118 モルドバへ
どうぞよろしくお願いします。
「父上!?」「お父様!?」
ジョナサンとミレーヌが同時に叫ぶ。
ケリーが微笑んで頷いた。
「ええ、そうして頂けると……、安心ですわ。
慎重なあなたが一緒なら……。
ゴードン、決して無理はしないでね」
「ああ、わかっているよ。
私のできることをするまでだ。
ミレーヌ、カイエン、コーラス、そしてマリアも力を貸してくれるんだな、ありがとう。
モルドバの街の住民を安全に避難させるために行く。頼んだぞ!」
「「「「はいっ!」」」」
ミレーヌ達は力強く返事をすると立ち上がった。
ジョナサンは城で、ローレウス領に伝令を出し、レーニアの街の防衛に備えるように街の警護団へ知らせを出し、ケリーはギルドへ行き、王都への伝令をギルドの方で出すように頼んだ。同時に各ギルドに魔王との戦いのために腕に覚えのあるパーティはレーニアのギルドに集合するように依頼する。
とりあえず、レイオス辺境伯爵家とギルドからの依頼となるが、連絡がつけば、正式に王国からの依頼となるはず。
ゴードンは久し振りに防具をつけて、辺境伯爵としての勇姿を見せている。
馬に乗るカイエンは後ろのミレーヌに聞いた。
「……父上様は騎士というか、そういう腕は立つ方なのか?」
「うーん、弱いわけではないよ。
ただ、勇者の魔法剣は習得できなかったそう。
それで、勇者と聖女の孫って言われるの嫌だった時期もあるみたいだよ。
ひい爺様は、父にとっては祖父か……、大きな存在で魔王がいつ復活するかわからない、それにまだ前魔王との戦いを覚えている人もたくさんいたからね。なんかいろいろ言われたり、嫌な思いもしたみたいだよ」
「偉大な祖父を持つと……ってとこか」
「うん、父が三代目だもんね。
ほら、三代目っていろいろ言われるじゃん。
それで、もともといろいろ考え過ぎちゃう人で。
母が『あなたはドーンと構えてて!!』っていう感じに。
でも、本当は弱くない。
本人はひい爺様と比べて、弱いと、力不足と思っているけど。
兄様がちょうどいい感じかもね。
父と母と混ぜて割って、それにひい爺様の性格がちょっと出てる。魔法剣も使えるし」
カイエンは少し笑った。
「偉大過ぎる身内がいると、外部からは見えない心労があるということか?」
「……カイエンはバートの再来なんて言われて、天才少年魔法使いとも言われてたけど、ウィリアムはどうだったんだろうね。
バートやカイエンと比べられたり、……カイエンへの妬みをぶつけられたり、嫌味を言われたりしたこともあったかもよ」
「……そうかもな」
カイエン声が急に小さくなる。
ウィリアムのことを思っているのだろう。
ミレーヌはぎゅっと抱きつく腕に力を入れた。
しばらく進むと、住民を率いてこちらに向かってくる警護団の剣士達に出会った。
住民は疲れ切っているし、剣士達も怪我をしている者がいる。
マリアとコーラスと騎士数人はここに残り、治療や炊き出しを行い、まだ押し寄せてくるだろう住民の休憩できる場所を作ることにした。
ゴードンやミレーヌ達はモルドバへ急ぐ。
剣士達の数人が襲われた状況など説明しながらついてきてくれた。
すれ違う住人には、この先に休憩できる場があると励まして送り出す。
読んで下さり、ありがとうございます。
同時連載している『前世と今世と罪と罰』の方の後書きにも書きましたが、まさかのスマホのメールの不調で午後6時過ぎまでログインできずでした……。
まあ、おかげで下書きはざくざく進みましたが、全然、打ち込みできず。
今やっと、ここまで打ち込んだ!!
後1話で第5章になるところです。
明日から仕事……。
申し訳ないですが、5日間ほど、こちらの連載はお休みします。
そのかわりもうひとつの連載している『前世と今世と罪と罰』の方に集中して作業したいと思います。
全然違う現代の恋愛+前世の悲恋絡みの話です。
今は女子高校生がわちゃわちゃしているような話になってますので、興味があればそちらも読んでみてください!
どうか、これからもよろしくお願いします!




