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【休載告知】

平素より当作品をご愛読いただき、誠にありがとうございます。


このたび、作者自身の創作活動ならびに今後の執筆方針を総合的に見直した結果、『ソレア ―小さな店に流れるポース―』および『七度目の人生は農民でした』に全力で向き合うため、現在連載中の当作品を一時休載とさせていただく決断に至りました。


まず初めに、日頃より更新を楽しみに待ってくださっている読者の皆様に対し、このようなご報告となってしまいましたことを、心よりお詫び申し上げます。


連載という形式は、単に物語を継続的に公開するだけでは成立しません。更新を待つ時間、感想を送ってくださる熱意、考察を共有してくださる言葉、それらすべてが積み重なることで、一つの作品世界が成立していくものだと考えております。ゆえに、本来であれば安定した更新頻度を維持し、物語を最後まで責任を持って届けることこそが、作者として果たすべき最低限の責務であると認識しております。


しかしながら、ここ数か月、自身の創作環境と精神的状況に大きな変化が生じておりました。


特に『ソレア ―小さな店に流れるポース―』につきましては、当初構想していた以上に作品世界の奥行きが広がり続けております。「小さな店」という閉鎖的空間に流れる空気感、そこへ訪れる人々が抱える微細な感情の揺らぎ、言葉にされない沈黙の温度、それらを丁寧に描こうとすればするほど、単純な筆の速度だけでは追いつかない領域へと踏み込んでいる感覚があります。


また、「ポース」という概念そのものについても、単なる名称ではなく、作品全体を貫く思想的支柱として再定義する必要性を感じております。感情、記憶、時間、人間関係の残滓がどのように空間へ滞留し、他者へ伝播していくのか。その抽象性を物語として成立させるためには、現在の自分にはなお時間と試行錯誤が必要であると判断いたしました。


一方で、『七度目の人生は農民でした』につきましても、当初は比較的軽快な転生譚として構想していた部分がありました。しかし執筆を進めるにつれ、「農民として生きる」という行為そのものの重みを、安易な娯楽性だけで消費してはいけないという思いが次第に強くなっていきました。


土地を耕すということ。季節と共に生活を営むということ。共同体の中で労働し、蓄え、分配し、時に飢えと隣り合わせで生きるということ。それらは現代的価値観だけで描き切れるものではなく、歴史的背景や社会構造への理解を伴わなければ、どうしても表面的な描写に留まってしまいます。


そのため現在、農業史、灌漑技術、封建制度、流通経済、村落共同体の成立構造など、多方面にわたる資料調査を並行して行っております。しかし当然ながら、それらの調査時間は執筆速度そのものへ大きく影響を及ぼしており、結果として他作品との両立が極めて困難な状況となっております。


さらに率直に申し上げるならば、近頃の自身は「書く」という行為に対して過剰なまでの自己検証を行う状態へ陥っております。


一文を書くたびに、その語彙選択は適切か、この比喩は作品世界を壊していないか、登場人物の心理遷移に飛躍は存在しないか、情景描写が独善的になっていないか――そうした思考が絶え間なく反復され、以前のように純粋な衝動のみで筆を進めることが難しくなっております。


もちろん、それは創作者として必要な過程である側面もあるのでしょう。しかし現状、その検証作業は創作の推進力を高めるどころか、むしろ筆を停止させる方向へ作用してしまっています。


自分が本当に書きたいものは何なのか。


物語を通じて描こうとしているものは何なのか。


読者へ届けたい感情とは何なのか。


そうした根源的な問いに対し、改めて向き合う必要性を強く感じております。


中途半端な状態で更新を続けることも不可能ではありません。しかし、それによって作品そのものの密度が薄まり、「更新すること」自体が目的化してしまうことを、自分は何より恐れています。


物語とは本来、作者の都合だけで成立するものではありません。読者が時間を割き、感情を動かし、続きを待つという行為によって初めて完成へ近づいていくものです。だからこそ、惰性的な更新によって期待を消費するような真似だけはしたくありませんでした。


今回の休載は、決して創作を放棄するためのものではありません。


むしろ逆です。


『ソレア ―小さな店に流れるポース―』と『七度目の人生は農民でした』という二作品へ、今まで以上に真正面から向き合うための時間であり、自身の創作そのものを再構築するための期間だと考えております。


現在はプロットの全面的再編、設定資料の整理、既存エピソードの再読、伏線構造の見直しなどを進めております。特にキャラクター同士の関係性については、表面的な掛け合いだけではなく、「なぜその人物がそこに存在しているのか」という根幹部分まで掘り下げ直しております。


また、文章表現についても、単に読みやすさだけを優先するのではなく、作品ごとの空気感や呼吸感をより精密に調整したいと考えております。


『ソレア』には静かな余韻を。


『七度目の人生は農民でした』には土と生活の重みを。


それぞれ異なる温度を持たせた作品として完成させたいという思いが、日に日に強くなっています。


休載期間につきましては現時点では未定です。


曖昧な表現となってしまい大変恐縮ですが、無理に再開時期を定めた結果、再び不安定な更新へ陥ることこそ避けたいと考えております。そのため、まずは自身が納得できる形まで創作環境を整えた上で、改めて皆様の前へ戻ってきたいと思っております。


長きにわたり応援してくださっている皆様。


感想や考察を送ってくださった皆様。


静かに更新を待ち続けてくださっている皆様。


そのすべての存在が、自分にとって大きな支えとなっております。


創作というものは、ときに「書き続けること」以上に、「書けない時間とどう向き合うか」が試される営みなのかもしれません。


今はまだ未熟で、不器用で、立ち止まることしかできない部分もあります。それでも、必ず再び物語の続きを届けられるよう、自分なりに前へ進み続けたいと思っております。


どうか、再びお会いできるその日まで。


今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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