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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第5章 魔王の正体と倒し方
125/209

125 しなければならないこと

どうぞよろしくお願いします。

 ミレーヌは図書室まで早足で進みながら考えていた。

 オベリウスが冤罪で殺されたなら?

 正しいことが行われなくて、王が罪を犯したのなら、それに聖女も?

 そもそも大魔法使いを捕らえるのは大変だろうに。

 おとなしく捕らえられて、処刑される?


 図書室に入ると、猛然と歴史や詩の本を探し始める。

 ジョルジュも一緒に探そうと書棚を眺めた。

 さすが辺境伯爵家の蔵書だ。

 有名な歴史書などは揃っている。

 ただ、今回の話は正史には残されていない。

 歴史は歴史でも………。

 その時、奥の方に古書が飾られているのに気がついた。


「あの本は?」


 ジョルジュがミレーヌに声を掛ける。


「あ、そうか!

 あれは古い本だから……」


 ミレーヌがその本に近づいた。


「ひい婆様が集めていた昔の本です。

 この地方の人が、まあ研究者が書いた手記みたいな……」


 ミレーヌが他の古書も取り出して、題名を確認している。


「確か、吟遊詩人の……」


 夢中で本のタイトルを確認しようとしているミレーヌの肩へ、ジョルジュが手を伸ばし掛けた時、図書室のドアが開き、カイエンが入ってきた。


 ミレーㇴはカイエンの姿を見ると「カイエン!」と叫んで駆け寄る。

 ジョルジュはカイエンに暗い嫌な感情を抱いた。

 カイエンがいなかったら……。

 ミレーヌは私を見ていてくれた、だろうか?

 でも、カイエンの存在、力は重要で、今は……。


 カイエンはミレーヌを見ると強張らせていた顔を微笑ませた。


「何か、オベリウスのことでヒントがあったとか?」


「ええ、ジョルジュ王子が詩で、オベリウスと聖女の話を読んだことがあるそう。

 正史では消されたけれど、吟遊詩人や民間伝承の詩には、オベリウスの名が残っていたのかも。

 だから、ここにも何か本が残されていないかと思って」


「そうか……。もっと早くわかっていれば、良かったな……。

 ジョルジュ王子、コーラスとマリアもこちらに来てくれるそうです。

 パーティの結成に向けて話をしなくては!」


 カイエンの言葉にジョルジュは頷いた。

 そうだ、今は魔王オベリウスを、私が、この国の王子である私が倒して……、王となることを考えよう。

 ミレーヌやカイエンのことは、私が力を得さえすれば、何とか、どうともすることができる。

 そうだ、まず、彼らを利用して、魔王オベリウスを倒す。

 それが、今、一番、しなければならないことだ……。


読んで下さり、ありがとうございます。

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