カイエン?」
「その……、俺、目をつぶっているから、早く服着てくれる?
離れたら……、そのミレーヌの裸が……」
ミレーヌが笑って身体を離そうとすると、カイエンが慌てて目を瞑った。
「おかえりなさい! 大好きよ! カイエン!」
ミレーヌは目を瞑ったカイエンに、もう一度抱きついて自分からキスをした。
◇ ◇ ◇ 完 ◇ ◇ ◇
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
今回の作品は長篇前作『転生先で前世の初恋の彼に出会いました。今世はなるべく関わらないようにします。』が未来からスタートして、それに向かって話が進むという構成にしたらラブラブな事を制限されて、イーッてなってたので、最初にタイトル回収しちゃおうという趣旨で書き始めた話でした。
最初は曾祖父母の代の時のことと絡めて……、なんて思っていたら、ミレーヌ達が『最初の魔王』にこだわり出して、オベリウスとレイナとその息子の話まで出て来ちゃいました。正直に言うと、そこまで考えてなかったです。
ちょうどミレーヌとカイエンの話の恋や婚約の話はここがちょうど終わりと感じたので、本編完結とします。
この後、どうなったか。
本編で書いてしまうと説明的にだらだらとなっちゃうと思ったので、この後、後日談として付け加える形にしていきたいと思います。
ジョルジュ王子は王になれそうなのか!?
魔王オベリウスはどうなったのか!?
セシルとシャルルの公爵家のこととか?
そこらへんかな?
あの人はどうなった? 的なことがありましたら、リクエストして下さいませ。考えます。
パテマのコボー、もっと活躍させたかったので、もちっと書きたいし。
最後までお付き合いして頂き、そして読み通して頂き、本当にありがとうございます。
できましたら、評価や感想を頂けたら、とてもうれしいです。
途中で評価を下さった方、ブックマークして下さった方、とても励まされました。
どうもありがとうございました。
どうぞよろしくお願いします!
※後日録を追加していましたが、長くなり、結局、第二部という形に整えることになりました。




