表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第七章  『導く者の居ない世界へ』
198/200

7  結婚式

 7  結婚式

 

 

 カーーンカーーンカーーン

 

 アヤト君とルナが、ヴァージンロードをゆっくりと歩いて来た。

 

 式場は手作り感が満載で、屋根も無く、椅子とテーブルはかろうじてあったけれども、とてもじゃ無いけど豪華なものとは言えなかった。でも、みんなの二人を祝いたいという気持ちに溢れた、とても心地の良いチャペル風の造りになっていた。

 

 五十人の招待客で埋め尽くされ、抽選に漏れた者も居たのだが、壁も、あって無い様なものだったので、みんな外で見守っている。精霊もウジャウジャ居て、立ち見しており、精霊を全員リンク状態にした神を恨んだ。だってこれ、デパートのバーゲンセールくらい密度あんだよ。

 

 そして、本当に招待されたのか? トキオやザリガニは酒に呑まれ、誰も笑わない野次を飛ばし続けている。マジでさぁ? 親御さんとか居ない世界で良かったよ。正気に戻りなよさっさと!

 

 様々な料理やお酒がバイキング形式で置かれ、外の人達の方にも用意されていて、これは、結婚式って言うより宴って言った方が近いなとは思った。でも、何かそういうのも良いじゃん? ワンピースみたいでさ! 大きな戦いが終わった後はやっぱり、肉食って酒呑んで騒いでるのが見てて気持ち良いもん!

 

 招待された者達が、前に出て宴会芸の様なものをしたり、時には感動的なスピーチをしたりした。全カットするけど。

 

 なんやかんやで式は進んでいき、ザリガニのスピーチの番になった。

 

「メミ? あんた本当に良いの?」

 

 右隣に居たナキが話し掛けて来た。いや、ねぇ? あんたのパートナーのスピーチの番なんだよ? あんたこそ聞かなくて本当に良いの?

 

「なんの事?」

 

 本当は何回か聞かれてたので、なんの事かくらい分かってはいた。

 

「アヤトと、会って話す事……」

 

「ナキも断ったんじゃん?」

 

 ザリガニと対面する事を、ナキは辞退していた。

 

「あたしは良いんだよ。でも、メミは、アヤトに会って、話しをした方が良いと思う」

 

「なんで? ってか神忙しかったみたいでさ、私も考える時間欲しかったけど、即決しないと駄目だって言われて断っちゃったからどっちみちもう無理なんだよ。無理な事なのにそうやって言われると、辛いからさ? その話しはもうやめて」

 

「なんかさ? 無理って言葉聞いても、いまいちピンと来なくなってるわ。どうせメミは、そんなの関係ねぇってなっちゃうんだもん」

 

 私は小島よしおか? ナキとは多分現世で生きてた世代が違うから、そういう意味で言ったんじゃ無い事は分かってるけど、その世代の私からすると、それはもう小島よしおなんだよ。

 

「みぃも、ナキチと同じ気持ちだな」

 

「ミーヤ……」

 

 左隣に居たミーヤが言った。

 

「ナキチ? メミチは大丈夫。どうせ、その締め切りが終わった後でも、自分がそうしたいって思えばルールなんか無視して、そんなの関係ねぇって、自分の意見押し通しちゃうんですから!」

 

 だから私は小島よしおかって‼︎ そんな、ルールなんか関係ねぇ‼︎ そんなの関係ねぇみたいな暴君と思われてんの私⁉︎

 

「あっ、ザリチのスピーチ終わりそうです」

 

 ザリチのスピーチ一言も聞いて無いんだけど⁉︎ しかもその言い方、ザリガニのスピーチ終わるから式に集中しないと的な感じじゃない⁉︎ ザリガニのスピーチ聞く価値無しのレッテル貼られてない⁉︎ 一応アヤト君と一番はじめから行動してた訳だし、私はスピーチ聞きたかったんだけど⁉︎

 

「あれ? 何でちょいちょいみんな泣いてんの?」

 

