150 復讐の行方
どうぞよろしくお願いします。
「……あなただとされた焼死体は……」
カイエンの言葉にジョルジュがびくっとした。
「ジョルジュ王子?」
その動きに反応して怪訝そうに名を呼ぶカイエン。
「……レイナだ。
母が炎に包まれていた……」
ジョルジュが苦しそうに言った。
カイエンが顔をしかめる。
「ジョルジュ王子もオベリウスの血にすでに反応しているのですね」
「どういうことだ!?
私は、なぜ、ここに?」
カイエンがウィリアム、いや、オベリウスを見た。
「気づいているんだろう、オベリウス。
ここにいるジョルジュ王子が、王家の血を継ぎながら、あなたの血も継いでいることに」
ジョルジュ王子が驚いたように顔を上げた。
「私が!?」
「そうです。
最初の魔王オベリウスは、少年の時に母レイナが身代わりになって、逃がされた。
それで、子孫を残し、大魔法使いとなるまで修行を続けた」
「……ああ、さっき、そんなようなことを言っていた」
ジョルジュは呆然と呟いた。
ウィリアムが笑った。
「ああ、王家が私の子孫に手を出さなければ、何もするつもりはなかったのだが……。
いや、どうかな。
子孫が魔法使いの家系として王国に使えるようになり……。
王子の側近となり、心を病んで自ら死を選ぼうとした時、私は彼の身体を奪った。
彼の復讐と私の復讐と……」
「だから、やられる直前に身体の彼を守るために、強制的に転移させるようになっていたのですね?」
カイエンの言葉にウィリアムは頷く。
「ああ、父と母の命の繋がり……、血を継ぐ子達だからな」
「では、ジョルジュ王子はどうしますか?
王家と、オベリウスと聖女の血を両方継いでいる王子を?」
ウィリアムの表情が歪む。
「憎むべき者と守る者がひとつに……」
「そうです。
王家の中にオベリウスとレイナの血が混じったんですよ。
魔法使いオベリウスは聖女レイナを守るために命を懸けた。
聖女レイナは息子のオーリを守るために命を懸けた。
生き延びたあなたは家族を作り、命を繋いで、そのふたりの血を継ぐ子らを残した……。
そして、とうとう王家にまで届いたんだ。
もういいではないですか!
オベリウスとレイナは王家に打ち勝ったんじゃないでしょうか?」
「打ち勝つ?」
「そうです!
生きて、生き抜いて、次代へ命を繋ぎ、幸せになる!
これがオベリウスとレイナが残したことでしょう!?」
「父と母の……」
「もうやめましょう!
ウィリアムを返して下さい!
バートとジョバンニのように不幸にするつもりですか!?」
「……バートとジョバンニ?
ジョバンニはひとつ前の子だな?
……命は奪ってはいない、逃がした」
「……でも、ジョバンニは魔王として人を殺したことを覚えていて、苦しみ、それを看病していたバートは愛する人から離れて過ごさなくてはならなくなりました。
彼らはあなたによって不幸にされたんです。
あなたによって魔王となった者達も……。
その後は隠れるように潜んで、生を終えている者がほとんどだ!」
読んで下さり、ありがとうございます。
本編完結まで書き終えました!
後7話です!
最後までどうぞよろしくお願いします




