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フェニックス?

この世界に来て、初めて海へと出かける一家。

そこで思わぬことに遭遇し・・・。

  ◇ ◇ 平穏な日々・・・? ◇ ◇


「よし、畑の様子も見たし、準備は万端。」

「じゃ、行きましょっか。」

「 「 はーい! 」 」


 今日は、家族みんなで釣りに出かけることにした。

海はここから南東へ約20キロほど行ったところにあるそうだ。

魔法が使える今、歩いて行っても小1時間ほどだが、せっかくなので『車』を出してもらうことにした。


 この国では、少し離れた場所へ素材取りに行くとか、用事がある場合によく利用される乗り物がある。それが『魔動車』だ。

 来た時にも説明されたが、5属性のうち火魔法使いが圧倒的に多くほぼ半数に上るという。

 先の経験から、幼少期に複数の魔法を使えても、一番使用率の高い火魔法が残りやすいのだろうと考えられた。そして魔動車の原動力は火魔法が主だった。

 今は、この子たちも学校へ行っているから、そこで私たちの魔法の使い方を伝えてくれれば、複数属性を失わずにそのまま伸ばして行けるはずだ。


「それじゃ、トスカーナ湾までですね。忘れ物はないですか?」

「はい、おねがいします。」


 私たちを乗せた魔動車は静かに走り出す。

こんな厳しい世界の中で申し訳ないと思いつつも、観光がてらという部分がどうしてもぬぐえない。だから、速度も落としてもらっている。

 およそ時速30㎞程だろうか。

景色を眺めながらの旅にはちょうど良い。


 道は土魔法によりきれいに整備された一面の石。

はっきり言って、あちらのアスファルトとは趣が段違いだ。


上空には鳥もちらほら見えるが、魔物らしきものは見あたらない。


『今日はたくさん釣って帰って、ご近所様にお振舞いしたいね』

などとあちらでも未経験の釣りに4人とも想いを馳せる。


・・・


 トスカーナ湾に着くと、港も綺麗に整備され、自由に使って良いらしい船も20隻ほど置いてあった。


「どうする?」

「海、久しぶりだから、岸からの釣りがいいかな。」


 という事で私たちは岸から釣りをすることにして、4人並んで糸を垂らす。


 生態系というのは、次元が違っても本当に似通ってくるものらしく、エサにするのは小さなカニっぽい奴、エビっぽいヤツだったし、上から見下ろす限り、魚の形もそんなに大差ない。

 ルアーも作っては来たのだけど、生エサの方が何となく釣り感がある。


 釣りの経験など無かったから、なかなかうまくいかないだろうなという予想とは裏腹に、4人ともポンポン魚を釣り上げた。


 お昼、浜で焚火を起して釣りたての魚を塩焼きにする。


「おいしい!」

「おうちでたべるより、ずっとおいしいね!」

「うん。魚の種類が違うの?ママ?」


「種類も違うけど、とれたてだからおいしいのよ。」

「へ~、そうなんだ。

 じゃぁ、もっといっぱい釣って捕れたてをみんなに持って行ってあげないとね。」


「ええ。そうね。がんばりましょう。」


・・・


 やがて、日も傾きかけた頃、沖合から一隻の小舟がこちらへ向かって来る。


「こんにちは。釣れましたか?」

「あ~、今日は。

 誰かと思えば、若賢者様方じゃないか。

 言ってくれればおすそ分けしたのに。」


「いえ、街の方からはいつも頂いてばかりで。

 今日は皆さんに恩返しするためにもたくさん釣って帰りますよ!」


「そろそろ日暮れだから、あまり無理はしないようにな。

 私らは、のんびり歩いて帰るから。」


「ええ。ありがとうございます。

 私たちは車をお願いしてあるので、もう少し頑張っていきます。」


 4人の漁師さんに手を振って見送り、再び釣り糸を垂れる。


・・・


「広斗、あれ、なにかしら・・・?」


光にそう言われて、視線を向けると、なんだか靄のような固まりが目に入った。


「虫・・・かな? 鳥にしては小さそうだし。」

「なんだか気になる。漁師さんとかいないよね?」


そこではたと思い当たる!


「襲われてる?!」

「行ってみよう!」


小舟を一艘下ろして、4人で乗り込み、靄の掛かっている方へと急ぐ。


「あっ!やっぱり!」


そこには4人の漁師さんを乗せた小舟が一艘浮かんでおり、防御魔法で魔物を防いでいるのが遠目にも分かった。

彼らに群がっていたのは虫ではなく、ハチドリほどの大きさの鳥の魔物だった。だが、数が尋常じゃない。


「2万5千匹くらいか・・・」

「持ってきた網でドバっと倒しちゃおう!」


 光はそう言うと鞄から網を取り出して準備を始める。


「行くよっ!」


 私達の放った網は広がりながらその魔物の群れを覆い、そして収束する。


「ヤッ!」


 その網に魔力を込めると魔物の大群は小さな魔石へと変わった。


「大丈夫ですかっ!」

「ああっ! ありがとう、助かったよ!