 ナキほらぁ‼︎ まぁまぁ良い事言ったんだって‼︎ ユーチューブじゃ無いんだから後でアーカイブで見直したり出来ないんだからね‼︎

 

 結婚式もいよいよ大詰め。誓いのキスの場面になり、みんなが固唾を呑んで二人を見守る。神父役のカイトが、二人に質問をする。

 

「ルナ。君は、アヤトに永遠の愛を誓うのかい?」

 

 友達? いや、友達だろうけどさ、神父そんな言い回しなの? こういう時って、誓いますか? みたいに聞くのが定型文じゃないの? まぁそういう時代で生きてたのかな?

 

「誓います」

 

 ルナが応えた。

 

「何処で、永遠の愛だと思ったのかな?」

 

 聞くのかそれ? 誓いますで終わりじゃ無いのか⁉︎

 

「……洞窟の中で、初めてアヤトと出逢いました。ルナには、心を許した人に、クエストのクリアと、それを伝えるという呪縛を与えられていました。ルナは、暗い洞窟の中で生きて来た記憶しか無くて、対面する人は全て、ルナを倒そうと、殺そうと、刃を向けて来る人しかいなかった。誰も、信じられ無かった。ルナの話しを聞いてくれる人は、居なかった。誰かに心を許すなんて、無理だと思った。諦めた筈だったんだ‼︎ なのに……アヤトは、ルナとの対話を求めた。ルナの手を取って、外の世界へ引き摺り出した‼︎ うれし……嬉しかった‼︎ あ…………アヤト? ルナに、外の世界を見せてくれて、ありがとう。仲間と見る、夜空の美しさを教えてくれて、ありがとう……」

 

 うぅぅ……良かった……アヤト君が、神の施した鬼畜な縛りを解いてくれたんだね?

 

「る、ルナ……」

 

 初耳だったか⁉︎ そりゃ泣くわ! 良いよ泣け泣け‼︎

 

「この世界って多分、作り話なんですよ。きっと、永遠に続かない物語なんだ。でも、その中で、アヤトと出逢って、恋をして、ルナの事を、大切にしてくれた感謝の気持ちは忘れない。忘れられませんから!」

 

 ルナは、この世界の理に気付いているのかもしれない。勿論、アヤト君はそんな事には気付かない。

 

「アヤト? き……君の想いは?」

 

 カイトもだいぶやられてるな? 涙声になってるよ? アヤト君、ちゃんと応えてあげて?

 

「僕は……ルナの事を放っておけない。好きなんだ。何て言ったら良いのか、分からない。相応しい言葉が、見つからない」

 

「良いじゃないか? 好きだって言い切れる事が、ぼくには凄く尊く感じるよ」

 

 カイト……そんなに会話に参加して来る神父いる? でも、ありがとう。

 

「この場を借りて、みんなに言いたい。僕は、本当に、傍に居てくれた人達に感謝しか無い! お礼を、言わせて欲しい」

 

 今誓いのキスの場面だよね? そんなダラダラ喋るの? まぁいっか。

 

「まず、トキオ……」

 

「いやいいぜ! お前の事だから一人一人超長くなんだろ⁉︎」

 

 トキオが空気を読んで言ってくれた。

 

「そんな⁉︎ 僕は、感謝してるんだ! 伝えたいんだよ! トキオや、ルイや、マモルや、ユキナや、リッカや、ゴロウや——」

 

「お前それ一人ずつ言ってくつもりかよ‼︎ いいから元々のパーティーメンバーだけにしとけ‼︎ こっちはもう酔い潰れる寸前なんだよ‼︎」

 

「そんな……感謝を、伝えたいんだよ……」

 

「そりゃお前逃げたいだけだろ⁉︎ 伝えたいんならまた、一人一人と会う時間作って話せば良いだろ? それが恥ずいとかで逃げてんだよ! 式終わった後に、ちゃんと一人一人と会って話せば良いだろぉが?」

 

 トキオは酩酊していたけど、グッジョブだったよ!

