4 セブンルール
4 セブンルール
「アヤトー! ルナー!」
ザリガニが大声で迎え入れてくれた。
「メミー!」
「メミチ!」
ナキとミーヤも、私を元気に迎え入れた。
「良かった。何も無くて」
私の言葉を聞いて、ナキは不思議そうな顔をした。
「んっ? どういう事?」
「もしかしたら、イーグルが洞窟を潰しに来るかもと思ってたんだよ」
「あっ、確かに」
その可能性はあった。でも、イーグルは洞窟を狙わなかった。
「洞窟と魔女の効力と縛りを知っていたんですかね?」
ミーヤは流石に、察しが良い。
「そうだろうね。一度生き返らせた者は、もう生き返らせれない。ほとんどの人が一度死んで蘇生してるから、洞窟を潰す事にメリットが無かったんだろうね」
「まぁ、そうだよね……」
ナキ? 本当に話し付いて来れてる?
「洞窟の縛りを知らなかったのなら、それはそれで有利取れたのですが、まぁ仕方無いですね」
「そうだね」
「えっ? どういう事?」
ナキはやはり、私とミーヤの会話に付いて来れては無かった。
「そっきんさ……じゃ無くてイーグルにも知らない縛りとか無いのかなって思ってたの」
「それで有利が取れるかもしれませんしね」
「あ、あぁ、そうかそうか……」
「でも、演技かもだけど、引っかかった所があるんだよね」
「えっ? なんですか?」
ミーヤも気付いてはいなかった様だ。
「魔斬ノ剣の話しをした時、初耳みたいなリアクションだった」
「確かに! そうかも‼︎」
本当か? ナキ。
「もしかしたら、イーグルは全てを把握していない。知らないクエスト報酬があるかもって事ですね?」
「もしかしたら、だけどね……」
「もうすぐ、トキオのパーティーとリナ達がここへ来る手筈になってます。総力戦です。全てを懸けましょう!」
「リッカとゴロウが居ないのは、そういう事?」
「そうです。トキオ達をこの場所へ呼びに行きました」
うーん。でもまだ、攻略の糸口すら思い付け無い……
「取り敢えず、ユウヤ君達の話しも聞こうよ。何か集まって話してるし」
「えっ?」
あっ、本当だ。アヤト君、ルナ、ザリガニ、カイトで円になって何か話してる。多分、大事な話ししてるんだろう。近寄って話しを聞いてみた。
「竜魔王は、多分、この世界を消滅させる力を持っている」
アヤト君が、みんなが分かりきっている事を、敢えて言った。
「そうだな! アヤト、お前はどうすんだよ?」
ザリガニは、今までの消極的なアヤト君を知っている。それでも、アヤト君の意見を聞いてくれた。今までも、きっとこれからも、ザリガニはアヤト君の意見を尊重してくれる。
「ぼ、僕は、その……本当に、なんていうか、上手く言葉を紡げなくて。悪いと、思っているんだけど……」
言葉を紡ぐって言い回し、あんま使わないよね? ってかどうした? 君の借りるなら、いつも以上に言葉紡げ無くなってるけど⁉︎
「何言ってんだよ? 何が言いてぇんだ?」
ザリガニ容赦無いな? 責めるつもりが無いのは分かるけど。
「アヤトのこんな表情、初めて見た! リーダー! 今は黙って、アヤトを見守ろう」
カイト? それ逆にプレッシャーになりそうなんだけど?
「…………」
アヤト君?
「……アヤト?」
ルナの声を聞いて、アヤト君はみんなに目線を配り、大声で言った。
「僕は‼︎ ルナさんと‼︎ 結婚したいです‼︎」
はっ?
いや、はっ? って失礼か⁉︎ 決死のプロポーズを、はっ? って失礼か⁉︎ ってか、マジ何でこのタイミングなの⁉︎ ルナも顔赤くなってるし! 予想外のプロポーズには、予想外な場面での返事をするのが、アヤト君のセブンルールなのかな⁉︎