145 治療所
どうぞよろしくお願いします。
クルトとザッシュはコボーに乗り、伝令のような仕事をしていた。
クルトが門の所へ戻ると、ザッシュがミレーヌを抱き抱えるようにコボーに乗ってやって来た。コーラスとマリアが一緒に早足でついて来ている。
コーラスがミレーヌの物らしい防具を持っている。
クルトの背筋がぞわっとした。
ミレーヌが目を閉じていて、防具を外している!?
慌ててコボーに乗ったまま寄ると、ミレーヌの服に右脇腹からの出血で大きなシミができているのが見えた。
「お嬢さん!? どうして?」
「話は後だ。
どこか寝かせられる所へ!
応急手当だけはしたんだが!」
コーラスが言いながら、ザッシュからミレーヌを受け取るように抱き取った。
ザッシュがコボーから下りるとクルトのコボーの手綱をつかみ「クルト、一緒に行ってやってくれ!」と言った。
「ザッシュ! ありがとう!
コーラス! こっちだ!」
クルトの案内で詰所近くの治療所へ運ばれるミレーヌ。
医師やヒーラーがいる場所へ入ると、ヒーラーがマリアとミレーヌを見て驚きの声を上げる。
「ミレーヌ様!? マリア様!」
「ミレーヌが怪我をして! 応急手当はしたんだが!」
コーラスの言葉に医師が空いている奥の部屋のベッドへと案内してくれる。
ミレーヌは顔色は悪いが、意識はしっかりあるようだ。
コーラスとクルトは部屋の外に出されてしまった。
「いったい、何があったんだ!?
傷の位置や防具の傷からすると魔物にやられた傷ではない?」
クルトがコーラスに詰め寄るように聞いた。
「それは……、俺からは言えない」
「カイエンは?
大切なお嬢さんを放って、どこに?」
「ジョー……。ジョルジュ王子を追って行った」
「ジョルジュ王子?
パーティ内で何があったんだ!?」
ドアが開き医師が出てきた。
「……マリア様に治癒魔法を掛けて頂き、傷は治りました。
出血量が多かったようで、しばらく安静に過ごして頂きます。
……剣の傷ですね。ミレーヌ様は混戦の中、味方の剣の到達位置を見誤って、自分で飛び込んでしまったというようなことを話されてましたが……」
コーラスも苦しそうに表情で頷く。
「はい、ありがとうございます」
「同じパーティのカイエン様とジョルジュ王子は、まだ前線でおふたりで残られているのですか?」
「う、まあ、そんなところです」
「それならコーラス様も戻られた方が、マリア様はここでヒーラーをして頂けたらと思います。
どうでしょうか?」
コーラスがほっとしたように頷いた。
「ああ、そうしてもらえると助かる。
ふたりをよろしくお願いします」
読んで下さり、ありがとうございます。




