14 好み
どうぞよろしくお願いします。
「おはようございます!
ビッグポイズンスパイダーが2匹出ました」とカイエンが答えた。
「追い払ったのか!?」
「いえ、2匹とも退治しました」
「それはすごいな!
そんな大立ち回りがあったとは気づかなかったよ!」
「おはようございます。朝食作りますよね! 薪足しますか?」とミレーヌが聞いた。
「いや、ある物で済ませてしまう。
向こうの焚火の始末を始めてくれないか!」
「はい! わかりました!」
ミレーヌはカイエンに前方の警戒を任せ、コーラスとシーラがいる方へ行き、焚火の始末をすることを伝えた。
「カイエンと話せたのか?」
コーラスが聞いた。
頷くミレーヌ。
「今回はまず前衛のカイエンと後方支援のシーラの力を見たかったと聞いて納得できた。
次は私が戦えるといいな」
「……ずいぶん信用してるんだな。
あーいうのが好みなのか?」
「好み?」
「好きな男のタイプってことだよ」
「……人として信用しているか、と、そーいう好みは関係ないんじゃない?」
「どうかな?」
「だって、私、コーラスは好みじゃないけど、信用しているよ」
シーラが吹き出した。
コーラスは驚いている。
「じゃあ、焚火の始末頼むね!
向こうの始末も手伝ってくる!」
ミレーヌが行ってしまうと、シーラは大声で笑った。
「笑うなよ」
コーラスが苦虫を嚙み潰したような表情で言った。
「……今のは、コーラスが悪い。
しつこかったから。
ミレーヌは、たぶん、そこまで自分の好みとか、男の人を好きになるとか、よくわかってないと思う。
コーラスの言葉にやり返しただけだよ。
ただ……、このままじゃやばいかもね」
「何が!?」
「今までのミレーヌに対する態度よ。
幼馴染で、剣のライバルでもあり、それでコーラス、ミレーヌに突っかかってばかりだったじゃない」
「でも、あいつも、楽しそうだったぞ!
お互い何でも言い合えるみたいな……。
それに……、そういう雰囲気というか、その、俺もミレーヌも……、なんかおかしいだろ!?」
「幼馴染だから?」
「ああ、まあ……」
「好きなのに!?」
シーラは大きくため息をついた。
「ミレーヌ、カイエンに取られちゃうわよ」
「なに、あんな軟弱な……」
「そうよね。コーラスより小柄で年下に見えるけど、実力はあるし、このままだとパーティの実質的なリーダーはカイエンになりそうじゃない?
それはそれでいいけど……」
「いいのかっ!?」
「カイエンはミレーヌには好意を隠さないでしっかり伝えているわよ。
素直なミレーヌにはそれが一番伝わると思うけど……」
コーラスがのろのろと焚火の始末を始め、シーラも手伝う。
「今からでも、ミレーヌにしっかり気持ちが伝わるように行動することね!」
「……なあ、シーラはカイエンのこと、どう思うんだ?」
読んで下さり、ありがとうございます。
コーラス、拗れてます。
だめだ、大変にならないように1日投稿と思ったけど、自分自身読み手の立場だと1話じゃ字数が1000字だからか、物足りない……。
できる時は2話投稿にします……。