 もう・・・ダメかと思った・・・。」


見たところだいぶ疲れてはいるようだが、外傷もなく無事のようだった。


「間に合って良かったです。さぁ、また群がって来る前に岸に帰りましょう。」


 遠くに目をやると、また靄のようなものがこちらへ向かってきている。

ただ、その数が多すぎる。今の倍以上はいそうだ。


漁師さんたちを先に岸に向かわせて、私達も船を進めつつ後ろを注視していると、なんだか大型の魔物らしきものがそのハチドリの群れに突っ込むのが見え、その群れが割れて拡散する。

どうやらハチドリを捕食しているようだ。


その隙に岸へ向かう私達だったが、その大きな魔物は向きを変えこちらへ飛んでくる。

どうやら、対象をハチドリから私達へと変えたようだ。

鞄からダガーを30本ほど取り出して、錬成し槍を創り出して構える。


こちらに迫ってきた魔物は翼を広げた長さが10mはあろうかという巨大な鳥の魔物、嘴も爪も鋭そうだ。

と、分析しているところに、ヤツは大きく口を開けて、こちらへ何かを吐き出す。


「魔力弾!!」


それを見て取り、光が防壁を張り、同時に私がヤツへ向けて槍を射出する。

相当に強そうな相手だ、生半可の速度では通るまい。

そう考えて射出はレールガン方式を採用した。


ヤツの魔力弾は光の防壁で弾かれ、私の投げた槍はヤツを貫通する。


『グギャァーー、ガァーー・・』


断末魔を上げ水面に落ちるが、魔石へとなり変わらない。

やがて奴は光り輝くと、その形を大きく変えた。

これは・・・覚醒・・・?


・・・それにしては・・・小さい。


変化したそれはそのままそこにプカプカと浮かんでいる。


覚醒体であるならば、倒しておかないと厄介なことになる。

そう考えて、船をヤツのいる方へと進めると・・・


『キュゥ・・』


なんだかとても小さくてフワフワのモコモコになってしまったあの怪鳥は、クルリとした可愛らしい目で、私達を、いや私を見つめた。


「あれ・・・敵・・・?」

「覚醒体・・・だよね?」

「 「 カワイイ!! 」 」


そう、怪鳥はとんでもなく可愛らしい魔物になっていた。

ただ、魔力ははっきり感じる。

さっきよりだいぶ弱まってはいるが、それでもSクラスの魔力は十分ありそうだ。


パチャパチャと羽をぱたつかせながら、こちらへ近寄って来る雛。雛?


「どうしよう・・・」


まさしく、どうしよう・・・だ。

いくら強い魔力を持つ魔物でも、まさか敵意が無い相手を殺すのは忍びない。

しかも死ぬほど可愛らしい。


私はそうっと手を差し伸べて、アヒルくらいの大きさになってしまった雛を掬い上げる。


『キュィ・・・キュゥ・・・』


刷り込みなのだろうか・・・完全に懐かれてしまった。



  ◇ ◇ フェニックス? ◇ ◇


 結局その可愛らしく覚醒してしまった魔物の雛(?)を放置することはできず、そのまま街まで連れて帰ってきた。

 どうやら、触れている間ほんの僅かずつ私から魔力を吸収しているのが分かる。ただ、その量が自然回復以下の微弱なものなので害意からとはとても思えなかった。

 さすがにこの雛を連れて門を入る事は出来ないと、いったん外で待機をして光が役所の人に知らせに行くこととなった。


 (倒せ・・・そう言われても困るよな・・・。)


そんな風にこの雛の事を考えていると、すぐに役所の人が来てくれた。


「コイツかい?」

「ええ、そうなんです、どうしたらいいかと思いまして。」


光に連れられてやってきたルードさんは顎に手を当てて思案顔だ。

くちばしに噛ませた検査紙は淡い水色、敵意なし。


「んー、動物じゃなくて、ホントに魔物か?

