139 ロックイーグル
どうぞよろしくお願いします。
「何? 肝っ玉母さんって?」
ジョルジュは首を傾げる。
「アルベルト神官に言われたの。
私は……、ほらさっきの聖女レイナみたいに強いところがあるって。
まあ、母親になると女性は強くなるっていうし……。
それでいくと、私が母親になったら、もっと強くなるのかな!?」
最後の方はちょっとふざけたようにミレーヌが言って、笑う。
ジョルジュは笑わなかった。
ミレーヌは恥ずかしそうな顔をする。
「……ジョー、ここは笑うところだよ」
「ミレーヌは素敵な母親になりそうだな。
辺境伯爵夫人を見ていると……、さらにそう思う」
静かにジョルジュが言うと、ミレーヌはうれしそうに微笑む。
「ええ、お母様はすごいんですよ!
私も母みたいな母親になりたいし、夫を支える妻になりたいです!」
自分の家族を心から微笑んで褒めることができるミレーヌは本当に素敵だと思う。
『王家とは大違いだな……』
ジョルジュは心の中で呟いた。
そろそろ王都からの援軍もレーニアに向かい始めた頃だろう。
エドが来る前に何としても決着をつけなければならない。
ジョルジュはそう決心していた。
『勇者』という名は誰にも渡さない。
夜明けに魔王城を飛び回っていた大型の鳥が拠点の上を偵察と威嚇のように飛び回った。
冒険者のパーティに弓の名人がいて、カイエンと共同で魔法を付与し威力を上げた矢で、一羽射落とした。
カイエンとクルトがコボーに乗って回収に行き、戻ってきて出して見せた。
片翼が伸ばすと1mぐらいある。なので両翼を広げれば2メートル半ぐらいになるだろうか?
「あの魔王城の上を飛んでる鳥……、こんなに大きいんだ!」
ミレーヌの言葉にクルトが言った。
「高い岩山によくいる、ロックイーグルの仲間だろう。
パテマは湿原だから、あまり見かけないが……」
「湿原と高い岩山じゃ環境が違い過ぎますからね。
でも、ここは高い岩山は近くにないはずなのに……。
魔王の影響でしょうか……。
それにしてもいい羽根ですね。強い矢が作れそうだ」
弓の冒険者がロックイーグルを観察しながら言った。
カイエンは羽根を矢を作るのに使えばいいと、仕留めた弓手に一羽丸ごと渡すと言って、冒険者パーティにロックイーグルを渡した。
冒険者パーティの魔法使いが収納魔法持ちで、ロックイーグルを収納した。
「こんな大きな鳥が……、魔王城に近づくと襲ってくるんだね」
ミレーヌが言うとカイエンが頷く。
「ロックイーグルは岩山でウサギや山羊を掴んで落としたりして、仕留めるからね。
人間もしっかり掴まれたら、上空へ連れ去られるかも。
気をつけないと。
空中に打てる稲妻系の魔法がよく効くはずだ」
「なるほど、空中に稲妻の剣もありかな」
「ひとりだと連れ去られる可能性があるが、数人いれば押さえ込めるだろう」
コーラスが言う。
「なるべくひとりでは行動しないことだな」
ジョルジュも頷いて言った。
「そうだね。パーティで行動だけど……」
ミレーヌは馬車の方を見た。
マリアはまだ馬車の中にいる。
同じパーティだけど、マリアは連れて行っても大丈夫だろうか……。
拠点にいてもらった方がいいのかもしれない……。
読んで下さり、ありがとうございます。