 

「わ、分かった。じゃあ、元々のパーティーメンバーにだけ……」

 

「楽しみだなぁ」

 

 カイトが言った。

 

「カイト? 君は、初めて会った時から僕の事を肯定してくれていたよね? 最初はそれを、苦しく感じたんだ。僕は、誰かから好かれる人間じゃ無いと思うから。きっといつか、愛想を尽かされると思っていた。でも、いつでも、僕の意見を尊重してくれた。君のおかげで、僕は自分の意見に自信が持てた! ありがとう。でも一度だけ、否定した時があったよね? 君を蘇生した時、その経緯を知って、君は初めて僕を否定した。僕はその時、君の事を尊敬した。何故なら、君は少しも自分の利の為に動いていなかったから。自分が生き返る事よりも、パーティーの、仲間との目的を一番に考えていた。素直に、凄いと思ったんだ」

 

 まぁまぁ長いな? それ全員にお届けするつもりだったの?

 

「ぼくは、ずっとアヤトに導かれてたんだ。ぼくは、自分の利の為に動いていたよ? その当時は、ルイの事が許せなかったからそう言ったんだ。今は違うからね⁉︎ ルイごめんよ? ……いつの間にか、ぼくにとって一番大切なものが、アヤトになっていた。ルイがいなくなった後、アヤトが死んで、ぼくの心は壊れた。ぼくにとっての利は、アヤトが生きている事だったんだ。ぼくは、自分の利の為に行動しているよ? 尊敬される人間なんかじゃ無い」

 

「他人の事が一番な人が、自分の利の為に行動してるって、おかしな話しだね」

 

「そうかも、しれないね?」

 

「カイトは、本当に優しくて——」

 

「あぁもうぼくの話しはいいよ! お腹いっぱいだよ。リーダーは?」

 

 良かった。放っておくといつまでも喋り続けそうだからな。アヤト君コミュ症のくせに、こういう時いつまでも喋り続けるからな。

 

「ザリガニは、僕に初めて歩み寄って来てくれた人だ。さっき、ザリガニのスピーチでも言っていたけど、出逢いは最悪だった。嫌な奴だと思ったから、自分の悪い部分も素直に出せた。でも、知っていく内に、良い奴だなって感じた。その時には、自分の悪い所も見せれて、それを知った上で信頼出来る、仲間だって思えた。ザリガニになら、偽る事の無い自分の意見を言える。そういう人が、傍に居てくれて嬉しかった。なんだかんだ言いながら、いつでも僕の意見を尊重してくれるんだ。ザリガニ? 僕を、仲間に誘ってくれてありがとう。君が居たから、傍に居てくれたから、僕はこんなに沢山の人達と絆を作っていけたんだよ」

 

「アヤト……うぅ、うぃぃぃぃぃっ」

 

 なんじゃその泣き声? 酔うと泣き上戸になるのか? でも、そりゃ泣くわって思ったよ! 泣いて良いんだよ! 今日はそういう日だ!

 

「ルナ?」

 

「えっ? さっきのでルナのやつは終わりだと思ってました! なんですなんです⁉︎ 何かあります?」

 

「ルナには……ルナとの思い出は、語り尽くせない程あるな。どの場面の事を言っていいのか分からない。だから、これから少しずつ、丁寧に伝えていきたい。そして、誓いたいんだ。僕は、君への感謝を全て伝えたい。君を好きだという想いを、ちゃんと伝えたい。分かってくれるまで、分かり合えるまで、ちゃんと言葉に出して伝えたい。だから、今日は簡潔にまとめるよ。君と出逢えて良かった。あの時、その手を取って良かった。君が傍に居てくれて良かった。君の事を、愛してる」

 

 なァァァァァァッ! 良いよ‼︎ 良いじゃん‼︎ 男してるじゃんアヤト君‼︎

 

「アヤト……ありがとう」

 

「泣かせるなよアヤト……誓いのキスの場面なのに、しんみりするだろ? ってぼくが促した事か? それじゃあ、そろそろ——」

 

「待って……」

 

 カイトのゆるやかなセルフツッコミが決まり、誓いのキスへの流れをアヤト君が止めた。

 

「アヤト?」

 

 カイトが心配そうにアヤト君に聞いた。そうだよどうした?

