100 気をつけることは……
どうぞよろしくお願いします。
騎士がジョルジュ王子の乗る王家の馬車を護衛しつつ、カイエンとミレーヌを辺境伯爵家の城に送ってくれる。ふたりは騎士の馬の後ろに乗せてもらうことにした。王家の馬車に乗ることもできたが、そんな気持ちにはなれなかったのだ。
一応、ミレーヌの服が血で少し汚れているからそちらの馬車に乗るのは遠慮するという理由もつけられたし。
馬車の中でジョルジュの機嫌がとても悪い。
狩りをしてみたいと言ったのに、何もできなかった。
ミレーヌを助けることも、颯爽と魔物を倒すことも。
冒険者ランクは最低ランクのEのまま……。
そんなことばかり思い出してしまい、苦虫を噛み潰したような表情をしている。そんなジョルジュに護衛騎士のラルフが言った。
「ジョルジュ王子、先ほどカイエン様が王子の手を払う不敬を働いた件はどうなさいますか?
コーラス殿、ジョナサン殿も一緒に責めを負われるとは言ってましたが……」
城に戻るとケリーが迎えてくれた。ミレーヌが報告する。
「マリアとシーラとジョナサンとコーラスとウィリアム様はマゼルに寄ってから帰るそう!」
「あら? そう」
微笑みつつも何か探るような顔でミレーヌを見たケリーは王子達を自室の方へ促していく。
「お疲れ様でした! ゆっくりなさって下さい」
ジョルジュ達が言葉少なに部屋へ行ってしまうと「何があったの?」とミレーヌに聞いてくるケリー。
「兄様が帰ってきたら話すと思うけど、私の知ってことはざっと話すね」
カイエンとミレーヌはケリーの部屋に行き、今日あったことを話した。
もちろん、カイエンとミレーヌがいた時以外のことは話せないが、カイエンの口から、ミレーヌを探しに行こうとした時にジョルジュ王子が執拗に理不尽なことを言って絡んできたことを聞いて、ケリーとミレーヌは表情を曇らせた。
「……それは気をつけた方がいいわね。
ゴードンにも伝えておくわ。
それにしても……、グレイウルフ7頭と渡り合うとは、さすが暁の勇者の曾孫ね!」
ケリーがミレーヌを叱るでもなく褒めてくれる。
「いえ……、今回は私が安全と危険を完全に見誤った。
カイエンが助けに来てくれなかったら、本当に危なかったと思います。力を過信せず、修行を続けます」
ケリーは笑った。
「ミレーヌ、あなた何を目指しているんだっけ?
冒険者よね!
このまま修行を続けたら、本当に勇者になってしまいそうだわ!」
「勇者か……。
ひい爺様は……。うん、ひい爺様に似ていると言われるのはうれしいし」
「そこは聖女じゃないのね」
「うん、ひい婆様のことも好きだけどさ。
マリアの方がひい婆様に似ている気がするよ」
「うーん、どうかしらね。
さあ、あなた達も着替えてのんびりしたら?」
「はい! カイエン!
着替え終わったら、私の部屋に来る?
「ああ、伺わせてもらうよ」
カイエンがケリーを気にしつつそう返事をした。ケリーは微笑みでそれを了承したようだ。
読んで下さり、ありがとうございます。
ああ、年末の仕事で事務仕事が思ったよりあり、やっと終わった!
投稿遅くなりすみません!
明日はお休みで朝から小説書けるのがとてもうれしい……。
でも、息子が冬休みでリビング占領しとります……。
もう、家事はちゃっちゃと終わらせて、自分の時間を楽しむぞ!




