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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第5章 魔王の正体と倒し方
142/247

142 穏やかな夜

どうぞよろしくお願いします。

 その日の夜、ミレーヌ達のパーティは見張りを免除されて与えられた部屋で過ごしていた。

 屋根があり、窓があるという部屋だ。特に家具があるわけでもないが、外の土の上で毛布にくるまって寝るよりは格段に過ごしやすい。


 明日からモルドバの奪還が始める。

 そのため、攻め込む者達はしっかり休むようにということだ。


「グレイウルフとレッドバブーンが最初の時にはいたよな。

 それにロックイーグルが空からか……。

 他に加わった魔物もいるかもしれない。

 街に入ると建物で見通しが悪くなる。

 パーティで離れないように進もう」


 カイエンの言葉にコーラスとジョルジュが頷く。


「ジョーは魔法もできたよね」


 ミレーヌが言うと、ジョルジュが「炎と土なら」と答えた。


「炎なら魔物も恐れるし、いいと思う。

 街の中の……、がれきというか、石の壁の廃墟みたいな所限定かな。

 そういうところでなら使える。

 土魔法は……、あまり場を荒らすと後が大変になりそうだな?」


「ああ、ただ、足場を崩して、その後戻しておけばいいのでは?」


 コーラスやカイエンがアドバイスすると、真剣な顔でジョルジュが頷く。

 ふたりは少し意外そうに顔を見合わせ、コーラスは首を捻って見せた。

 そして、ミレーヌ達に声を掛ける。


「マリアとミレーヌは、カイエンから離れるなよ!」


 ミレーヌが返事をした。


「前と、シーラがいる時と同じ。

 コーラスとジョルジュは前衛で、後衛がカイエンとマリア。

 私はその時の状況でどちらも動ける感じ」


「わかってる。無理するなよ」


「うん、わかってる。

 ジョーも焦ることがあるかもしれないけれど、みんなと一緒に歩調を合わせてね!」


 ジョルジュは「ああ」と短く返した。


「では、明日に備えて、もう寝よう」


 カイエンは部屋の真ん中に置いた魔道具の灯りを小さくした。

 

「おやすみ」「おやすみなさい」とみんなで言い合って部屋の中で横になる。

 マリアとミレーヌは部屋の奥の隅にふたりで寄り添うように寝た。



 次の日、起きて外へ出ると、夜、グレイウルフの襲撃があった話を聞いた。

 柵がより頑丈に数も増えたおかげで、柵越しに魔法使いや弓手が活躍したとのことだ。


 モルドバの街まで馬車なら30分。歩いたら1時間半というところか。


 騎士達が馬の後ろにミレーヌ達を乗せてくれることになった。

 パテマのクルトとザッシュもコボーに乗って出るという。

 コボーは2頭だけにして、残りの2頭は拠点に残していくそうだ。


 モルドバの街の門の前、20分ぐらいでついてしまい、手前で様子を窺いながら軍が揃うのを待つ。

 その間にロックイーグルが偵察&威嚇してくるので、カイエンが風魔法で近くを飛んでいた2羽を衝突させた。

 それを見て、慌てたように他のロックイーグルは飛び去り、落ちて来てヨロヨロしていた2羽は冒険者達が仕留めた。


 その間に進軍が揃い、モルドバ攻略が始まった。


読んで下さり、ありがとうございます。


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