表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれつきの婚約者がいるなんて聞いてない!?  作者: 月迎 百
第2章 パーティ『暁の勇者』
11/55

11 受け入れた?

どうぞよろしくお願いします。

 作業を終えたミレーヌがカイエンに話しかける。


「ニードルラビットとホーンボアは倒したことがある。

 ビッグポイズンスパイダーは夜行性だから、今まで出会ったことないや」


「野営時に大きめの焚火をふたつ作るようにしよう。

 薪を多めに集めとかないとな……」


 カイエンの言葉にミレーヌは頷いた。


「馬車があるなら、商人は馬車で寝るのかな?」


 ミレーヌの呟きにギルド長が答える。


「いやー、それはわからんな。荷の量で事情は変わるだろうが……。

 今回は3人で2台だしな。その可能性はあるな」



 コーラスとシーラが戻って来て、出発することになる。

 ギルド長とカレンが見送ってくれたのだが、商人達が「なんだ?」と怪訝そうだ。


「ギルド長は私の親の友人なんです」


 ミレーヌがそう伝えると「なんだ、ギルド長の友人の娘さんだから心配してるんだね」と商人の一番年上の男性が笑った。

 辺境伯爵とは思わなかったようだ。なんとなくミレーヌの父親はベテランの冒険者なのだろうと想像したらしい。


 一日目の夜から野営になった。

 馬車を道の近くへ前後に並べるように停め、馬車の斜め前後に焚火を作ることにする。


 馬が見える前の方の焚火を商人達に使ってもらうことにして、後ろの焚火を使って夕食を作り始める。

 シーラが収納から鍋と根菜とすでに切られているベーコンを出した。

 ミレーヌが根菜を切っている間にシーラがベーコンを炒め始める。

 切った根菜を投入。炒めてから水を入れ、塩コショウで味を調える。

 これでスープとパンの夕食だ。


「うん、おいしい!」


 カイエンがにっこり微笑んだ。


「簡単なものだけど、こうして外でみんなで食べるとおいしいよね!」


 ミレーヌもにっこりした。


 コーラスが3人の商人にスープを差し入れに行き、戻って来た。


「3人は後方の馬車の中で寝るそうだ。

 ミレーヌ、前の方の焚火に移動しよう」


 カイエンが「私が一緒に行く」と立ち上がりかけるがコーラスがそれを制した。


「交代にしよう。

 俺が最初、ミレーヌとあっちに行く。

 その間、カイエンはシーラを休ませてやってくれ」


 カイエンが頷いたので、コーラスとミレーヌは前の焚火へ移動した。

 馬も馬車から解き放たれ、杭に縄を繋がれてはいるが、自由にしていて、座って寝る様子だ。


 焚火の近くで馬や少し離れた道や藪を警戒しながらコーラスがぼそぼそ話し掛けてきた。


「カイエンは天才魔法少年っていう噂だったよな。

 冒険者ランクもBスタートだし。

 ということは魔法使いのランクはもっと上ってことだよな」


「そうだね。そうだと思う」


「だから、婚約を受け入れた?」


「えっ? 受け入れたというか……。

 もう決まってたみたいな……」


「でも最初は、断ろうとしてたろ?」


「ああ、まあ。

 私と婚約してても、デメリットしかないかと」


「……カイエンが?」


「ううん、カイエンにとって。

 私の方が……、貴族令嬢ってものから外れてるしね」


「うん、それはその通り」


「あー、コーラスから見てもそうだよねー。

 でもね、カイエンはそれでも私がいいって言ってくれたから……。

 私のことを知ろうとしてくれて、私を無理に変えないようにしてくれてる。

 だから、私も彼のことを知ろうと思った」


「えーと……、それはカイエンのことを?」


「うん? 一応婚約者としての意識はしてるし、お互いに知り合っている……というとこかな?」


読んで下さり、ありがとうございます。

温泉、楽しみ。

でも1週間かかるのか~。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