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駆け出しラノベ作家の俺は冒険しながらラノベを書きたい  作者: なんてことない普通のバカ
異世界転移。
3/3

【第2話】俺、当分現実世界に帰れなくなる

「うわぁ・・・まずいな」

「本当に異世界転移してしまうとは。」

まさか本当に異世界転移できるとは思っていなかった俺。

まず言語は通じるのだろうか?

「あのぉ、すみません」

「はい、なんでしょうか」

通じる!

よかったぁ。

「ここってどこですか?」

「エルメディアス星ですが・・・?」

やはり、俺がいるところは異世界らしい。

異世界にいるってことは、俺の想像だとやっぱり近くにパートナーがいるはずだ・・・が・・・。

いない。1人もいない・・・

「俺の仲間はどこにいるんだぁぁぁーーー!!!」と叫んでいると頭のおかしいやつだと思われたのか周りからの鋭い視線を感じる。「ママーー!あの人怖いね…」 「そうね怖いわね」「あなたはあんなふうになってはいけないわよ」「何あの人、キモッ」周りからの声が聞こえる。

俺はこの世界でものけものにされるのだろうか…

(これじゃあ現実世界と変わらないじゃないかーーーー!)

俺の人生とはそういうものなのだ。

気を取り直して、名誉を取り戻すためにも早く冒険者らしい生活を始めなければ…

まずは、冒険者ギルドに行かなければいけないな・・・

俺は冒険者ギルドに行くため冒険者ギルドの場所を尋ねる。

「あのぉ、冒険者ギル・・・」

俺は話しかけたことを後悔した。なぜならそいつは、やばそうなやつであったからだ。

「あぁん?今気分悪りぃんだよ」

・・・まずい。 こういうやつには関わらないこと。これが異世界に来たばっかりのやつの心得である。俺がこっそりその場から離れようとしたときだった。

俺の行動が気に触れたのかやばそうな男が言う。

「おい、お前ちょっと面かせや」

俺はもちろん断る。

「い…嫌です…」

しかし俺に拒否権はなかったようだ。俺の言葉に聞く耳も持たず、そのまま服の襟を掴まれて人通りがない裏道に連れ込まれる。

「ドスッ…ボコ…」

やばいやつらは俺を散々な目に合わせたあと俺のカバンを漁る。

俺は言う。

「や…やめてください。」

そこに入っていたのは…俺の日記であった。

やばそうなやつは言う。

「なんか、面白そうなものがあるぜ!!」

「見てみるか」

「えーと、、、『俺はイケメンでこの世界の主人公になるだろう。その時俺は全世界から褒め称えられる最強の存在になる…』なんだこれ。 普通に可哀想な人間だ。」

俺はこの世界に来て可哀想な人間というレッテルを貼られたらしい。

しかも、よりによってこいつらみたいなやばいやつに…。(お前たちの方が可哀想だよ!と言いたいがここは我慢しておいた。)

やばそうなやつは言う。

「ごめん普通に可哀想になってきた…これからの人生頑張って生きろよ…。」

こんなやばそうなやつに憐れみの目で見られるとは…。

最悪だ…。

相手は俺のことを憐れに思い、自分たちのアジトに帰って行った。

しかしあいつらに憐れに思われる前に数十発殴り込まれた俺は重症であった。

そこにある1人の女性が通りかかる。

女性は俺に手を差し伸べる。

「大変!傷の手当てをしなければ…」

俺は迷惑をかけるわけにはいかないと思い言う。

「いやいや全然っ…大丈夫っすよ」

でも女性が言う。

「とても大丈夫には見えませんよ。」

そうして俺は女性に傷の手当てをしてもらった。

俺は異世界転移生活初日から他人に迷惑をかけてしまった他、可哀想な人間というレッテルを貼られてしまった…。このイメージを最強な冒険者になって克服しなければ…。

どこにあるんだろう。冒険者ギルドは…。

女性に手当てを受け傷がマシになった頃。

女性は俺が道に迷っていることに気づいたらしく俺に問いかける。

俺はなんて親切なんだ…と思った。

「どうしたのですか? 道に迷っているのでしたら道案内できますよ?」

(俺が女性と話すのって何年ぶりだろうか…)

