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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第六章  『竜魔王討伐戦』
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28  竜魔王討伐戦⑮  氷の上に立つ様に

 28  竜魔王討伐戦⑮  氷の上に立つ様に

 

 

「まずは、今までに出てきた魔法を思い浮かべてみて下さい」

 

「うむ」

 

 次回へ跨ぐ程のトリックだったのか見ものじゃわい。とまでのプレッシャーは掛けられ無かった。

 

「カーテン。わたし達も作戦に組み込みましたね?」

 

「あれはMPの消費も軽くて済むから、作戦に組み込み易かった」

 

「相手もカーテンを使っていたとしたら?」

 

「イーグルがカーテンで一体誰を……って、まさか!」

 

「そうです。村人です」

 

「でも、精霊が村人を創るのは一日一体が限界。あの数を創るには……」

 

「深夜十二時にMPは回復しますよね? この世界での生活が始まってから毎日創れば、六十三体以上創る事は可能です。イーグルは神様の側近でした。導くプレイヤーがいない分、消費するMPも少なかったでしょう。余り、無駄になるだけのMPで毎日、自分の味方になる殺戮人形を量産する事を画策しても不思議ではありません」

 

「この世界に来てからすぐに、そんな悪魔的な発想で動いていたというの? 恐ろしい。あっ、でもそれは無理だ! だって、カーテンには持続時間があるから! あの時までカーテンで村人達を隠す事は出来なかった筈だよ!」

 

「カーテンの持続時間。それ、誰に聞きました?」

 

「誰だっけ……あっ! 思い出した! イーグ、ル……まさか?」

 

「ブラフだったのかもしれないですね」

 

「いや……でも! 私達の中に、持続時間の制限なんて無い事を知っている精霊が居たら、一気に破綻しない?」

 

「カーテンを長時間掛ける精霊って、居ると思います?」

 

「えっ……場合によっちゃ……」

 

「それは、こんな状況だからです。わたし、最初にゴッドブックでカーテンの説明見た時、いつ使うんだ? って思いました」

 

 確かに……まぁ私はゴッドブックまるで覚えて無かったんだけど、プレイヤー用と、精霊用で魔法が分けられているのは見た。多分ごっちゃにならない様になんだろうけど、例えばステイは精霊にしか使え無い。シールドはプレイヤーにしか使え無い。ミーヤに使おうとしたウェイクもそうだったけど、一つの魔法はどちら側かにしか使え無いとかって決まってる。カーテンが精霊専用の魔法って事になるから、使い時って限られてくる気がする。

 

「戦闘でしかカーテンを長時間使う機会なんて無い筈。確かに、私達がカーテンを使う機会は圧倒的に少ない」

 

「それまで計算に入れて、そのブラフを張った可能性はあります。もし、あの中にカーテンの持続時間の有無の矛盾に気付いた精霊が居ても、言い出せなかったとも思います」

 

「イーグルが言ってる事が、正しいと思っちゃうもんね。自分の意見を通して、間違ってたら、自分のせいだと思ってしまうもんね」

 

「そういう心理まで利用して来るんですよ。この男は」

 

「納得した。多分リナの言う通りだ」

 

「まだあるんですよ目暮警部?」

 

 まだあるの? そういや三つって言ってたな。目暮警部? まだそのノリやるの? ってかここで尺使い過ぎじゃないかな⁉︎ 

 

 なんか名探偵の邪魔しちゃいけないと思って横目でしか見てないけど、アヤト君すぐ横まで来てるんだよね。ルナと二人でよたよたとこちらへ歩いてたんだけど、リッカとゴロウをユキナ達の戦場まで送り届けたヨルシゲがアヤト君達の元へ来て、二人を乗せてここまで走って来た。ヨルシゲは私に、「頼んだぞ?」みたいな目線送って何処かへ走り去って行ったんだけど、竜魔王がこっちにゆっくり近付いて来てるんだよね。

 

 ごめんリナ……今そっちにばかり意識集中してるから、心ここにあらずなんだよ。でも、ちゃんと内容は聞いているつもりだからね?

 

「三つ目の可能性。みなさんは、効力の大きな魔法程MPを消費する、そう思い込んでいませんか?」

 

 みなさんて、私しか居ないのだけど? 駄目だ。完全に役になり切ってる。でもどっち役? コナン君なのか小五郎なのか未だに分かんないんだけど?

 

「実際そうでしょ? 違うっていうの?」

 

「イーグルの使った、ミラージュやマインドブレイク、この二つは、いくつMPを消費すると思いますか?」

 

「あれほどの強力な魔法だ、三十MPは消費するんじゃないか?」

 

「その二つの魔法の消費MPが、一MPだとしたら?」

 

「なんだと⁉︎ そんな事、ありえる訳……」

 

「ありえるんですよ! 何故なら、そのルールをイーグルは決めれるから。それだと、全ての辻褄が合います」

 

「その場合も、カーテンで村人を隠していたとなるのか?」

 

「始めに言った通り、可能性は山程あります。その一部をお伝えしたまでです。例えば、あれは村人を創るという魔法と思い込んでいませんか?」

 

「何? 違うというのか?」

 

「イーグルは新しい魔法を創れる。そこで、傀儡を創るという魔法と、それら全員をオートで動かせ続けるという魔法、この二つを、それぞれ一MPで使えるとしたらどうなりますか?」

 

「あっ……そうか。あの村人達は、私達が創るのとは違う手順を踏んで生まれた村人という事になるのか! それなら百MPでも理屈が通る! 流石だな。えーと……君は?」

 

「工藤新一、探偵さ!」

 

 あっ! そっちだったの⁉︎ てっきり小五郎かコナンかと思ってたけど、そっかそっちだったか! 一番の謎やっと解けたわ。

 

 ……あれ? なんか小松未歩の氷の上に立つように流れて来る雰囲気なってない? 駄目駄目‼︎ 全然話し進んで無い‼︎ 謎解きだけで二話も使って良い訳⁉︎

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