130 コボーの乗り心地
どうぞよろしくお願いします。
ギルド長もモルドバに出てくれることになっているとのこと、留守は副ギルド長が預かるそうだ。
カレンや、前に一緒に戦ったことのあるスニフとブラウンはギルドに残るとのこと。
「お嬢様! 御無事で!
ずっと祈ってます!!」
「カレン、ありがとう。ギルドの方も気をつけて。
魔物の群れがいつもよりは人を襲いやすいというか、活動が活発というか……。
たぶん魔王の存在によるものだと思うけど。スニフ、ブラウンもよろしく頼みます!」
ギルド長や一緒にモルドバへ行く職員やパーティのみんなと城へ向かうことになる。
ジョルジュは乗ってきた馬車の方へ行きかけたが、ふとミレーヌが違う方向にかけていくのを見て驚いた。その先に巨大な馬のような鳥がいたからだ。
「あれは!?」
ジョルジュの声にコーラスが答える。
「パテマのコボーですね。
パテマ、この先のさらに辺境になる街ですが、温泉が有名で。
その地熱と蒸気のせいか、生態系が特殊なんです。
エドワード王子と出会ったのもその街で……、俺達も1カ月ほど滞在していたので、馴染みがあります。
俺も行ってきますね」
コーラスも走って行ってしまった。
すぐ戻ってくるかと思ったふたりだったが、見ていると、なんとコボーに乗り始めた。
ジョルジュはギルド長に出発すると声を掛けられ、ひとりで馬車に乗る。
馬車の窓から見ていると、コボーは縄で組になるように連なって走っている。
4頭なので二組。
先頭にパテマのギルド職員が乗り、後ろの引っ張られている方にそれぞれミレーヌとコーラスが乗っている。
ミレーヌは身体が軽いからか、背で身体が飛び跳ねてしまうようで、いい体勢はないかといろいろ試しているようだ。
コーラスはどっしり乗っていて、なかなかうまく乗りこなしているように見える。
途中でミレーヌの鞍の足の位置を調整して、ミレーヌも安定して乗ることができたようだ。
確かに二本足で力強く走っているので、馬が足場が悪く躊躇するような悪い道でも走れそうではある。
「コボーか、この世界にはまだ知らない魔物がいるのだな」
ジョルジュが呟いて、脳裏にエドが浮かんだ。
図鑑を手に瞳をキラキラさせている少年のエドの姿が。
城に着くとミレーヌはコボーの背から降りた。
最初はどうしたらいいかよくわからず、ずっと足に力を入れて振り落とされないようにしていた……、そのため、足が……ぷるぷるする。
途中で足を引っかける所を調整してもらい、そこまで力を入れなくても身体を安定させることができるようになった。
馬より……、感情が豊かというか、せわしない動きが乗っていて面白い。
鳴き声も様々あり、ミレーヌが乗ったコボーはミレーヌのことが気に入ってくれたようで、降りてからも『ぐふふぐふふ……』と喉の奥で何かを震わせて鳴らすような声を出して、頭をすり寄せてきた。
「ふふふ、なんだかかわいいな」
ミレーヌは笑ってコボーの首を撫でた。
コーラスの方は何だか静かな感じで、コーラスが降りてもじっと見つめている。
ミレーヌが撫でている様子を見て、コーラスもコボーの首に手をやり撫でてみた。
「ありがとな。
また、乗せてもらうことがあるかも。
その時は頼むよ」
コーラスの言葉に頷くように首を上下させるコボー。
ミレーヌとコーラスはコボーを馬小屋の方に預けてから、パテマのギルド職員ふたりと城の中へ入った。
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