 この検査紙が全く反応しない・・・というか、赤子のような反応なんだよな。」


ルードさんによれば、人・あるいは獣人の子供が小さいうちは大抵決まってこの色なのだという。そののち、環境によって白っぽくも黒っぽくもなっていくのだそうだ。対して、魔物はどんなに発生直後であっても、成体であっても皆真っ黒になるという。


「間違いなく魔力を感じますし、10mほどの怪鳥の魔物が覚醒した姿なんです。」


「ちょっと俺じゃ判断できん。上の人を連れて来るから、待っててもらっていいか?」


「すみません、お手数おかけして。」


・・・


街に戻ったと思ったルードさんは、程なくして門を抜けこちらへ歩いてくる。その後ろにはハルミントン公ご夫妻と、エリナちゃんが。


「やぁ、みなさん。丁度散歩に出ていたらルードが慌てているようだったのでね、話を聞いて出て来たよ。」


「お手数をかけてすみません。

 今日は家族みんなで釣りに行ってたんですが、ひょんなことからこの雛を連れてきてしまって、どうしたものかと。」


「ふーむ。これで覚醒体・・・か。見た事のない魔物だな。

 それに・・・かなりの魔力。S2、いやS3クラスはありそうだな。」

「はい。でも、全く害意は感じないし、検査紙も水色でした。

 街には入れませんが、ここで数日様子を見てもいいでしょうか?」


「ふむ。広斗がそうしたいというのなら私がこの件を預かろう。

 それに強い魔物とはいえ、いたいけな雛を殺すのはいかにも忍びない。」


「ありがとうございます。決して街に迷惑はかけませんので。」


・・・


「カワイイ・・・。」

そう言って雛を撫でるエリナちゃん。

「お名前はなんていうのかしら?」


なまえ・・・?

そうか、何にも考えてなかったな。


「まだこんなにちっちゃいけど、この瞳とか、目の上の触覚?みたいな飾り羽?とか、ちょっと色味は違うけど、フェニックスっぽい。」

「ママ、ふぇにっくすって?」


「ママたちの世界の物語に登場する、幻の生き物でね、火の中から甦るのよ。」


「うわぁ、フェニックスちゃん?」


『クルル・・・クルル・・・。』


子供3人にかわるがわる撫でられ、いつの間にか名前もフェニックスになってしまった雛はたいそう喜んでいるみたいに見えた。


「あ。私ご飯の支度してくるね。」


・・・


 結局その日は外でご飯を食べ、簡易的に作った小屋で一家四人と2匹、丸まって眠ることにした。この子を恐れるかと思ったウサネコのミーコは怖がるどころか、ただひたすらスリスリと擦りついていた。動物の本能からなのか、大きな魔力があっても敵意の無いものには無頓着らしい。


・・・

   ・・・やがて夜は明け・・・。


頬にあたるモフりとした感触で目が覚めた。


(おぉ、一晩でかなりデカくなったな。)


一晩で大きく成長したすぐ横のフェニーをよしよしと撫でてやる。


(パパ、パパ・・・)


うん?

・・・どっちだろう?

そう思い響と雅に目をやるが二人ともまだ夢の世界から帰還を果たしていないようだ。


(パパ、パパ・・・)


うん?・・・?フェニー?


『クルル・・・クルル・・・』

(パパ・・・パパ・・・)


驚いた!

喋れるのか!


クルルクルルとのどを鳴らすその姿が可愛らしくて、撫でつけてやる。

すると、目を細めてさらにクルクルと気持ちよさそうに甘えてくる。


(腹減らないか?)


(オナカ・・・スイタ・・・)


だよなぁ。昨日から私の魔力を少し啜ってるくらいだものなぁ。

さて、何を食べるのだろう?

鞄から、金、銀、鉄、石炭、水晶、翡翠・・・そう言ったものを取り出して並べてみる。


何故か分からないが、玉を好むのじゃないか・・・そう思ったのだ。


フェニーはそれらに嘴を近づけると、迷わず石炭を咥えて美味しそうに飲み下した。


石炭?炭素が好きなのか?

そう思って今度は、大きめの石炭を取り出して、ダイヤを錬成する。


ほら・・・


すると、またパクリと咥えて飲み下す。


(オイシイ・・・オナカ・・・イッパイ・・・)