俺は自分が震えているのを感じ取った。

「ぼぼ…冒険者ギルドってどこですか?」

(さすが現実では隠キャの俺、まさか異世界でも隠キャが顔を覗かせてしまうとは…)

女性は顔を曇らせて言う。

「冒険者になるのですか………辞めておいた方がいいと思いますよ…特にあなたみたいな人は…。」

俺は自分の見た目から冒険者になれないと女性に言われたのではないかと思い、腹を立てた。

「俺は冒険者に絶対になるつもりだ。この意見は何があっても変わらない…」

女性は言う。

「…分かりました。どうしてもと言うなら止めません。でも気をつけてくださいね…。」

何を気をつけろと言うのだろう?

この時、俺はその意味がわからなかった。

俺は女性に質問する。

「魔物に殺されるとか言う危険か?」

「それなら俺は全然平気だぜ!」

女性は答える。

「それもそうですけど………。まぁ冒険者ギルドに行ってみれば分かると思います。」

教えてくれよと俺は思ったが、なんだかここでそれを聞いてしまったら俺のことだから冒険者ギルドに行けなくなるのではないだろうかと思いこれ以上女性にそれを聞くのはやめた。

「まぁとりあえず案内してくれよ。」

「はい、冒険者ギルドは・・・ついてきてください」

こうして俺は女性に連れられなんとか冒険者ギルドにつくことができた。

俺は冒険者登録をするのにお金が必要だと思い財布の中を確認した。

すると日本円とは違う見たことのないデザインの紙幣が入っていた。

どうやらこの紙幣がこの世界のお金らしい。

そしてこのお金の単位は「エリク」と言うらしい。

紙幣には1000という文字が印刷されていた。

この世界にきて最初から持っている俺の所持金は1000エリクか…。

1000エリクにはどのような価値があるのだろう…。

冒険者ギルドの建物の外に小さな屋台のようなものがあったのでそこで1000エリクの価値を確かめてみることにする。

もちろん日本円はこの世界では使えない。

「この飲み物ください」

店員は言った。

「お値段500エリクとなります。」

俺は驚く。

「この飲み物が500エリクですか!?」

店員は不思議そうに言う。

「あなたはなんで驚いているのですか? はい、500エリクですよ。」

俺はこの飲み物が高級品なのかと思い店員に聞く。

「この飲み物は高級品か何かですか?」

店員は何を言っているのか分からないと言うような顔で答える。

「普通のジュースですが?」

「天然水ならもう少し安い300エリクですよ。」

「天然水にしますか?」

俺はとても貧乏であることを自覚して店員さんの誘いを丁寧に断った。(なんで俺はこんなについてないんだ…)

