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生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第4章 これからと『過去』
117/198

117 魔王の復活!?

どうぞよろしくお願いします。

「とり……?」


 ジョナサンが訝し気に聞く。


「いえ……、その、絶望に憑りつかれて……、全てをあきらめてしまったのかと……」


 カイエンがなんとか言い訳をしている。

 ミレーヌにもわかった。

 もし、ウィリアムが魔王になってしまっていたら、それを知られたら……。

 ウィリアムが助かったとしても、この国にいられなくなる。

 助ける方法はカイエンが知っているのだ。

 魔王=ウィリアムの身体、かもということは誰にも内緒にしなくてはいけない。


 その時、執務室のドアが慌てたようにノックされ、こちらが返事をする前に開いた。

 疲れ切り、あちこちに怪我をしている様子の伝令を城の騎士が支えている。


「どうしたの?」


 ケリーが叫び、ミレーヌとマリアは弾かれたように伝令に駆け寄った。

 ミレーヌが一番ひどそうな足の怪我を魔法治療し始め、マリアが手を握り疲労を軽減するような魔法を掛け始める。


「あ、ありがとうございます」


 伝令は恐縮したように言った。


「いいから、早く伝令を」


 ミレーヌが手を止めずに労わるように言うと、伝令は頷いて話し始めた。


「はいっ!

 モルドバの街の魔王城の遺跡が……、立ち上がっていると報告があり、様子を見に行った街の警護団は……、魔物の攻撃を受け、犠牲を出し撤退しました。

 魔王城が、復活しています!

 街の住人を避難させています!」


 ケリーとジョナサンがすぐに行動を起こした。ジョナサンが支えていた騎士と代わる。

 手の空いた騎士に指示を出すケリー。


「街の警護団に連絡を!

 避難してくるモルドバの住人を受け入れる態勢を!

 宿や空き家や、一時的にしのげる広い場所の整備を!

 騎士団は中庭にテントを張りなさい。

 ギルドにも連絡を!」


 ケリーの言葉に騎士が慌てて執務室を飛び出し、メイド長と執事が数人の使用人と入室してくる。


「城の入り口付近の部屋を使えるように致します」とメイド長。

「庭にテントも張りましょう」と執事が言った。


「ええ、お願い。 

 そして、そこからさらにローレウス領にも避難できるように、手配して頂戴」


 伝令を執事や使用人達が休める部屋へ声を掛け、一緒に出て行った。

 ジョナサンがゴードンとケリーを見て言う。


「私は騎士団を率いてモルドバに向かいます。

 とりあえず逃げてくる住人を保護しなくては!」


「ええ、でもジョナサン。決して魔王城には近づかぬこと。

 モルドバの街には入らず、逃げてきた者達を保護しなさい!」


「でも、それでは……」


「今はこれ以上戦力を失うことはなりません!

 ジョルジュ王子の件で、騎士の数人を伝令に出してしまっています。

 本当に魔王オベリウスが復活したというのなら、歴史に残されているように、この後に何か要求があるはずです。

 それまでに王都に連絡もしなくてはっ!

 ああ、こんなことになるなら、ラルフに無理やり王子をつけてやるのだったわ!」


 ケリーは考え込みながら小さく叫んだ。


「俺もジョナサンと行きます!」


 カイエンが叫び。ミレーヌが「私も!」と言う。

 コーラスが「俺もだな」と笑うと、マリアも言った。


「私も連れて行ってください!

 ヒーラーとしてなら働けます!」


「ジョナサン! 

 お前はこの城に残り、指揮を取れ。

 モルドバには私が行こう」


 ずっと黙っていて、存在感がなかったゴードンが静かな声で言った。

 その声は場違いなように部屋に響いて……。


読んで下さり、ありがとうございます。

父、頑張れ!

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