115 報告の行方
どうぞよろしくお願いします。
「ん? 今通って行ったの、ラルフじゃなかった?」
ミレーヌが休憩している広場の横を駆けていった馬と騎士を見送りつつ言った。
もうすぐレーニアの街に着くところ、最後の休憩場でのことだった。
「ん? ラルフ……、確かに防具の色がそうかな。
ウィルが見つかったのかな?」
「見つかったのなら、みんなで、ジョルジュ王子も一緒な気がするけど」
「うん、ウィルが……。まあ報告にってとこか!」
「まあ、ボリスとマークの方が先に着くと思うけど。
ふたりだから、夜も移動しようと思えばできるし」
「そうだな。
では、行くか!」
「はい!」
馬の上でミレーヌが言った。
「前に、カイエンがグレイウルフ討伐の時に仲間の居場所とか様子とかわかってたけど、あれでウィリアムを探せないの?
遠いからダメとか?」
「……あれは、ちゃんと相手の了承を得て、魔法で認知できる印を一時的に付けるというか。
終われば解除する」
「そっか、ずっと見られているっていうのは……。
ん?
でも、私はこのブレスレットで探したい時に探せるんだよね?」
「そう、ミレーヌは。
その石で探したり……、することができる……」
「私から助けを求めることもできるんだっけ?
ウィリアムにも付けてもらってればよかったね」
「それは……」
カイエンが言葉に詰まる。
ミレーヌには伝えていないが、これはバートが作り上げた家宝、いや国宝級の魔道具で、魔王城の強制転移魔法を参考にしたものなのだ。
今のところ、この世界には唯一無二。
あまりに貴重な物で強い効力があるとわかれば、さすがにミレーヌに引かれてしまうかもと思いつつ、詳しいことは伝えていない。
ミレーヌがカイエンの様子を見て呟いた。
「うん……?
けっこう特別な物なのかな?
私に、それを持たせてくれたんだ、ありがとう」
「うん……、ウィルは大丈夫だと思うんだ。
昔のアルレディオ王子って理不尽な暴君だったという記録が正式な歴史書に残っているくらいでさ。
今のエドワード王子もジョルジュ王子も、そこまでじゃないだろ?」
「それは……、確かに」
ミレーヌも王国の歴史とマールの手紙の『荒れた気性』という言葉を思い出して苦笑した。
レーニアに入り、城へ入ると、ケリーとコーラスが迎えてくれた。
「カイエン! まだウィリアムは見つかっていない!」
コーラスがカイエンが聞くより先に伝えた。
「来る途中、ラルフとすれ違った気がしたんだが……」
カイエンの言葉にケリーが答える。
「ええ、王都の王家へ報告に、ですって。
レンダート家まではボリスが出ているけれど、すぐにマークがついて、王都への連絡は止まってしまうかもね」
「大丈夫!
私達、ボリスに追いついたの!
一緒に行くつもりで出発しようとしてたら、マークが来て。
カイエンがボリスとマークのふたりにそのままレンダートの領地まで知らせるようにって。
王都のレンダート伯爵家、ミュラー子爵家、それにエドワード王子に連絡する様に手紙も書いてくれたから!」
ミレーヌの報告ににっこりというか、ニヤリと笑うケリー。
「それなら、ラルフが後からいろいろ都合のいい報告をしても、そう思い通りにはいかなそうね!」
読んで下さり、ありがとうございます。
新年、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします!
予定していなかった挨拶に急遽伺うことになり……。
今、帰宅しました。投稿が遅くなり、申し訳ありません。