 

「どうしても、もう一人、この場でお礼を言いたい人が居るんだ」

 

 はっ? 誰それ? そりゃパーティーメンバー以外にもお世話になった人達は山程居るけど、それ言い出したらキリないから割愛するんじゃ無かったの?

 

「どうしても? 一体誰の事?」

 

「……口に出しては、いけないのかもしれない」

 

 何言ってんの? 口に出してはいけない? そんな卑猥な存在なのその人?

 

「どういう事?」

 

「いつも僕を、傍で見守ってくれた人が居るんだ。でも、確信に触れようとすると、話しを逸らすから、言わない方が良いのかなって思ってた」

 

 なにそれ? そんな人居たっけ? いつも傍で見守ってくれた人? パーティーメンバー以外で? はっ? 誰だよそれ。

 

「そんな人が? この場にその人は居るの?」

 

「分からない」

 

 分からない⁉︎ いやいや、私傍で見守ってたけどそんな人居ませんでしたぁ! 勘違いだよ勘違い! なんなの? 霊感的な事言ってんの? 怖いんだけど……

 

「見えないって、事かな?」

 

「うん」

 

「ぼくも、身に覚えがある。誰かに、導かれている気がしていたんだ」

 

「えっ⁉︎」

 

 ミーヤの驚いた声が漏れた。

 

「どうしたのミーヤ?」

 

「あっ、いや、みぃの事はいいから、アヤチに集中して集中して!」

 

 集中してと言われても、急に訳分かんない人の話しになってるし。

 

「多分……今も! 僕の事を傍から見守ってくれてる。って、思いたい。そして、伝えたい。君が居たから、僕は部屋から出る事が出来た。ヨルシゲと出逢えた。仲間と出逢えた。……自殺しなかった。君が居なければ、何も出来無かった‼︎ 竜魔王は! 会話する機会を設けるって言ったのに、全然機会を与えてくれない‼︎ 君は‼︎ 僕と話すのがそんなに嫌なのかよ⁉︎」

 

 はっ? はぁっ⁉︎ えっ? なにそれ? それって……

 

「君と、会って話しをしたい。無理、なのかな? 僕を、ここまで見守って、導いてくれた君に、言わなきゃいけない事が、あるんだよ……」

 

 

 結婚式は終わり、精霊全員がこの世界を始める時に来た演説場に集められた。そして、神に今後の事を聞く運びになった。

 

「皆の者よ! この世界では無事、魔王を倒し、目的を達成した様に思うじゃろう⁉︎」

 

 ダメッ……全然頭に入って来ない。

 

「しかし、本当の意味で徳無精を更生させれたと胸を張って言える者がおるか⁉︎」

 

 ちょっと神黙ってくんない⁉︎ 私いま考え事してんだけど⁉︎

 

「ふざけんな‼︎」

 

「どの面下げて言いやがる⁉︎」

 

「この詐欺師が‼︎」

 

 罵詈雑言ひどいな。まぁ、自業自得だよ。

 

「えぇぇぇぇぇいっ‼︎ 鎮まらんかい!」

 

「何様だよ⁉︎」

 

「ペテン師‼︎」

 

「クソジジイ‼︎」

 

「鎮まれ、鎮まれぇぇぇぇえっ‼︎」

 

 その時、大きなドラの音が鳴った。マサフミが鳴らしたのであった。

 

 そんな事どうでも良い。ちょっと、静かにして? 考えさせてよ。

 

「もう一度この世界を繰り返す! 勿論、今回良い行いをした者達は転生させるのじゃが、ルイやトキオやマモルなどはまだ心許ない。転生させる訳にはいかんでな!」

 

「また……一からやり直しかよ……」

 

「そうでは無い。次は、ルイやトキオ達にも精霊をやらせ、新たな徳無精を見守ってもらう。今回は百人の徳無精じゃったが、今度はもっと数を増やしてやっていこうと思っておるのじゃ!」

 

 えっ? そうなの?