一晩で体長が1mあまりに成長したその姿で、ほんの2個の石を飲んでおなかいっぱいだとは、なんと低燃費な。


・・・


 やがて、家族3人と1匹も目を覚まし、光は朝食の準備に取り掛かる。


すると、明け方にもかかわらず、街の方からアルさんと見たことのない小柄な女性がこちらへ向かって来る。


「おはよう、アルさん。」

「あぁ。おはよう。昨日はちょっと忙しくてね、見に来れなかったんだ。

 それで、今朝一番にと歩いていたら、すぐそこで大賢者様とばったり会ってね。」


「お初ね、私はアイシス。見てくれはこんなだけど、結構おばさんよ。」


「初めまして、この間からこの国にお世話になっている、白峰広斗、妻の柴杏光、子供の響と雅です。」


「えぇ。聞いてるわ。

 ごめんなさい、いろいろやることがあるものだから、あまり時間が無いの。

 その子ね。」


「ええ。10m程もある大きな鳥の魔物を倒したら、この姿で覚醒したんですが、何か分かりますか?」


「ちょっとこの本に、その時の魔物を念写してもらえる?」


 そう言って、一冊の本を渡された。

ページをめくると、様々な魔物が載っている。

ペラペラめくり、真っ白なページまで来る。

ここに当時の様子を思い浮かべると、念写になるのだろう。


 真っ白なページにそっと手を置き、あの時の様子を思い浮かべる。


・・・すると、そこにあの怪鳥が写し出された。


「見たことが無いわね。大きさは・・・10mほど。

 強さは、S4か、S5程はありそうね。

 それから・・・この子は・・・」


そういって、フェニーの頭に手を乗せてよしよしと撫でる。


「不思議ね。魔物なのに魔物らしくない。

 まだ幼鳥の域だけど、それでも随分強い魔力。

 それから・・・

 ・・・あなたから魔力が流れているわね。わずかだけれど。」


「えぇ。自然回復分以下なので、問題はないと思いますが。」


「ふぅん・・・こんな子は初めてね。

 とても珍しいわ。」


「それから、この子喋れるんです。」


「みたいね。私も少し話した。

 あなたを父親だと思っているようね。」


「どうでしょうか?」


「良いんじゃないかしら。

 一応成獣するまではここにいて。

 それで何ともなければ街に入れましょう。」


「はい、ありがとうございました。

 忙しいところ、すみません。」


「それと、君たち。

 私が聞いていた情報と少し違うわ。

 思うところはあったのでしょうけれど、申告は正しくして。」


「はい、すみません。登録しなおしておきます。」


「それじゃ、アル、私は忙しいから後の事はお願いね。」


 それだけ言うと、大賢者様は街に戻ってゆき、アルさんも少しだけ話した後、国に伝えてくれると戻っていった。

 


・・・


 今日はそれから、大忙しの一日となった。

街の人たちが、入れ代わり立ち代わり様子を見に来てくれたのだ。


ある人は、『朱雀様に違いない』といい、

ある人は、『これをどうぞ』とお供え物(?)を持ってきてくれた。


驚いたことに、怖がる人は全くない。


むしろ、魔物たちの方がこの子を警戒してこの付近からすっかり姿を消していた。


・・・


 それからさらに二日。

立派に成獣したこの子は、見事な姿で街の人を驚かせた。

長く綺麗な飾り羽。

黄金色を基調としつつ、綺麗にグラデーションが掛かった体。

瞳は青く愛らしい中にも精悍さがある。


なぜ成獣したと私が思ったのか・・・それには一つの根拠があった。


昨日の晩まで、たしかにこの子に魔力を少しずつ吸われている実感があったのだが、今朝起きると反対にこの子から魔力が流れ込んできている。それはごくわずかではあったが、一人前になった証なのだろう。


(フェニー、今日は少し飛んでみるか?)

(うん。パパと飛ぶ)


 そう言ってはくれたのだが、全長2mほどのこの体で私を乗せるのはちょっと大変ではないだろうか?そう思った瞬間・・・


(ワタシ、大きくなれるよ?)

(パパが乗っても平気か?)

(もちろん、ママとキョーダイも乗れるよ。)


 フェニーはそう言うと、ぐんぐん大きくなり、やがて元のサイズ・・・と言えばいいのか両翼を広げると10m程のそれは見事な姿になった。


「まぁ、こんなにおっきく・・・」

「今日は4人を乗せて飛んでくれるって。」


「えっ? えっ? フェニーに乗れるの?」


 ・・・


「うわぁーーー、すごーーい!」

「これが、この国?」

「上から見ると、とてもきれいなところなのね。」


 瞬く間に地上数百メートルへ羽ばたいたフェニーの上から、この国、この地球を見下ろす。

 北東には黄竜が住むという聖なる山。

 西には、自由主義国家だというエレンシーが見える。


(なぁ、フェニー、南東へ飛んでくれるか?)

(うん。)


 この子が産まれたかもしれない南東の海上。

そこには何があるのか・・・。


・・・


 やがて、眼下にそれほど大きくはない島が見えてきた。

直径にして20キロほどだろうか・・・ほぼ円形をしている。


(フェニーはあの島の方から飛んで来たんだよ?覚えはある?)

(うーん、前の私は悪い私だったからよく覚えていないの)


 悪い私・・・それはいったい?


(俺がお前を一度やっつけた事は覚えてるか?)

(私をじゃないよ。悪い私をやっつけて私を解放してくれたの。)


なるほど。そういう覚醒もあるのか。


・・・


 一家4人とフェニーと、その島に降り立ってみる。

上から見た通り、魔物の気配はなく、小動物がいるだけのようだ。

文明らしきものがあった形跡もない。


 ただ、島には一つの洞窟があり、その奥には何かの巣のようなものがあった。


   何枚かの鳥の羽。

   割れた卵の殻。


 やはりこの子はここで巣立ったのかもしれないな。


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