153 友に!
どうぞよろしくお願いします。
「どっちもどっちって……。
それはさすがにひどいんじゃないか!?
私の父は王家に謀殺されたんだぞ!
母を人質に取られて!!」
「ウィリアム!
聞こえているか!
ジョルジュだ!
あの時、ウィリアムにしたことは……、本当に申し訳なかった。
ウィリアムが私の真の友になろうとしてくれていたこと、今更、気づいて……。
ウィリアムは私を殺したいか!?」
ウィリアムの瞳が揺らいだ。
「……! あ、ああっ!
やめろ!」
ウィリアムがふらついてから、また持ち直したようで踏ん張るように立って顔を上げた。
「ウィリアムはジョルジュ王子を殺すつもりはない……」
「そうか。
ジョン王のオベリウスも同じだったのではないか?」
「……そんなことは」
「まあ、私がしたことよりひどいことをされているからな。
でも、彼は愛した人をレイナを生かしてくれればというのが最後の願いだったのだろう。
だから、ジョン王はレイナを処刑せず、辺境に追放としたんだ。
さすがにそこまで自分の手を下すことはできなかった。
たぶん、レイナのお腹に子がいることもわかっていたんだと思う。
そして、そのレイナを炎で焼いたのは、息子であるオベリウスが若気の至りから魔王なんてなったからだろ!」
「でも、元は王家の……」
ウィリアムが少し自信なさげに小さい声になっている。
カイエンはジョルジュを見つめた。
ジョルジュはウィリアムを取り戻そうとしてくれている。
「私を見ろ!
王家の血もお前の血も私の身体にはひとつになり流れている!
私が王になれば、王家に復讐したことにならないか!?」
「王に?」
「ああ、私は王になる。
そして、オベリウスとレイナの名誉を取り戻す。
約束する。王家として」
ウィリアムは笑う。
「ははっ、あなたの口約束だけじゃ……」
「なら、ウィリアムを戻せ、そしてウィリアムとカイエンを私の側近にする!
そうしたら、私は王にかなり近づく。
魔王オベリウスをウィリアムとカイエンの魔法使い兄弟と倒した勇者ジョルジュとして!」
ウィリアムの表情が歪んだ。
「うう、ジョルジュ……王子……」
「ウィリアム! しっかりしろ!
私の側近だろ!
私を助けようとしてくれたように、私もウィリアムを助けたい!」
「ウィリアム、騙されるな……。
王家は裏切る……」
ウィリアムが苦しそうな表情をして……。オベリウスがウィリアムを説得しているような……。
「ウィリアム!
ジョルジュ王子はミュラー子爵家の血を引いてる!」
カイエンの言葉、そしてジョルジュ王子が叫んだ。
「今度こそ間違えない!
ウィリアム、私の友達になってくれ!
戻ってきてくれ!!」
ウィリアムがよろよろしだして、ジョルジュ王子とカイエンは駆け寄り、支えた。
読んで下さり、ありがとうございます。
ジョルジュ、よく頑張った!
後5話で本編は完結となります。
最後までお付き合いいただけたらうれしいです。




