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回想(光)

高校時代を振り返る光。

仲良しが欲しかったな・・・そう少しだけ思うのだった。

  ◇ ◇ 回想(光) ◇ ◇


 今日もまた絡まれた。こういうのがイヤだから放課後はできるだけ早く教室を抜けているのに。

でも日直の今日はそうもいかなかった。

黒板を消し、窓の施錠を確認し、カーテンを整え、教室の中を見回して空きっぱなしになっているロッカーを閉めようとしたら、中身がこぼれてきた。

まったくもう・・・

それを仕舞い蓋をする。


それ以外は特に変わったところが無い事を確認し、さて日誌でも書こうかとしている所に彼女たち3人はやってきたのだった。


 私が日直だと分かっていて、まだやることがあると知っていて誘ってくるクラスメイト。これって絶対わざとだよね?

そこには本質的に私と仲良くなりたい、なんて気持ちはさらさらない事は当の私が一番よく知っている。


 誘っておいて、断ったら『付き合いの悪い子』と言いたいに決まっているのだ。それに、どうせまたこの間みたいに下心いっぱいの男子に言われて誘いに来てるんだろう。


カラオケボックス、あそこだけは本当に勘弁してほしい。


『女子が足りないから誰か声かけてよ』とか言われて彼女たちが誘おうとするのは、毒にも薬にもならない子、私みたいなのがぴったりなのだ。ところが、男子は男子で、よくしゃべる女子より喋ったことのない子と喋りたがったりするものだからタチが悪い。どう転んでも私の方へは『負の感情』しか持ちようがないじゃない。


 ちょっと前、同じように家の用事で早く帰りたかった日があった。

そう言って断った。次の日は朝からそれはもうブーイングの嵐で、なんでそこまで言われなくちゃならないんだろう、と思いながらも次の日埋め合わせをすると言う事で矛を収めて貰った。


 明日は何て言われるんだろう、イヤだな・・・そう思っていると・・・


『後、僕がやっとくから、イイよ』


そう、一緒の日直をやっている彼が言ってくれた。

彼女たちと遊びに行くのも嫌だけど、明日嫌味を言われるのはもっと嫌だ。そう思った私は、彼の申し出を有難く受けることにしたのだった。


 この白峯広斗君、結構よく図書室に来る男子だ。何を読んでるんだろう?と、ちょっとだけ気になって見ていると、どうやら推理物が好みらしい。丁度春休みに家族で温泉に行っていたところが、有名小説家が良く逗留していたところらしく、関連グッズがたくさん置いてあった。

お土産というのは足りなくて困る事はあっても、多くて困る事はない。たしかまだ余っていたなと思い当たった私は、彼の好みに合うかどうかは分からないけど、余らせたままというのももったいないと彼にあげることにした。


 2年になり、4月からたまたま横になった彼の筆入れを見た私はとてもびっくりした。

だって、そこには去年私があげたキーホルダーが。

メッキは剥げかなり使い込まれているのが見て取れた。

 あれからずっと・・・?

女子からのプレゼントってあんなのでもそんなに大事にしてくれるの?


まぁ、まさか何の取柄もない、大して綺麗でもない私が好きとかそんな事は無いはずだ。


うぬぼれ厳禁、身の破滅。



 そして忘れもしない4月7日。

その日も、終業直後の教室から人知れず脱出する事に成功して、図書室で読書にふけっていた。仲の良い友達がいないのは寂しいな、とは思うけど波風たたないのが何よりだ。


 ほんの1,2ページ読み進めたところで、今日も彼が入ってきた。

そっか、昨日図書委員が先生と一緒に新しく寄付された本を整理してたっけ。


 思った通り、新しく入荷した棚の方で本を探し始める彼。

男子にしては・・・と言うと失礼かな?

なんだかいい匂いがした。



 そして、

 彼が歩きだしたその瞬間の恐怖は今でも忘れられない。


超巨大地震の発生。

・・・今になって思えば時空振とかだったんだろう。


手足の糸が切れたマリオネットのように、ただ床に倒れ伏し、眩暈の100倍くらいの速さでぐるぐる回る頭に、気も狂いそうになった。

いや、多分あの時点では狂っていたと思う。


『柴杏さん! 柴杏さん!!』


そんな中で隣にいる彼の私を呼ぶ声が聞こえた。

ちょっと!

こんな状況で自分より私!?!?!


そう思ったところで意識は闇に飲まれた。


  ◇ ◇ ◇ ◇


 気づくとそこはただの森の中。

すぐ横では彼が私を見下ろし、優しく微笑んでいた。


 こんな私が彼に惚れてしまうのは当然だっただろう。


ファンタジーは好きでよく読みます。

異世界物大好きです。


ただ、描きたいものが上手く書けない・・・皆さん凄いな。

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