 

「まぁ今回の様に、良い功績を挙げた者はすぐ転生させるでな? 魔王を倒したアヤトやカイトやユウヤあたりは即転生させてやろうかなと思うておる」

 

 えっ?

 

「ちょっと神‼︎」

 

「な、なんじゃ? メミか?」

 

 私は後ろの方の席に居たのだが、物申したくたくなって、神とマサフミの居る壇上に詰め寄り、文句を言った。

 

「それなら、ルナもちゃんと転生させてあげてよ! マキナさんとかもそうだし、この世界の為に犠牲になった人達が可哀想だよ‼︎」

 

「そのつもりじゃが? 辛い役目を担ってもらった者達には、出来るだけ良い転生先を用意するつもりだったのじゃ」

 

「へっ?」

 

 そうなの?

 

「それにサブクエストの様なものを送ったじゃろ? パートナーに恋人を作らせよと、アヤトとルナは結婚までしたのじゃから、勿論以前言った様に、転生先を幼馴染みのポジションにしてやるでな」

 

「あっ」

 

 そういや前に言ってたな? 普通に忘れてたわ。

 

「皆もよく覚えておくが良い! 愛は尊いのじゃ‼︎ 徳無精を更生させられる術は、愛の力を利用するのが一番の近道であろう‼︎」

 

 大声で何言ってんの? しかも利用するとか言ってわざわざ反感買う様な事言ってるし。

 

「精霊同士にも……そういうのあったと思うんだけど?」

 

 精霊だけが、いつまでも縛られ続けるのは違うと思う。

 

「見ておったよ。ここで名指しにするのも良くなかろう。あまり良い働きだったとは言えんな。もう一度、精霊として徳無精を導いてもらう」

 

 ユズキの事かな。確かに、間違った判断をしたとは思う。

 

「私達は、そうやって神に監視されて生きていくの?」

 

 神に聞いた。

 

「それは、あまりにも不憫じゃろ? これからは、おぬし達もガンガン転生させていく!」

 

「えっ?」

 

 会場がどよめいた。今まで、そんな可能性を考えてみた事なんて無かった。

 

「今回やってみて、徳無精の者達の中で、精霊側に昇格させても良いかな? という者達が山程居た。そうなれば、徳無精を増やすか、精霊に今回でいうルナやマキナの立ち回りをやってもらうか、転生の道を選ばせても良いかなと思ったのじゃ」

 

 なんだ、ちゃんと私達の事も考えてくれてるじゃん?

 

「ユズキやユウゴを幼馴染みとして転生させてやれなくも無い。しかし、まだ心許ない。もう一度、精霊として徳無精を導いてみい」

 

「いや、名指しすんなよ」

 

「あっ……」

 

 さっき自分で言った事を忘れたのかよ⁉︎

 

「まぁ、という事で、精霊も転生させようと思うておるのじゃけれどな……メミ? おぬしも希望すればそうするでな?」

 

「はぁっ⁉︎ ちょっと……急過ぎるって……」

 

「そうじゃろうな。まぁまだ考える時間を設ける。今日の所はこれで解散じゃ!」

 

 あっ、そうなの? でも……

 

「……ちょっと、待って?」

 

「なんじゃ?」

 

「一つだけ。神に、お願いしたい事があるんだ」

 

 もう、聞き入れてはくれないのかな……?

 

「なんじゃ?」

 

 私、どうしても‼︎

 

「お願い‼︎ お願いします。神様私に、アヤト君と話しをする機会を下さい……」

 

 もう、遅いのかな⁉︎

 

「えっ? 良いよ」

 

 軽っ……

 

「他の者もやり残した事があれば早めに言って来なさい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