126 討伐パーティ
どうぞよろしくお願いします。
コーラスとマリアが図書室にやって来た。
ジョルジュ王子を勇者とし、聖女にミレーヌ、魔法使いにカイエンの討伐パーティを組むことを命じられたと説明すると、ふたりは絶句した。
いち早く立ち直り声を上げたのはコーラスだった。
「……わかった。とりあえずだな。
シーラは今回は参加させない」
その言葉にマリアが反応する。
「私がシーラの代わりに入ります!
お姉様の補佐というか……、ヒーラーの補助はできます!
連れて行って下さい!」
マリアの真剣な様子にカイエンは頷いた。
「ああ、申しわけないが……、ふたりとも頼む。
明日、今ギルドに集まっているギルド職員やパーティが城にきて、騎士団とも話し合い、これからの計画やどのように進軍……するか、決めることになっている。
今は明日に備えて、しっかりと休もう」
「そうだな。
勇者の王子以外は、やっとここまで戻ってきたばかりだもんな」
コーラスが気づいたように言った。
「……それは、嫌味か?」
ジョルジュが噛みつくように言い返す。
「いや、そういう意味じゃ……。
ジョルジュ王子、なんとお呼びすればいいですか?」
コーラスに聞き返されて「は?」とまたケンカ腰で言い返すジョルジュ。
コーラスは苦笑する。
「……俺達はパーティなんですよ。
ミレーヌ、カイエン、マリア、コーラスと普通に名を呼び合う仲間だ。
マリアもこれからはミレーヌと呼ぶんだ、いいね。
敵に姉妹だと気がつかれないことも重要だ」
マリアは頷いた。それを見てコーラスは続ける。
「問題はジョルジュ王子です。
戦いの時、『ジョルジュ王子』は長すぎるし、敬語なんて使ってられない時もある。
なんとお呼びすればいいでしょう?」
ジョルジュはミレーヌを見た。
こんなことでミレーヌをミレーヌと呼ぶことができるようになるとは。
「……では、ジョーと。
ジョーと呼んでくれ。
ミレーヌ、カイエン、コーラス、マリア」
「ジョーですね。
急に短くなったな。
どうぞよろしく」
コーラスがジョルジュと握手して笑った。
明日に備えて各自休んだり、準備したりということになった。
ミレーヌはもう少し本を探すという。
ジョルジュとコーラスは防具の確認に騎士団へ行くと出て行った。
カイエンはマリアに話し掛けた。
「ありがとう、パーティに参加してくれて」
「いえ、私も待っているだけは嫌なんです」
マリアは胸のあたりを押さえ、小さな声で言った。
「ウィリアム様のこともあります。
私は……、ウィリアム様がモルドバにいるような気がして……」
そういえば、ウィリアムのペンダントは……。
マリアが見つけてくれたのだ。
「ウィリアムのペンダントは……、今も君が?」
マリアは頷いた。
「はい、私なら、探し出せるような気がして……。
お母様とお兄様にそう話をして、預からせてもらっています」
「……ありがとう」
カイエンの言葉にマリアはにっこり微笑んだ。
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