「いえ、結構です。」

「1000エリクなんてちょっと使ったら消えてしまうじゃないかよ!」と俺は心の中で言う。

俺は少し苛立っていた。

なぜなら、俺が持ってる全財産はジュース2本でなくなってしまうというからだ。

俺は「別にお金なんていらないし!自給自足の生活をすればいいんだ!」と開き直った。

俺は気を取り直して冒険者登録を済ませに行く。

そして、ここに来て初めて先ほどの女性が言っていた「でも気をつけて下さいね」という言葉の意味が分かった。

ここには俺に怪我を負わせたようなやばそうな男たちが集まっていた。

殴り合いをするやつ(ほぼ殺し合い)や犯罪らしき行為も行われていた。血の匂いが鼻をさす。

俺は思う。こいつら本当にとんでもない奴らだ。

そしてこの世界の治安の悪さを知った。

関わらないことが身のためだと判断した俺は面倒ごとに絡まれる前に一刻も早く出ようと思った。

たぶんあと数発殴られれば命の心配をしなければいけなくなる。

「早めに冒険者登録を終わらせないとな…」

受付の係の人が俺を呼ぶ。

「次の方。」

受付の人は傷だらけで包帯を巻いている俺に驚かずに冷静に業務対応する。

俺は思う。それはそうだと。殺し合いがされてるくらいだから傷だらけの人が多いのは当たり前なのか…。

だからこんなに冷静に俺みたいな人に対応ができるんだ。しかしこんな世界でも感心できることが後にでてくる。

受付の人がぼーっと突っ立ていた俺のことを不機嫌そうに口調を強めて呼ぶ。

「次の方ーーー!!!」

「は…はい。」

「名前は高野 練太です。」

「はい。高野練太さんですね」

「このチップを指につけてください」

次の瞬間、指の方を見るとチップが指の中に溶けていった。

「!!!」

「指をダブルタップで視界に文字が浮かびます」

「右上に出ている数字が経験値です。魔物を倒した時に増えていきます」

「この数で冒険者協会からエリクが経験値に適した分、報酬としてもらうことができます。」

「へぇ、この世界にもこんな先進的で画期的なものがあるんだなぁ・・・」

VRゴーグルもつけていないのに視界に文字が浮かび上がる点では現代より技術は発達しているのかもしれない。

俺が感心していると、受付の人が話しかける。

「あの・・・大丈夫ですか?」

まずい。完全にこの技術に気を取られていた…

「あ・・!はい大丈夫です!」

受付の人が言うことを聞いておかないと後々後悔する。ここはしっかり聞いておこう。

「これで冒険者登録の手続きは終わりましたのであとはごゆっくりお過ごしください」

「ある程度エリクが貯まるまではこちらの冒険者ギルドのホテルにお泊りください」

俺は質問する。

「歩いて行けばいいのか?」

受付の人が答える。

「この機械に乗ってください。ホテルまで連れて行ってくれます。」

その機会に運転手はいなかった。機械が完全自動で運転してくれるらしい。

建物や世界観は完璧な異世界なのに、なぜか無駄に技術だけはすごい。

俺はまた感心した。

「ホテルに泊めてくれるんだ優しいな。」

俺はホテルへと向かうため機械に乗り込む。

ホテルへと向かっているはずなのだが、なにか周りの様子がおかしい。

人通りは少なくなりほぼ0になった他、廃屋のようなものも増えてきた。

俺が違和感を感じているとホテルへと到着…。

「げ・・・・」

「なんだこれ・・・」

これがホテルか? 廃墟じゃなくて?

もしかしてこの機械が場所を間違えたか?

そう思い俺はもう一度、渡された地図を見る。

いや、あってる。

場所はあっていたようだ。

(大丈夫だ落ち着け俺。今日から1ヶ月ちょっとくらいここに泊まることになるんだぞ。そういう変わった外装にしているだけかもしれない。きっとそうだ!)自分に言い聞かせた。

そう、俺は部屋の中が綺麗であることを祈るしかなかった。

「今日から1ヶ月お世話になりますっ!!」


「ギィィィ・・・」


その部屋の光景は外観と全く同じ予想通りなものであった。

「汚ねぇな!」

「俺この部屋で本当に1ヶ月過ごすことになるのか?」

「冗談じゃねぇよ!」

「なんで異世界まで来てこんなところで寝泊まりしないといけないんだよ!」

(もしかして、これラノベで時々あるついてない主人公ってやつか?)

「こんなことなら家で寝泊まりする方がいい!」

俺は唱える。

「レインカーネーションメギストン!」

謎の声が耳元で囁く…

「あなたは冒険の実績値が0ですので家に帰ることはできません。自由に現実世界に帰れるようになるためには100万ポイントが必要です。」

「は…?」

俺はこの時後悔した。この世界に来たことを…。

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