107 夜の出来事
どうぞよろしくお願いします。
ジョナサンとシーラとコーラスは、辺境伯爵家から追うように出てきた伝令と同時にローレウス伯爵家の屋敷に夜、到着した。
「いったい、どういうことなんだ!?」
追いかけてきた伝令から、ジョルジュ王子とラルフが全てをウィリアムのせいにして、不敬のこと、謹慎のことはなかったことにして欲しいと申し入れてきたことを聞いた。
さらに、ウィリアムが行方不明らしい……。
「何が起きているか、よくわからないな」
コーラスが唸り、シーラが心配そうに言った。
「マリア、ひとりで大丈夫かしら」
「母上もいるし、騎士団もいる」
ジョナサンの言葉にコーラスが苦笑する。
「おいおい、辺境伯爵殿も入れてやれよ」
ジョナサンはにこっと笑ってから「シーラ。君はここに残って」と言った。
コーラスがその言葉によっこらしょとばかりに立ち上がる。
「すぐ戻るか?」
「ああ、しかし、明日の朝まで休もう。
馬も疲れているだろう」
「馬より俺らの方が……?
ん、馬の方が駆けているから?」
コーラスとジョナサンの言葉にシーラは笑いそうになるが、頷いた。
「今日はゆっくりお休みになって下さい。
ミレーヌの方にも伝令が出ていると思いますが、追い付くのは明日以降になるでしょうし……」
「ローレウス伯爵とロドリゴが王都に行っているのは……、残念だな」
そうなのだ、コーラスとシーラの父と兄はジョナサンとシーラの婚約書類を届けに王都に行ってくれている。
「カイエンとミレーヌの結婚の書類はどうするかな。
持ち帰るのも……」
ジョナサンの言葉にシーラが手を出す。
「私がお預かりします。
まだレイオス家にはどんなトラブルが降りかかるかわからないもの」
シーラの言葉にジョナサンが頷き、カバンから書類袋を取り出すと「では、愛しの婚約者殿にお預けします」と恭しく渡した。
大きなギルドがある街まで走ったカイエンとミレーヌは、ギルドで宿の情報を得て、お薦めの宿に向かう。
なんとそこの食堂でボリスを見かけた!
「え? ボリス? レンダート伯爵家への、伝令!?」
「と、ミレーヌ様にカイエン様!?
すぐ出られたのですね?」
ボリスは驚いて言った。
伝令としては追いつかれたというのは……。
しかし、ボリスとしてもそこまで遅いわけではない。
話をして、明日の朝、一緒に出ることにして、部屋に入る。
「あ、あの、手紙読みたいだろ?
俺、1時間ほど、ボリスの部屋に行ってくる」
カイエンが気を遣って、ミレーヌを部屋にひとりにしてくれようとしている。
慌てたようにカイエンが出て行き、ミレーヌは苦笑した。
「別に内緒じゃないんだろうし……」
そう言いつつ、あれ? と思う。
もしかして、カイエンは、バートから聞いていて、私に言ってないことがあるのではないか?
だから、気を遣っているのか!?
魔王城の遺跡についての時に、なんだか話を濁された気もする。王子の側近とかの話の時に……。
考えてもわからない。
手紙を読んだ方が早い。
ミレーヌは心を落ち着けると収納魔法からマールの手紙を取り出し、封を開けた。
読んで下さり、ありがとうございます。
次はちょっと特別でマールからの手紙の文面となります。




